【基礎中の基礎!】銅めっきについて
※この記事は2021年1月17日に追記しております。
三和鍍金の武藤です。
今回は【基礎中の基礎】銅メッキについてということで
銅メッキの基本的な性質や用途、種類、外観について解説していきます。
銅メッキについて知ってる人はおさらいを。知らない人は是非!
最後までご覧になってください。
銅メッキとは
銅メッキは、銅を溶かし込んだメッキ浴に被メッキ物を入れ電気を使い銅メッキ皮膜を被メッキ物に被覆させるものです。
下地めっきから機能メッキまで幅広い用途に用いられる重要なメッキです。
外観の色合いは赤褐色と言えばいいのでしょうか。銅色と言えば皆さん何となくイメージは出来ると思います。
非常にきれいな外観をしています。
銅メッキの光沢や外観面を確認したい方は当社、Official YouTube Channel「【メッキとは?】三和鍍金のメッキ」の動画内で出ていますのでご覧になってください(下記埋め込み)。
銅メッキは何種類かある!?
意外と知られていないのですが表面処理(めっき)の業界には様々な分類が存在します。
銅メッキも同じで大きなくくりは「銅メッキ」ですが細分化すると種類が実はあるのです。
酸性からアルカリ性の様々なPH(ペーハ-)の銅メッキ浴があり、素材に合わせてメッキ浴の選定を行います。
ここで銅メッキの種類をいくつか見てみましょう。
1.硫酸銅浴
硫酸銅浴の特徴として酸系のメッキ浴なので腐食性が高く、鉄生地には銅が置換析出するので、直接メッキが出来ない、均一電着性がシアン化銅浴には及ばない等のデメリットが挙げられます。
メリットとしては良質な物性を有し、メッキ浴中でも最もレベリング性が高く最高グレードの光沢が出ます。電流効率が良くメッキが短時間でつく、良質なメッキ皮膜となる為、電気特性が問題視されることがほとんどないと言われております。
2.シアン化銅浴(青化銅浴)
シアン化銅浴は作業環境や公害の面からは好ましくないにもかかわらず他の銅メッキには無い長所をたくさん持ちあわせています。酸性浴と比較して高い過電圧のもとでメッキされるため緻密なメッキ層が得られ、均一電着性に優れています。
複雑形状の品物の内側の部分や、ピンホール等などの素材欠陥の内部までもめっきが良く付きまわる為、多種のめっきに先立って素材に施されるストライクとしても広く利用されています。
更に、素材表面についた油などの汚れを洗浄しその表面を電気化学的に活性化学的に活性化する作用を持つため、前処理不足を補う効果もあります。
環境規制の面から脱シアンも取り上げられていますが代替えとしてもシアン化銅浴に比べると性能が劣ります。まさに諸刃の剣といったところでしょうか。
3.ピロリン酸銅浴
ピロリン酸銅浴は優れたレベリング性、均一電着性、並びに低毒性であるといえます。
加水分解する性質を持っている為、その特性を十分理解した上で管理しないと浴の寿命を短くし、メッキ不良の原因になりやすいのです。
ピロリン酸銅浴は管理が非常に難しいのです。
銅メッキの用途
銅メッキは主に下地のメッキとして使われることが多いです。例えばニッケルメッキ、クロムメッキ前の耐食性を持たせたりしています。銅メッキは熱伝導性、電気伝導性に優れているので装飾めっきの下地めっきから、優れた電気伝導性を利用する機能めっきまで多くの用途に用いられています。
因みにパイプ等の内部は、酸性浴でめっきをして内面に液が残っているとそこから腐食してきたりしてしまいます。しっかりと液残りが無いように洗浄することを心掛けて処理を行います。
その辺を比較的気にしなくても良い為、パイプ等はシアン化銅浴をお勧めします。
このように銅めっきといっても製品に適したものがございます。
適した銅メッキが不明な時はご相談下さい。
銅メッキの性質
銅メッキの性質ですが酸性浴では硫酸銅浴、中性に近ければピロリン酸浴、アルカリ性ではシアン化銅浴となっています。
それぞれに特性があり硫酸銅浴、ピロリン酸銅浴で、鉄素材にめっきをすると置換めっきが生成します。これが密着性がよくないので鉄素材に直接銅メッキをほどこすと密着不良に繋がります。
密着性からみると良好なシアン化銅浴が使われることが多いです。
光沢の面からみると硫酸銅浴、ピロリン酸銅浴がお勧めです。両者に比べるとシアン化銅浴は劣ります。もちろん、薬品の光沢剤等に影響してきますが・・
このように一長一短といったそれぞれの性質があるのです。
まとめ

今回は【基礎中の基礎!】銅メッキについてということでご紹介させて頂きました。
めっきは非常に奥が深く今回ご紹介させて頂いた内容でもあくまで銅メッキの一部です。
詳しい内容やご不明点等ございましたらご連絡頂ければと思います。
当社でも銅メッキを処理できますので宜しくお願い致します。
因みに当社は硫酸銅メッキ、下地としてシアン化銅浴を採用しております。