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【基礎中の基礎!】クロムメッキについて

事業統括部の柳沢です。

今回は【基礎中の基礎】シリーズ、「クロムメッキ編」になります。

クロムメッキの基礎的な部分についてご紹介できればと存じます。

下記、YouTubeも是非ご覧ください。

クロムメッキについて触れている箇所もございます。

クロムメッキとは

構成要素がクロムであるメッキを指します。

一般的にクロムメッキには大別して2種類があります。

装飾クロムメッキと硬質クロムメッキ(ハードクロムともいう)です。

この二つの違いについては、こちらの記事にて解説済みですので今回は割愛しますが、

割愛した分、「クロム」という金属の話をさせていただければと思います。

「クロム」という金属

金属加工の業界に携わったことのない方でも、もしかすると「クロム」という金属の名前は聞いたことがあるかもしれません。

なぜなら、先に挙げた装飾クロムメッキというのはアクセサリーなどの金属装飾品にも使われるからです。

デジタル大辞泉によると「クロム」とは、

・自然界にクロム鉄鉱として酸化物の形で存在している

・銀白色で硬い

・常温ではきわめて安定でさびにくい

・耐食性、耐熱性に優れている

などの特徴を持つ金属であると定義づけられています。

したがって、クロムで構成されているメッキ皮膜も同じ特徴・性質を有していると言えます。

また、表面処理分野の似た言葉に「クロメート」というものがありますが、こちらは「クロムメッキ」とは全く別の表面処理になります。

「クロムメッキ」は電気を用いる処理なのに対して「クロメート」は電気を用いず浸漬のみで皮膜をつける処理であったり、

クロムメッキがいわゆるシルバー色であるのに対してクロメートは青白いような色や黒など様々であったり。

詳しくはこちらで解説しておりますので、是非ご覧ください。

クロムメッキのメリット・デメリット

メリット

まず、とにかく見た目が美しいことが挙げられます。

アクセサリーに採用されるほど美しい光沢を放つという点はクロムメッキの一番のメリットかと思います。

その高級感や清潔感によって美術館で使う器具や医療の現場に採用されることもしばしば。

しかし、「見た目だけではない」ところがクロムメッキのすごいところで、

上に挙げたクロムの特徴の通り、さらに耐食性・耐熱性・耐摩耗性などに優れています。

装飾クロムメッキは、その高耐食性を活かしてアクセサリーだけでなく自動車の外装にも用いられ、

硬質クロムメッキは、その耐摩耗性を活かして機械内部のシャフト(高速回転をするため徐々に摩耗する)に採用されています。

美観と高機能のハイブリッド、それがクロムメッキです。

デメリット

一般的にクロムメッキは電流効率が悪く、付きまわりが悪いと言われています。

したがって、電圧や温度管理、そして治具製作・考案を含め、ニッケルメッキや銅メッキに比べて品質を安定させるのが少し大変で、

技術的に難しいメッキと言えます。

硬質クロムメッキに関して言えば、その電流効率の悪さゆえ、長時間の浸漬・処理が必要になっている実状があります。

また、電気を用いる電気メッキですので、弱電部や強電部という箇所が発生します。

装飾クロムメッキは「かぶりやすい(強電部に出る白い筋、不良の一種)」と言われており、

ただでさえ付きまわりがあまり良くないにもかかわらず、かといって電圧をあおればかぶってしまうという

実は作業者泣かせのメッキなのです。

硬質クロムメッキにおいても、強電部には「花咲き」という不良が起きやすく

高品質なクロムメッキを安定的に出荷することは易しいことではありません。

少しずつ少しずつ電圧・タクトを調整し、「ちょうどいい点を見つける」作業が必要になります。

弱電部に関しても、特に硬質クロムメッキに関しては通常5μほどの膜厚を確保しなければなりませんが、

凹部などの形状によっては補助陽極の設置による弱電部対策が必要になります。

また、電気メッキですので、ニッケルメッキと同じくパイプ内部等にメッキすることはかなり難しいと言えます。

難しい理由につきましてはこちらの記事の最後に記載してありますので、ご参照ください。

さて、「クロムメッキはネガティブなことばかり」という印象がついてしまったかもしれませんが、

クロムメッキはメッキとして非常に優れた性能を持つメッキです。

ただし、その恩恵を受けるのは簡単ではないということですね。

些細なことでも何かございましたら、お気軽にご連絡ください。

蛇足~メッキの歴史~

恒例の蛇足シリーズということで、今回はメッキの歴史についてお話したいと思います。

いつぞやのコラムでも同様のことを書いているかもしれませんが、あまり気にせずご覧ください。

メッキの歴史は古代メソポタミア文明から始まります。

小学校・中学校で習いましたよね、世界四大文明のひとつ、メソポタミア文明。

実はメッキの発祥はこの文明と言われており、その歴史は4000年という驚きの長さになります。

当時行われていたのは錫メッキと言われるメッキで、現代と同様に耐食性や美観向上のため用いられていました。

錫メッキについてはこちらのコラムをご覧ください。

それから時は経ち、修学旅行の定番スポット「奈良の大仏」にもメッキが行われます。

この東大寺の大仏には水銀アマルガム法と呼ばれるメッキ方式が採用され、水銀820kg、金146kgもの材料が用いられたそうです。

水銀アマルガム法はいわゆる「置換メッキ」の一種であり、当時のメッキと言えばこの置換メッキが一般的でしたが、

1800年にイタリアのボルタがボルタ電池という電池を開発したことで、ここから徐々に「電気メッキ」が浸透していきます。

そして、ついに日本でもある有名な「藩」が輩出した人物によって電気メッキが運用され始めます。

西郷隆盛や大久保利通などを輩出した九州地方の藩と言えばどこでしょうか。

…そうです。

薩摩藩です。

1855年、薩摩藩の11代目藩主「島津斉彬」は日本初の電気メッキを行いました。

そこから工業化などを経て、メッキ業界は今のような形に落ち着いたのです。

私たちが今走っているレールは、メソポタミアの文明人やボルタ、島津斉彬たちがつくりあげたレールというわけですね。

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