027-346-3636受付:8:00~17:00(平日)

columnメッキライブラリ

2024.03.25

スマホに眠るレアメタルとは|日本の都市鉱山の可能性を紹介!

皆様、こんにちは。

群馬県高崎市で表面処理を行っております。株式会社三和鍍金です。

今回は「スマホとレアメタルの関係」について詳しく紹介していきます。

私たちの日常生活に欠かせないスマートフォンや電子機器には、見えない価値が秘められています。

それは、これらのデバイス内に含まれるレアメタルと呼ばれる貴重な資源です。

現代社会の技術革新を支え、私たちの生活を豊かにするこれらの素材は、一度地球から採取されると、その再生産は非常に難しいとされています。

そこで、不要になったスマートフォンや電子機器が持つ「都市鉱山」としての潜在的な価値に注目が集まっています。

これらの製品が含むレアメタルを効率的に回収し、再利用することは、資源が限られている私たちの社会にとって非常に意義深い取り組みです。

さらに、このリサイクルプロセスは、資源の有効活用はもちろん、環境負荷の低減にも大きく寄与します。

この記事では、レアメタルの基本的な知識からスタートし、スマートフォンなどの電子機器におけるその役割、そして都市鉱山としての可能性について掘り下げていきます。

製造業の経営者をはじめ、すべての方々がレアメタルの重要性とリサイクルの推進について考え、行動を起こすきっかけになれば幸いです。

持続可能な社会を目指し、資源の効率的な利用と環境保護への貢献に向けて、一緒に取り組んでいきましょう。

三和鍍金では金属の表面処理だけでなく環境保護に繋がる剥離事業も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

レアメタルとは

レアメタルとは、文字通り「珍しい金属」という意味を持ち、その名の通り、地球上に存在する量が限られている、あるいは採掘が困難であるために産出量が少ない金属のことです。

これらの金属は、電子部品や永久磁石といった現代の高度な技術を持つ製品に不可欠な素材として使用されており、現代社会を支える重要な役割を担っています。

金や銀、プラチナなどの貴金属も産出量が少なく貴重ですが、レアメタルはこれら貴金属とは異なり、近代科学技術の発展に伴い、その重要性が高まってきた金属群を指します。

例えば、スマートフォンやパソコン、電気自動車などの製造には、タングステンやモリブデン、ニッケル、パラジウムといったレアメタルが欠かせません

そのため、レアメタルの確保は、各国の経済や安全保障にとっても重要な課題です。

しかし、これらのレアメタルは地球上での存在量が限られており、採掘や精錬にも高いコストがかかるため、価格の変動が激しく、また、産出国が限られていることから、供給にも不安定さがあります。

このように、レアメタルは私たちの日常生活に密接に関わりながら、その存在や重要性についてあまり知られていない、まさに「隠れた宝物」と言えるでしょう。

次のセクションでは、私たちが日常使っているスマートフォンにどのようなレアメタルが使用されているのか、その種類と役割について詳しく見ていきます。

スマホに使用されているレアメタルの種類

スマートフォンの内部には、私たちの日常生活を支える小さな秘密が隠されています。

それは、スマホ1台に含まれる数多くのレアメタルです。

これらの金属は、スマホの性能を高め、さまざまな機能を可能にするために不可欠な要素です。

では、具体的にどのようなレアメタルがスマホに使用されているのか見ていきましょう。

インジウムとスズ

液晶画面の製造には、インジウムとスズを組み合わせたITO(インジウムスズ酸化物)が使用されます。

これにより、透明で電気を通す液晶画面が実現可能です。

ネオジム

スマホの振動を生み出す振動モーターや、スピーカーには、強力な永久磁石を作るためにネオジムが使用されています。

タンタル

高い容量を持つチップタンタルコンデンサには、タンタルが用いられます。

これは電力を蓄え、安定した電力供給を支える役割を果たす存在です。スマホの振動を生み出す振動モーターや、スピーカーには、強力な永久磁石を作るためにネオジムが使用されています。

銀と金と銅

スマホの電子回路には、優れた電気伝導性を持つこれらの金属が広く使用されています。

特に金は接点部分に用いられ、耐食性と電気伝導性を提供します。

パラジウムと白金

一部の電子部品や、チップセラミックコンデンサには、パラジウムと白金などの貴金属が使用されているのが一般的です。

実はスマホは宝の山?

実は、私たちが日常使っているスマートフォンは、見た目以上の価値を秘めています。

それは、内部に含まれる数々のレアメタルや貴金属が、まさに「宝の山」とも言えるからです。

では、なぜスマホがこのように称されるのか見ていきましょう。

スマホ内部に眠る多様な資源

スマホ1台には、鉄やアルミニウムなどの一般的な金属のほか、金や銀といった貴金属、さらにはタングステンやモリブデン、ニッケル、パラジウムといったレアメタルが含まれています。

