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columnメッキライブラリ

2023.08.29

【塗膜を剥がす!?】塗装の剥離について

※2023年9月22日に加筆修正致しました。

皆様こんにちは。

群馬県高崎市で金属表面処理事業をおこなっております株式会社三和鍍金と申します。

前回、めっきの剥離について解説してきましたが今回は塗装の剥離についてお伝えしていきます。

弊社ではめっきや塗装の剥離も承っておりますのでお気軽にお問合せ下さい

弊社ではめっきの剥離と同様、塗装の塗膜の剥離も数多く行っております。

そんな塗装の剥離ですがめっきの剥離より皆様の身近なのではないでしょうか。

塗装製品って皆様の身近なところにもたくさんありますよね。

周りを見わたせば塗装製品だらけなことにお気づきかと思います。

そんな塗装の皮膜、【塗膜】ですが

「そもそも塗装って剥離できるの?」

「剥離ってどんな原理?」

「剥離したものに再びめっきってすることってできるの?」

皆様の様々な疑問にお答えしていきます。

そもそも塗装の剥離を行っている業者は全国的にみても少ないものです。

情報があまり出ていない塗装の剥離について気になる方も多いのではないでしょうか。

今回の記事をご覧になっていただくことであなたの「気になる!」ことが解決出来るかもしれません。

是非、最後までご覧になって下さい。

その他にも弊社では表面処理について数多く発信しております『めっきライブラリ』も併せてご覧になって下さい。

それでは【塗装の剥離】について見ていきましょう。

・剥離とは

そもそも、剥離とは?というところから見ていきましょう。

「剥離」とは、物事が分離または分割されるプロセスを指す言葉です。

一般的には物質や概念の一部が他の部分から切り離される過程を指すことが多いですね。

日常生活の中でも「剥がれた」というワードはよく使っていますよね。

例えば壁紙が剥がれた、塗装が剥がれた、絆創膏が剥がれた、テープが剥がれた。

まさに剥離とは剥がれて分離するということです。

・塗装製品について

冒頭で塗装製品は皆様の身近なとこにたくさんあります!といいましたが

具体的にどんな製品に使われているのでしょうか。

挙げ始めたらきりがないくらい様々なところに使われています。

自動車部品、建築部品、文房具、オフィス機器、医療機器、電子機器…

ほぼすべての分野で使用されています。

そんな塗装製品ですが、実は全て「同じ塗装」ではないのです。

どういうことかというと

塗装と一口に言ってもその工法や塗膜の成分は異なっているのです。

アクリルメラミンウレタン

樹脂によっても耐食性、対候性、耐薬品性、耐摩耗性、作業性などはバラバラです。

使用環境によって様々な種類の塗装製品があるのです。

機能性の部分だけでは無く色味の観点から見てもたくさんあります。

赤、緑、青の組み合わせだけでも1677万通りの色が出来るといわれております。

我々は普段『白』や『黒』といってる色でも実はその色味ほとんどが違うといっても良いでしょう。

更にそこに光沢や無光沢等の光沢具合、ザラツキ、塗膜の膜厚、塗り方によっても見え方は変わってくるので無数といっても過言ではないかもしれません。

塗装製品はそれぞれが違う工法や色味、機能が違うということを覚えておいてください。

※工業製品で使われる溶剤塗装や粉体塗装について詳しく知りたい方は下記をご覧になって下さい👇

・なぜ剥離が必要なのか

次になぜ剥離が必要になってくるのでしょうか。

せっかく付けた塗装をなぜ剥がす必要があるのかその理由を見ていきたいと思います。

1.塗装の不具合修正

工業製品の塗装は、カチオン塗装を初め、溶剤塗装、粉体塗装と様々な種類があります。

製品の生産過程で不具合品が発生する際には、そのままお客様に納品することはできず、

必ず修正を行う必要があります

不具合品の修正において、一度塗装膜を取り除く必要があります。

不具合品を再度適切に塗装し、高品質な仕上がりを確保するために剥離が必要になるのです

このニーズはたくさんあります。

塗装の不具合に関して詳しく知りたい方は参考としてこちらの記事をご覧ください。

2.再利用

塗装した製品そのものを再利用したいケースです。

例えば塗装製品の在庫が売れずに大量に余ってしまい、

その素材、形、製品を再利用したいために塗膜を剥離するケースです。

色を変えたい違う表面処理をしたい機能面を付与したい等のニーズに応えられます。

再塗装をするも良し、そのまま使うも良しといったその後の利用方法も広がります。

新しく製品を一から作り直せば剥離をする必要性は無いですが

コストや手間と天秤にかけて塗装剥離をご依頼いただくお客様もおります。

「再利用」や「リサイクル」の観点から見るととてもエコですね。

3.治工具の剥離

塗装やめっきをする際に必要になってくる引っ掛け治具。

この治具の剥離依頼も良くお話が来ます。

塗装をする対象製品以外の治具まで塗装されてしまい、

それが原因で通電不良や密着不良、径が塗膜で覆われて入らないなんてことも・・

それを防ぐために何度も上塗りされた塗膜を剥がすために塗装剥離をするケースです。

4.部分的な剥離

製品の全体を剥離するのではなく部分的に剥離を行いたいというニーズもあります。

