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2024.01.24

【金属の基礎知識】ロジウムの特徴と用途を解説!

ロジウムは延性や硬度、耐食性の高さが特徴の金属です。

工業で利用されることが多く、自動車やバイクの三元触媒、るつぼ、メッキなどに使われています。

こちらの記事では、ロジウムの特徴や製錬方法、用途について解説します。

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ロジウムとは?特徴と製錬方法

ロジウムは希少金属のひとつで、耐食性や延性に優れているなどの特徴を持ちます。

以下では、ロジウムの特徴や、製錬方法について解説します。

ロジウムの特徴

ロジウム 元素記号:Rh 原子番号:45

ロジウムは白金族のひとつ。プラチナを製錬する際の副産物で産出量が少なく、希少性の高い金属です。
ロジウムが溶けだした水溶液がバラ(ギリシャ語でrhodon)の色をしていたため、ロジウム(Rhodium)の名前がつけられました。
柔らかく延性がある、電気抵抗が低い、硬度が高いなどの特徴があります。

色は光沢のある白銀で、見た目の美しさやキズが付きにくいことから、ジュエリーのメッキにも利用されます。ただし、ロジウムメッキのうち「黒ロジウムメッキ」は、ツヤのある黒色をしています。

ロジウムは触媒としての利用が多いですが、耐酸化性の向上や、固溶強化を目的としてプラチナに添加することもあります。常温の空気中では酸化しないため、変色が起こりにくく、アルカリや酸に対する耐食性にも優れた金属です。

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製錬方法

ロジウムは、白金族鉱石を製錬して作られる金属です。プラチナを製錬する際の副産物であるため、採取できる量が少なくなっています。稀ですが、ロジウムが主成分の鉱物も存在します。

ロジウムの製錬工程

  1. 1.鉱石の粉砕
  2. 2.溶錬
  3. 3.酸化濃縮
  4. 4.ロジウムの抽出

白金族鉱石の製錬過程でできる水溶液には、ロジウムのほかにも貴金属が溶けだしています。

効率的な抽出方法が開発される以前は、ほかの金属と一緒にロジウムが沈殿してしまうなどの問題があり、含有量の20%程度のロジウムしか抽出できないケースもありました。

現在では、より効率的な製錬方法が開発され、回収率は90%以上となっています。

ロジウムの用途

ロジウムは希少金属であり、その用途は限定的です。以下では、歯科用鏡のコーティング、白金ロジウム合金、三元触媒について解説します。

歯科用鏡のコーティング

ロジウムは、歯科で使われる鏡のコーティング剤としてよく利用されています。

鏡をロジウムでコーティングすると、反射率が高くなり、視認性が向上します。

そのため、歯科検診や治療の際に口腔内を見るための小さな鏡や、レントゲンの撮影時に使用するミラーにはロジウムコーティングが施されているのです。

白金ロジウム合金

白金ロジウム合金とは、プラチナにロジウムを添加した合金のこと。

耐熱性耐食性に優れており、融点が高いことが特徴で、工業や製造業で多く用いられています。

熱電対やるつぼ、ガラス繊維を製造するためのノズルなどに使われます。

三元触媒

ロジウムは三元触媒の製造に欠かせない金属のひとつです。

車やバイクから出る排気ガスは、一酸化炭素や窒素酸化物、炭化水素を含んでいるため有害です。

それらの有害物質を除去するために必要なのが、三元触媒です。

ロジウムは窒素酸化物の除去に有効で、工業利用されているロジウムの80%以上が三元触媒に充てられているとも言われています。

【まとめ】貴金属についてのご相談は三和鍍金まで

ロジウムの特徴まとめ

  • ●柔らかく展性があり、白金族の中で最も電気抵抗が少ない
  • ●酸やアルカリに強く、耐食性に優れている
  • ●空気中で酸化せず、変色が起こりにくい

ロジウムは車やバイクの三元触媒や、電子部品のパーツとして欠かせない金属です。

一方で、産出量が少なく、供給不足が懸念されています。産地も南アフリカとロシアに依存しており、リサイクルの推進など枯渇リスクに備えた対応が必要です。

三和鍍金では、50種類以上のメッキ・表面処理を取り扱っています。

現在、ロジウムメッキは承っておりませんが、剥離処理については対応可能です。ぜひ一度ご相談ください。

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