【どちらも弊社処理可能!】ニッケルメッキとクロムメッキの違い
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※2023年9月19日に加筆修正いたしました。
群馬県高崎市にある(株)三和鍍金の武藤です。
今回は【これさえ見れば分かる!?】ニッケルメッキとクロムメッキの違い
についてご説明させて頂きます。
弊社ではニッケルメッキ、クロムメッキ共に処理を行っていますのでお気軽にお問合せ下さい
「これはクロムメッキがのっているのか?」「もう少しシルバー色の様な気がするなぁ」
こんなことってご経験の方もいらっしゃると思います。
今回はそんな疑問に対して色の観点をはじめとして性能面やコスト面での比較もしてみたいと思います。
それではご説明させて頂きます。
ニッケルメッキとクロムメッキの色調
早速、ニッケルメッキの色、クロムメッキの色を見て頂こうと思います。
まさに百聞は一見に如かずです!!
こちらが当社のニッケルメッキの色調になります。
![](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2021/02/4004124f3d0b9165cd549595922ecad4.jpg)
そして、こちらが当社のクロムメッキの色調になります。
![](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2021/02/82e5dc0b6a8d11c335a8ba065aa95bc6.jpg)
いえいえ、ちゃんと違う画像ですよ(笑)
同じ画像を貼っていない!?
ん?全然わからない?そうですよね。
そこで次は両者を並べて比較してみましょう。
どちらがニッケルメッキでどちらがクロムメッキだかわかりますか?
ニッケルメッキとクロムメッキの比較
![](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2021/02/0129209411b19ee1a23639fccd53d01b-1-1024x789.jpg)
正解は左がクロムメッキで右がニッケルメッキになります。
少しわかりやすくなりましたね。
写真を撮る時の光の加減で分かりづらくなってしまいます。
写真が下手くそなもんで失礼致しました。
もともと色調の違いが分かりづらいので画像だとより分かりづらくなってしまいます・・
肉眼で見ると多少は分かりやすくなります。
ぱっと見では非常にわかりづらいですがよく見るとわかります。
色合いを文字で説明すると
ニッケルメッキは多少赤っぽく赤みがあります。
クロムメッキは銀色でシルバー色になります。
私自身も以前めっきの検査をしていた際は目がなれるまで時間が掛かりました。
数をこなしているとすぐわかるようになってくるものです。
慣れといったものでしょうか。
下記YouTubeでも比較していますので是非ご覧ください。
ニッケルメッキとクロムメッキのめっきの付きまわりと皮膜性能
次にニッケルメッキとクロムメッキのめっきの付きまわりと皮膜性能の違いについてみていきます。
付きまわりに関しては、基本的にニッケルメッキの方が優れています。
言い換えると、クロムメッキの方が技術的につけるのが難しいということです。
したがって、ニッケルメッキが多少複雑な形状にも付きまわるのに対して、クロムメッキは電気的に弱く当たる箇所(弱電部)には正常にメッキされません。
クロムメッキの弱電部の問題を解消するためには、単純に強電部にすればよいので補助極などを追加して電気的に補完することが必要ですが、
弊社のような全自動エレベーターラインだと横揺れが発生するため不可になります。
皮膜性能に関しては、ニッケルメッキが耐熱性や導電性、耐食性に優れているのに対して、
クロムメッキは硬度や耐食性、美観に優れています。
基本的にクロムメッキの下地にはニッケルメッキが入っていますので、クロムメッキのこと耐食性についてはニッケルメッキによって強化される形となります。
ニッケルメッキはその性能面から医療系や精密機器系、クロムメッキはその美観から装飾品系や自動車外装部品系など、用途に応じて様々な場所に採用されているのです。
ニッケルメッキとクロムメッキのコスト
最後にコストの比較です。
一般的には
・金属の価格が違うこと(クロムメッキは下地にニッケルメッキがそのまま入っています)
・技術的に難しい(手間がかかる)こと
などの理由でクロムメッキの方が高価になる傾向があります。
ただ、弊社に関して言えば基本的にどちらも同単価にてご提案させていただいております。
※工数が著しく変わる場合にはこの限りではありません。
クロムメッキにしたいけど、ニッケルメッキの方が安いから迷っている…というお客様は是非ご相談ください。
どちらのメッキに関しても低価格にてご提案させていただきます。
まとめ
今回はニッケルメッキとクロムメッキの違いについてご覧になって頂きました。
クロムメッキが付き回りづらい製品内部や電気が行き届きづらい箇所は
クロムメッキの被膜がのらずニッケルメッキの被膜が露出しているところもあります。
電気を用いて行っているのでどうしても被膜がのりづらい箇所が発生してしまうのです。
ニッケルメッキの被膜はのっているのにどうしてクロムメッキはのらないの?といった疑問も
ニッケルめっきとクロムめっきの電流効率の差や付き周り性能の違いがあるので
めっきがのる、のらないが発生してきてしまうのでご理解下さい。
※詳しくは以下のコラム、ニッケルメッキとクロムメッキの基礎をご参照ください。
これを解消する為には補助陽極を用いたりすればいいのですが・・
自動ラインで処理を行おうとすると難しくなります。
これは「ニッケルメッキだ!」「クロムメッキだ!」
ここを判断するのには今回の記事を参考にしながら見て頂けるとわかりやすくなると思います。
今回の記事をご覧になって頂いた方にとってお役に立つことが少しでもあれば幸いです。
当社でも銅-ニッケル-クロムメッキを行っていますので、対応可能寸法などは下記リンクよりご参照ください。
是非、宜しくお願い致します。
執筆者プロフィール
![武藤 篤](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2021/07/muto-300x300.jpg)
- 代表取締役
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株式会社三和鍍金に入社後、経営難に陥っていた会社再建に取り組む。
経費削減、業務改善、人材育成に取り組み1年でV字回復させる。
その後、営業手法の業務改善を行い、売上高増加、年間新規取引100件を達成
柔軟な発想や行動力を持ち味に現在は表面処理を通しての新規事業に着手中。
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