2023/12/26

【電気的特性に優れたメッキの種類】5つの特性別にメッキを紹介！

公開日：2023.12.26
更新日：2023.12.26

こんにちは。

群馬県高崎市にて表面処理を手掛ける、株式会社三和鍍金と申します。

今回は「電気的特性に優れたメッキの種類」に焦点を当てて詳しく解説します。

メッキ技術は、電子機器や精密部品など、日常生活の多くの分野で用いられている技術です。

その中でも特に、電気的特性を向上させる目的で施されるメッキは、性能と信頼性を高めるために不可欠です。

「電気的特性を高めるメッキとはどのようなものでしょうか？」

「どのような効果を期待できるのでしょうか？」

この記事では、電気的特性とは何か、電気的特性に優れたメッキの種類まで幅広く紹介します。

三和鍍金ではメッキを含む50種類以上の表面処理を手掛けております。

お見積もりのご相談など、お問い合わせはお気軽にどうぞ！

1 メッキの電気的特性とは
2 まとめ
- 2.1 執筆者プロフィール

メッキの電気的特性とは

メッキとは、金属や非金属の表面に別の金属膜を付着させる加工技術です。

このプロセスは、対象物の特性を変化させることが可能です。

電気的特性において、メッキは特に重要な役割を果たします。

例えば、電気伝導性を高めたり、磁性を付与したり、特定の周波数の電磁波をシールドする能力を付加するなど、多岐にわたります。

これらの特性は、金属の種類やメッキの厚さ、そして処理方法によって異なるので注意しましょう。

ここからは、下記の5つの電気的特性がどのようなものなのか、どのような応用が可能かについて掘り下げていきましょう。

●電気伝導性
●磁性
●低接触抵抗
●抵抗特性
●電磁波シールド特性

電気伝導性

電気伝導性は、電流を効率的に伝達する特性を指します。

この特性は、電子機器や回路基板などで重要視されています。

例えば、金メッキや銅メッキは、その優れた電気伝導性から電子部品に広く使用されているメッキです。

金メッキは耐腐食性にも優れており、信頼性の高い電気接続が必要な状況で特に重宝されます。

一方、銅メッキはコストが低く、大規模な産業用途に最適です。

主に使用されるめっきの種類

電気伝導性を高めるためによく使われるメッキには、金メッキ、銅メッキ、銀メッキがあります。

これらのメッキは、高い電気伝導性を持ち、信号の損失を最小限に抑えるために利用されます。

電気伝導性の適用例

電気伝導性の高いメッキは、スマートフォンの基板やコンピュータのCPUソケット、高性能カメラの接続端子など、高精度で信頼性の高い電子機器に広く応用されているメッキです。

