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【電気めっき】強電部と弱電部の膜厚はどのくらい違うの?【実験】

皆様、こんにちは。

群馬県高崎市で表面処理を行っております(株)三和鍍金の古島です。

表面処理業界にいると電気メッキの強電部と弱電部では膜厚の厚さが違うという言葉をよく耳にします。

しかし、どのくらい違うのかご存じない方も多いはずだと思います。

では、実際に電気メッキの強電部と弱電部では膜厚がどれくらい違うのか実験を通して見ていきましょう!

今回はクロムメッキでの場合を見ていきます。

※クロムメッキについての詳細はこちらをご覧ください。

強電部と弱電部とは

電気メッキは電気を用いて皮膜をつけるため、電気の強く当たる部分「強電部」と電気が弱く当たる部分「弱電部」が出てきます。

強電部は過度に電気があたるため皮膜が多くつき、弱電部はあまり電気があたらないため、つく皮膜は少なくなります。

したがって、極端に言えば下記の図のような膜厚のつき方をします。

※左が電気を使用しないメッキ、右が電気を使用したメッキの膜厚のつき方となります。

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そして、形状によってこの電気の強弱は変化し、膜厚のバラツキやメッキのつかない部分も出てきてしまいます。

※具体的な形状による膜厚のつき方はこちらをご覧ください。

準備するもの

それでは、実験の準備をしていきましょう。

準備するものは以下の通りになります。

テストピース:縦120mm×横50mm×厚さ1.2mmのクロムメッキをしたもの

※テストピースでの測定となりますので、実際の製品とは膜厚が異なることをご了承ください。

写真右が素地の状態、左がクロムメッキを施した状態になります。

クロムメッキ仕上げの方がピカピカしていて光沢感が溢れ出ていますね!

膜厚測定器:今回は破壊式の膜厚測定機を使用します。

※今回は膜厚測定器の写真は割愛させていただきます。

測定方法

クロムメッキの場合、下地から銅メッキニッケルメッキクロムメッキの順でメッキ処理を行っていきます。

なので、膜厚測定は表面からクロムメッキニッケルメッキ銅メッキとメッキ処理とは逆の順番で測定をしていきます。

少し紛らわしいですよね。

富士山を登るのに1合目、2合目、3合目・・・8合目、9合目、頂上へと登山をするのに対し、

下りるのは頂上から9合目、8合目・・・3合目、2合目、1合目と下山するようなものです。

まあ、今では富士山には5合目から上るのが一般的ですけどね。

弱電部の測定

まずは、弱電部の測定をしていきます。

この形状ですと真ん中が一番の弱電部となりますので、写真の①を測定していきます。

①の箇所から3点計測すると以下の通りのなりました。

1.クロムメッキ 0.138μ ニッケルメッキ 7.40μ 銅メッキ 6.52μ  合計 14.058μ

2.クロムメッキ 0.110μ ニッケルメッキ 6.79μ 銅メッキ 5.87μ  合計 12.77μ

3.クロムメッキ 0.143μ ニッケルメッキ 7.65μ 銅メッキ 6.63μ  合計 14.423μ

平均すると、クロムメッキが0.130μ ニッケルメッキが7.28μ 銅メッキが6.34μ 合計が13.750μとなりました。

強電部の測定

次に、強電部の測定をしていきます。

4点が一番の強電部となりますので、写真の②を測定していきます。

②の箇所から3点計測すると以下の通りのなりました。

1.クロムメッキ 0.440μ ニッケルメッキ 22.21μ 銅メッキ 15.64μ  合計 38.29μ

2.クロムメッキ 0.480μ ニッケルメッキ 24.84μ 銅メッキ 16.50μ  合計 41.82μ

3.クロムメッキ 0.380μ ニッケルメッキ 21.03μ 銅メッキ 14.23μ  合計 35.64μ

平均すると、クロムメッキが0.433μ ニッケルメッキが22.69μ 銅メッキが15.45μ 合計が38.58μとなりました。

実験結果

強電部と弱電部では

が9.11μ

ニッケルメッキが15.41μ

クロムメッキが0.313μ 程の違いがあることがわかりました。

全体で見ると24.83μの差ですね。

基本的にはお客様から「クロムメッキを0.1μ以上つけてほしい」や、「銅メッキとニッケルメッキ合わせて10μ以上つけてください」など下限以上の膜厚を求められることが多いです。

そのため、あまり強電部の測定をする機会がありませんでしたので、この数値を見て驚愕致しました。

まとめ

今回は縦120mm×横50mm×厚さ1.2mmのテストピースを使用し実験をしてきました。

しかし、実際の製品では複雑な形状をしているものもあるため、強電部と弱電部の差は今回の結果よりも大きな差が生じる可能性があります。

そのため、指定の場所が何μ以上なければいけないのかと、全体が何μ以上なければいけないのかでは近いように見えて大きく膜厚のつけ方が違ってきてしまいます。

そのような場合でも弊社ではタクトや電圧を変えることによって対応していますので、ご相談いただければ幸いです。

蛇足

膜厚を3点計測するのは、電気メッキだと膜厚のバラツキがありますので、それを3点の平均で値を出すことによってバラツキがあまりでないようにしています。

PROFILE

古島 義樹
古島 義樹
ソフトウェア開発会社にプログラマーとして在籍後、株式会社三和鍍金に入社。現場で経験を積み、現在は営業職に従事している。

表面処理については継続的に勉強中であり、0から学びたい方や調べてみたけどよくわからない方に寄り添った内容を心がけている。

ユーザーの要望や需要に沿ったソフトウェアの開発経験を活かし、メッキライブラリにおいてもユーザーニーズを満たす記事を目指す。
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