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【基礎中の基礎!+α】無電解ニッケルメッキについて

群馬県高崎市にある(株)三和鍍金、事業統括部の柳沢です。

今回は【基礎中の基礎!+α(プラスアルファ)】シリーズ、「無電解ニッケルメッキ編」でございます。

今回のテーマは「無電解ニッケルメッキ」。皆様ご存知でしょうか。

まずは簡単に大枠からお話ししていきます。

無電解ニッケルメッキとは

メッキの種類

他のコラム記事でもたびたび書いていますが、メッキを大別すると2種類に分かれます。

メッキ皮膜形成に電気を使う電解メッキと電気を使わない無電解メッキです。

電解メッキの方は電気化学的に、無電解メッキは化学的反応を利用してメッキ皮膜を析出させます。

※析出・・・溶液やガスなどから固体が分離して現れること

無電解ニッケルメッキとはその名の通り無電解メッキの一種で、化学反応によってニッケルメッキを施したものになります。

ただし、ご注意願いたいのが、ニッケル含有度の違いです。

電解ニッケルメッキにおいて皮膜に対するニッケル含有割合は99%以上ですが、

実は無電解ニッケルメッキの皮膜にはリンが含まれており、その割合は8~14%ほど。

ニッケルの含有割合は86~92%ほどになります。

このことから、無電解ニッケルメッキは「ニッケル-リン合金メッキ」と呼ばれることもあるのです。

※合金メッキについてはこちらもご覧ください。

また、この組成の違いにしたがって、物性(機能)にも違いが出てきます。

そして、実はその違いは非常に大きなものなのです。

メッキの分類
メッキには様々な分類があります

無電解ニッケルメッキの性能と用途

無電解ニッケルメッキが持つ特性のうち、電解ニッケルメッキ(電気ニッケルメッキ)のそれと共通している部分ももちろんあります。

たとえば、耐食性導電性などです。

しかし、逆に言えば、これら以外については項目として共通していてもその程度が大きく違っていたり、そもそもその特性を持っていなかったりと、リンの有無によってかなり性能に差ができています。

無電解ニッケルメッキが持つ性能は上の二つと以下の通りです。

硬度、耐摩耗性、耐薬品性、反磁性、反射防止性、耐熱性、熱伝導性、はんだ付け性 等

この様々な機能を活かし、電気分野や自動車分野をはじめとして、化学・食品・医療分野などにおいても多数採用されています。

また、電気を通さない素材に電気メッキを施すための下地として用いられることもあります。

弊社で扱っているプラスチックメッキも、この無電解ニッケルメッキを下地として樹脂上に金メッキやクロムメッキなどの電解メッキを行います。

非常に優秀で融通の利くメッキですね。

医療

無電解ニッケルメッキの膜厚

前述した通り、無電解ニッケルメッキは電気を使わない化学メッキです。

したがって、メッキ厚についても一つの製品に対して均一になりやすいと言えます。

具体的にはおよそ5~10μくらいが最も一般的な膜厚かと思います。

…逆に一つの製品でメッキ厚が場所によって変わることなんてあるの?

先の説明でそう思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

結論、あります。

電気を使う電気メッキでは「電気分布」という概念が存在します。

一つの製品表面において、電気が弱くかかる弱電部と電気が強くかかる強電部という部分に分かれます。

電気メッキの膜厚調整を電圧の上げ下げで行うことができることからもわかりますが、

電気を強く当てればメッキは厚く、弱く当てれば薄くなります。

したがって、電気メッキの場合、極端にいえば下図のようになります。

電気を使うメッキは基本的にすべてこうなるのです。

したがって、膜厚の均一性がとれることは無電解メッキの利点の一つと言えます。

無電解ニッケルメッキの価格

無電解ニッケルメッキは、他の表面処理と比較して高価です。

ただ、これには明確な理由があります。

端的にいえば液管理の難しさと使用されている薬品の単価です。

無電解ニッケルメッキは電気を使わない分、物の形状や材質に左右されにくく、

その点においては使い勝手の良いメッキと言えますが、

温度調整などをはじめとした液管理が非常に難しく、技術と豊富な知見が必要になってきます。

また、薬品単価が非常に高いため、メッキ処理費用にもその分が反映されてしまうというわけです。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

無電解ニッケルメッキのメリット・デメリット

無電解ニッケルメッキのメリット・デメリットを電解ニッケルメッキとの比較を交えながら解説します。

メリット

電解ニッケルメッキと異なり電気を使用しないメッキなので、製品形状にとらわれず皮膜の均一性を保持できます。

また、非導電性素材についてもメッキ処理が可能です。

熱伝導性、反射防止性、均一析出性、反磁性等、電解ニッケルメッキにはない性能をいくつも有しておりますし、

硬度については電解ニッケルメッキのそれより優位です。

メッキ上がりの状態も良好な硬度を持ちますが、後工程にて焼き入れを行うことで、使用用途等によっては硬質クロムメッキに匹敵するとさえ言われています。

デメリット

柔軟性など電解ニッケルメッキにあって無電解ニッケルメッキにない特性もありますし、

電気抵抗の低さなどは電解ニッケルメッキに軍配があります。

また、析出時間の遅さや使用する薬品単価の高さが起因して、前述した通り他の表面処理と比較しても高コストな表面処理になります。

さらに液管理が非常に難しく大変なので、扱うのにも技術や知識が必要になります。

当社では協力工場様と密に連携し、高品質な無電解ニッケルをできるだけ「安く早く」提供することに重きを置いております。

些細なことでも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。

PROFILE

柳沢 寛太
柳沢 寛太
新卒として入社後、現場での業務経験を活かし現在は営業として活動しながらコラムを執筆。塾講師・家庭教師の経歴から、「誰よりもわかりやすい解説」を志している。
また、多数の人気コラムを生み出すだけでなく、YouTubeの元編集者・現プレスリリース執筆者。コラム・YouTube・広告等のプロモーションを手掛けた本HPは流入ユーザー数前年比1,150%アップという偉業を達成した。
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