これらの金属は、スマホの基板や電池、液晶画面など、さまざまな部品の製造に不可欠です。

特に、レアメタルはその名の通り希少性が高く、一度地球から採取されると再生産は非常に難しいです。

スマホが宝の山と言われる理由

スマホが「宝の山」と言われる大きな理由は、これらの貴重な資源を回収し、再利用することが可能だからです。

例えば、液晶画面に使用されているインジウムは、すでに製品化されたものの中に、世界の現有埋蔵量の約61%が含まれていると言われています。

つまり、不要になったスマホの中には、地球上で採掘できる量を上回るほどの貴重な資源が眠っているということです。

資源の再活用の可能性

これらの内部に含まれる貴重な金属を効率的に回収し、再利用することは、資源が限られた日本にとって非常に意義深いことです。

現在、使用済みのスマホや小型家電からレアメタルなどの貴重な金属を取り出し、新たな製品の製造に活用する取り組みが進められています。

このプロセスを通じて、資源の有効活用はもちろん、環境負荷の低減にも寄与することが期待されています。

都市鉱山の活用

使用済みのスマホや電子機器が「都市鉱山」と称されるのは、これらの製品が含む貴重な資源を、文字通り「鉱山」から採掘することに例えられるからです。

製品内部に眠る資源を効率的に回収し、再利用することで、新たな価値を生み出せます。

これは、製造業における環境保護と資源再利用の観点からも非常に重要な取り組みです。

スマホが単なる通信ツールではなく、「宝の山」としての可能性を秘めていることを理解することは、環境保護と資源再利用の取り組みにおいて、経営者にとって大きな意義があります。

これからも、私たちはこれらの貴重な資源を有効に活用し、持続可能な社会を目指していく必要があります。

スマホのリサイクル方法

スマートフォンのリサイクル方法は、環境保護と資源再利用の面から見ても、非常に重要です。

製造業の経営者としては、このプロセスを理解し、サステナビリティの推進に役立てることができます。

回収

リサイクルの最初のステップは、不要になったスマートフォンを回収することです。

多くの場合、携帯電話会社や家電量販店では、古いスマートフォンの回収ボックスを設置しています。

また、自治体や企業が主催する電子機器回収キャンペーンを通じて回収されることもあります。

分解

回収されたスマホは、次に分解されるのが一般的です。

この過程では、バッテリーや画面、基板など、スマホを構成する部品に分けられます。

この分解作業は、専門のリサイクル施設で行われることが多く、高い技術を要します。

レアメタルの抽出

分解された部品からは、金、銀、銅のような貴金属や、リチウム、コバルトなどのレアメタルが抽出可能です。

これらの金属は、新たな電子機器の製造や、他の産業分野での原材料として再利用されます。

レアメタルの抽出には、化学的な処理が必要であり、専門の設備が求められます。

再利用とリサイクル

抽出された金属は、新たな製品の製造に供されるほか、一部は電子機器の修理用部品として再利用可能です。

また、スマホのプラスチック部分も、粉砕して再生プラスチックとして利用されることがあります。

都市鉱山と呼ばれる埋蔵携帯の可能性

引き出しや押し入れの隅で眠っている使われなくなった携帯電話。

これらは単なる古い電子機器ではなく、実は莫大な経済価値を秘めています。

関西大学の宮本勝浩名誉教授の調査によると、日本国内にある「埋蔵携帯」の市場価値は、驚くべきことに約2兆1000億円にも上ると推定されています。

この数値は、国内に約1億3000万台のスマホと約8000万台のガラケーが存在するという推定に基づいて算出されたデータです。

スマートフォンの高性能化が進む中、旧型のスマホでも十分な機能を持っているため、中古市場では比較的高値で取引されています。

例えば、3年前に発売されたiPhoneであっても、4万円前後で販売されているケースが当たり前です。

これは、バッテリーの持ちやメモリーのサイズなど、基本的な機能に問題がなければ、十分日常生活で使用可能であることを意味しています。

このように、埋蔵携帯には経済的価値だけでなく、内蔵されているレアメタルを再利用することによる環境保護の側面もあります。

リサイクルを通じてこれらの資源を回収し、新たな製品の製造に利用することは、資源の有効活用と環境保全の両立に大きく貢献することに繋がるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は「スマホとレアメタルの関係」について解説してきました。

レアメタルは、現代技術の進歩と環境保全のキーポイントとして、私たちの生活に欠かせない存在です。

スマートフォン1台に含まれる多種多様なレアメタルは、その小さなボディの中に眠る巨大な価値を象徴しています。

使われなくなったスマホが持つ「埋蔵携帯」としての経済価値は、ただ驚くばかりではなく、資源再利用の観点から見れば、これらを有効活用することの重要性を物語っています。

製造業の経営者をはじめ、すべての人々がレアメタルの持続可能な利用とリサイクルの推進に向けて一歩を踏み出すことが、未来の技術革新だけでなく、環境保護においても大きな意味を持つことになるでしょう。

レアメタルを取り巻く問題、特に資源の枯渇リスクや政治的な偏在性に対処するためには、リサイクル技術の発展と資源の効率的な利用が鍵です。

私たちがレアメタルの価値とそのリサイクルの重要性を認識し、賢明な消費と利用を心がけることで、持続可能な社会の実現に貢献できることを、この記事を通じてお伝えできたのではないでしょうか。

未来を見据え、レアメタル資源の持続可能な利用に向けた行動を、今から始めましょう。

弊社、株式会社三和鍍金では50種類を超える表面処理の取り扱いだけでなく、環境保護に繋がる剥離事業にも事業内容を拡大しております。

「表面処理」「剥離」「リサイクル」に関することでしたら是非一度お気軽にご連絡ください。

PROFILE

三和鍍金 スタッフ
三和鍍金 スタッフ
金属表面処理の様々な疑問・基礎知識や、創業から70年以上培ってきたノウハウについて「誰にでもわかりやすく」をモットーに執筆しています。
三和鍍金Youtubeチャンネル
表面処理についてのお問い合わせ