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【鉛筆を使う?】カチオン塗装の性能試験

  • 公開日:
  • 更新日:

※2023年9月20日に加筆修正致しました。

群馬県高崎市の表面処理業者、(株)三和鍍金と申します。

本コラムは事業統括部の柳沢が解説いたします。

弊社は各種分析サービスも行っていますのでお気軽にお問合せ下さい

表面処理以外にも塩水噴霧試験や膜厚測定、表面粗さ測定など幅広い分析サービスを行っております。

是非下記ページをご覧ください。

  

今回は以前の「塩水噴霧試験」について書いたコラムの続きになります。

まだお読みになっていない方は下記リンクより是非お読みくださいませ。

こちらのコラム内で少し触れていますが、調べたい性能によって用いる試験は様々です。

今回は一般的な鉛筆硬度試験碁盤目試験について、詳細をご説明できればと思います。

鉛筆硬度試験

概要

本稿のタイトルにもなっている通り、鉛筆を使って硬度を確かめる試験になります。

けしてテキトーに試験をしているわけではなく、JISの規格に則った試験です。

皆さん、もちろん鉛筆を使ったことはありますよね。

鉛筆の端に「HB」とか「2B」とか記載があったはず。

使っていてわかるのはその「濃さ」ですよね。

Hがつくものは薄く、Bがつくものは濃い。

実はその硬さも異なっていて、Hがつき数字が大きいものがより硬く、Bがつき数字が大きいものがより柔らかいという仕様になっています。

その硬さを皮膜硬度として採用しているわけです。

試験方法

削って芯を出した異なる濃度の鉛筆を数本準備します。

美術で絵を描くときのように、5~6mmほど芯を露出させるのが一般的です。

ただし、芯の先は尖らせるのでなく、研磨紙等で削って平らにしておきます。

それを車輪付きの試験機器に差し込みます。

※荷重条件や角度等もございますので、基本的には機器を用います。

鉛筆の先を塗膜表面に押し当て、一定の荷重を加えながら移動させます。

紙であれば直線が引けますが、下が金属などの製品であればひっかきキズがつきますね。

そのキズの程度を測定し、既定の大きさのキズがつくまで鉛筆の濃度(硬度)をあげながら試験を繰り返します。

キズ痕が残らなかった最も硬い鉛筆の硬度(濃度)を塗膜硬度とします。

H使用→キズ残らず 2H使用→キズ発現

という場合は、その塗膜硬度は「H」になるということになります。

因みに弊社のカチオン塗装は2Hの硬度になりますが、焼き付け条件の変更等で硬度向上は可能です。

お困りの際はご相談ください。

碁盤目試験

概要

こちらの試験は弊社でも社内にて品質管理のためほぼ毎日行っている試験になります。

密着性を確かめるための試験です。「クロスカット法」とも呼ばれます。

もうひとつの塗膜密着性を確かめる試験「プルオフ法」との違いについては別のコラムにて解説いたします。

密着性を測る簡易的な試験方法が「クロスカット法」、より正確なものが「プルオフ法」という認識でよろしいかと思います。

試験方法

単一刃(市販のカッターなど)と格子状に切り込むためのガイド、透明なテープを用意します。

塗装処理を施したテストピースなどに格子状に切り込みを入れます。

その格子を覆うように用意した透明テープをしっかりと貼り付け、その後剝がします。

その後、格子の状態を確認し評価します。

塗膜の状態によって6段階に分けられ、数字が小さいほど良好な密着性を得られているということになります。

弊社ですと、日によってブレはあるものの、平均1といったところでしょうか。

いかがだったでしょうか。

性能試験は多様であることがお分かりいただけたかと思います。

目的に応じた試験をきちんと行うことで、性能の証拠となり安心してお客様に提供できますね。

ご依頼いただければ弊社表面処理の性能試験も可能ですので、その際はご相談くださいませ。

蛇足~鉛筆の話~

私はことあるごとに蛇足を入れたがるので、読んでいる方は鬱陶しいかもしれません。

煩わしい方はここで終わっていただいても結構です、申し訳ありません。

突然ですが

鉛筆の濃度って、何種類あるかご存知ですか。

薄く硬い順に並べると9H、8H、7H、6H、5H、4H、3H、2H、H、F、HB、B、2B、3B、4B、5B、6Bとなります。

・・・多い。

私は9Hなんて聞いたことすらありませんでした。

これらの基準が生み出されたのは19世紀のドイツ。

それ以前は複数の業者がそれぞれの基準や表示によって鉛筆を生産していました。

そんな中、ある業者Aがニーズに合わせて2つのパターンの鉛筆をつくりました。

それが「H」(Hard:硬い)と「B」(Black:黒い)です。

「H」は製図のニーズ、「B」はデッサンなど芸術のニーズを満たすいわばそれぞれ別の商品でした。

皆さんは鉛筆のHとBの意味を知って「なぜHとBは対比されるような正反対の性質のものなのにその名称はそうじゃないんだ?」と疑問に思いませんでしたか?

それは、そもそも別のニーズのために各々つくられたものだからです。

「HardとSoft」や「GrayとBlack」など対になる表現になっていないのはそういう理由です。

そして、のちにHとBの間にもニーズがあることに気づいた鉛筆製造業者らは「HB」をつくり、その後また同じようにHBとHの間に「F」(Firm:しっかりした)をつくりました。

「F」を「HHB」としなかった理由はわかりませんが、文字数などの体裁上あるいは印字上の要因かもしれません。

いずれにせよ私たちの周りに普通に存在している様々は、どれも歴史を抱えているというわけです。

何気ない日常に、実はとても興味深い歴史が眠っているかもしれません。

というメッキ屋らしからぬ問題提起を残して、本コラムは締めたいと思います。

表面処理のことで何かお困りの際は、このような他の分野の知識も総動員して対応致しますので、是非一度ご相談ください。

ありがとうございました。

執筆者プロフィール

柳沢 寛太
柳沢 寛太
新卒として入社後、現場での業務経験を活かし現在は営業として活動しながらコラムを執筆。塾講師・家庭教師の経歴から、「誰よりもわかりやすい解説」を志している。
また、多数の人気コラムを生み出すだけでなく、YouTubeの元編集者・現プレスリリース執筆者。コラム・YouTube・広告等のプロモーションを手掛けた本HPは流入ユーザー数前年比1,150%アップという偉業を達成した。
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