例えば全体に塗装をしてから組み込もうとしたら接合部と膜厚が厚く上手く入らないケースや

後溶接をしたいケース、意匠的な観点から一部分だけ塗膜は要らないといったケース。

最初から考慮していて勿論マスキングをすればよかったかもしれませんが

塗装後にそのニーズが出てくることもしばしば。

そんな時に部分的に剥離したいという需要も生まれますね。

以上剥離を要望するケース4つほど挙げてきましたが

全てのケースに当てはまるのが製品そのものを再利用したい!!ということです。

ただし、それ以外にも剥離をしたいとご要望はたくさんあると思います。

・剥離の手順

次に剥離の手順を見ていきましょう。

勿論、剥離の工法は材質、表面処理の種類等によって様々なので一概には言えませんが

一例を挙げるとすると下記の手順になります。

1.製品状態の確認

まずは剥離する製品の現状や表面処理の種類などを確認致します。

錆が進行していないか形状的に液が溜まりそうなところがあるかなどをチェック致します。

2.洗浄

水洗いをして表面についた汚れや異物を取り除きます。

油分がついていたりする場合は脱脂洗浄を行います。

3.剥離

そして剥離液への投入です。

弊社では液が良く浸透するように製品に動きを加えます。

めっきや他の表面処理でも同じですが液や製品の流動がある方が付きまわりや重なり箇所まで

処理液が反応しやすくなるためです。

4.水洗

その後は水洗を行い処理液をきれいに洗い流します。

5.中和処理、防錆処理

塗膜が剥がれた製品は素地の状態になり非常に錆びやすくなってしまうので

中和処理や防錆処理を行います。

弊社ではショットブラストで、取り切れなかった塗膜を物理的に剥がしてしまうこともございます。

6.再塗装

その後、再塗装をする流れになります。

三和鍍金に剥離を依頼するメリット

お客様からこんなお問い合わせも頂きます。

「表面処理を違うところでしてもらったけど修正の対応がしてもらえなくて・・」

「納期がかかりお客様への納品が間に合わない・・」

「その後の表面処理まで一括で対応してもらいたい・・」

こんなお悩みは弊社にお任せ頂ければ解決できます。

株式会社三和鍍金では塗装の剥離に関しての強みがございます。

1.素材を極力傷めずに剥離が可能

「剥離」は皮膜を溶かす、或いは剥がす行為なので、

素材にダメージを与える可能性が高く、剥離後の表面を荒らすことがあります。

素材の荒れはその後の表面処理や製品使用に影響を及ぼしてしまいます。

(株)三和鍍金は長年にわたり、「表面処理」や「剥離」に取り組んでいますので、

剥離時には浸漬時間、薬品濃度、温度管理を徹底し、

素材へのダメージを最小限に抑える取り組みを行っています。

2.剥離後の表面処理も一括対応で低コスト、短納期化

一括対応が難しい場合は、剥離はA社、めっきはB社、塗装はC社など、

作業の振り分けには手間やコスト、納期の長期化の懸念があります。

しかし、弊社では取り扱い表面処理が50種類以上あるので、

剥離からその後の表面処理までトータルで対応可能が出来ます

これにより一括で作業を行うため、納期を短縮し、コストの削減が出来ますので

お客様により良いご提案が可能となっております。

3.課題解決へのベストな提案

我々は日々全国からお問い合わせを頂いております。

表面処理の問い合わせは勿論、めっきや塗装の剥離、こんなものは剥離出来ますか?など様々です。

お客様のご要望は多岐に渡るのですがそのニーズに応えようと弊社も日々取り組んでおります

「この皮膜を剥離して再利用したいのだけど」

「実験はこちらで行ったのですが量産は御社にやっていただきたい」

「他社様で表面処理を行ったのだけど不具合対応してくれない」

お客様のご要望や現状の課題をお聞きし、

どうすればベストな対応が出来るのかを一緒に考えさせて頂きます。

まずは一度お気軽にお問い合わせください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は塗装の剥離についてお伝えしてきました。

めっきの剥離に引き続き、塗装の剥離も需要がたくさんあるのです。

製品の剥離、塗装治具の剥離、樹脂皮膜の剥離・・

製品形状や素材×塗装の種類によって対応可、対応不可のものもそれぞれですが、

弊社の長年、表面処理を取り扱ってきた技術力で

可能な限り高品質でスピーディーな塗装剥離を提供いたします。

現代においてモノを再利用して再生することは必用不可欠です。

そこで「剥離」は今後も様々なところで活かせると思っております。

弊社ではめっきや塗膜の剥離を通じ、循環型社会を推進出来るようしていきたいと考えております。

今回の記事をご覧になっていただき、気になる方はお気軽にお問い合わせください。

ご連絡お待ちしております!

PROFILE

武藤 篤
武藤 篤代表取締役
株式会社三和鍍金に入社後、経営難に陥っていた会社再建に取り組む。
経費削減、業務改善、人材育成に取り組み1年でV字回復させる。
その後、営業手法の業務改善を行い、売上高増加、年間新規取引100件を達成
柔軟な発想や行動力を持ち味に現在は表面処理を通しての新規事業に着手中。
三和鍍金Youtubeチャンネル
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