また、航空宇宙産業や自動車産業においても、信号の伝達や電子部品の保護に重要な役割を果たしています。

弊社で対応可能な電気伝導性の高いメッキ

磁性

磁性の特性を持つメッキは、磁気を帯びたり、磁場に反応したりする能力を金属に付与します。

この特性は、モーターやセンサー、記憶装置など、磁気を利用する多くのデバイスに不可欠です。

磁性の特性を持つメッキは、非磁性の素材に磁性を与えたり、既存の磁性を強化したりするために使用されます。

主に使用されるめっきの種類

磁性の特性を持つメッキは、ニッケルメッキや鉄メッキなどが挙げられるでしょう。

これらのメッキは、素材の磁性を高めると同時に、ニッケルメッキは耐腐食性、鉄メッキは耐摩耗性を向上させる効果もあるので便利です。

磁性の適用例

磁性の特性を持つメッキは、ハードディスクドライブや電動モーター、スピーカーなどの電子機器に利用されます。

また、医療機器や自動車部品など、精密な動作が求められる分野でも重要な役割を果たしています。

これらの産業では、磁性の特性を持つメッキによって部品の性能が向上し、信頼性と寿命が大幅に改善されることが期待されるでしょう。

弊社で対応可能な磁性の特性を持つメッキ

低接触抵抗

低接触抵抗とは、金属同士が接触する際の電気抵抗が非常に小さい状態を指します。

この特性は、信号伝達や電源供給において極めて重要であり、特に高性能な電子機器や精密機器で求められます。

低接触抵抗を持つメッキは、安定した電気接続を保証し、信号の劣化や電力の損失を最小限に抑えることが可能です。

主に使用されるめっきの種類

低接触抵抗の特性を持つメッキには、金メッキ、銀メッキ、パラジウムメッキなどがあります。

これらのメッキは、非常に低い抵抗値を持ち、高い信頼性と耐久性を提供します。

低接触抵抗の適用例

低接触抵抗を持つメッキは、コネクタ、スイッチ、リレーなどの電子機器の接点部分に広く使用されるメッキです。

これらの部品は、通信機器、コンピュータ、医療機器など、信号の品質と信頼性が重要な多くのアプリケーションで不可欠です。

また、高精度センサーや計測機器にも利用され、精密なデータ収集と処理を実現します。

弊社で対応可能な低接触抵抗を持つメッキ

抵抗特性

抵抗特性とは、メッキされた材料が電流に対して示す抵抗の性質です。

この特性は、電子部品の性能を制御する上で非常に重要であり、特定の用途に応じてメッキ材料を選定する必要があります。

例えば、一部の電子回路では、適切な電流の流れを保証するために、高い抵抗特性を持つメッキが必要です。

主に使用されるめっきの種類

抵抗特性を持つメッキには、ニッケルメッキ、クロムメッキ、亜鉛メッキなどがあります。

これらのメッキは、異なる抵抗値を提供し、電子回路の特定の機能を果たすのに役立ちます。

抵抗特性の適用例

抵抗特性を持つメッキは、抵抗器、トランジスタ、ダイオードなどの電子部品に使用されることが多いです。

これにより、部品は電子回路内で正確に動作し、所定の性能を発揮できます。

また、消費電力の管理や熱の発生を制御するためにも、抵抗特性を持つメッキが重要です。

このような特性は、家電製品、自動車、産業機器など、多くの分野で求められています。

弊社で対応可能な抵抗特性を持つメッキ

電磁波シールド特性

電磁波シールド特性を持つメッキは、電子機器から発せられる電磁波をブロックし、また外部からの電磁干渉を防ぐ能力を有しています。

この特性は、通信機器や電子機器が正確かつ効果的に機能するために重要です。

特に、高周波数を扱うデバイスや、電磁干渉に敏感な機器では、電磁波シールドは不可欠な特性です。

主に使用されるめっきの種類

電磁波シールド特性を持つメッキには、ニッケルメッキ、銅メッキ、銀メッキなどがあります。

これらのメッキは、電磁波を効果的に遮断し、電子機器の性能を保護するために使用されます。

電磁波シールド特性の適用例

電磁波シールド特性を持つメッキは、スマートフォン、ラップトップ、無線通信機器などの消費電子製品に広く利用されているメッキです。

また、航空宇宙、自動車、医療機器などの産業分野でも重要で、これらのデバイスが外部の電磁干渉から保護され、安定したパフォーマンスを維持できるようにします。

これにより、機器の信頼性が向上し、電磁干渉による問題を防ぐことが可能です。

弊社で対応可能な電磁波シールド特性を持つメッキ

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は「電気的特性に優れたメッキの種類」についてお話ししてきました。

メッキ技術は、電気伝導性や磁性、低接触抵抗など、多岐にわたる電気的特性を製品に付与することで、私たちの生活や技術開発において中心的な役割を果たしています。

これらの知識を持つことで、製品の設計や品質管理において、より賢明な決定ができるようになるでしょう。

弊社、株式会社三和鍍金では、創業から70年以上表面処理に携わり、表面処理以外にも塩水噴霧試験や膜厚測定など幅広い分析サービスも行っております。

メッキ関連の表面処理に迷った際には、お見積もりのご相談など、

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執筆者プロフィール

三和鍍金スタッフ: 金属表面処理の様々な疑問・基礎知識や、創業から70年以上培ってきたノウハウについて「誰にでもわかりやすく」をモットーに執筆しています。