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columnメッキライブラリ

2023.09.23

耐食性や耐候性を測定する工業試験を詳しく解説!

皆さん、こんにちは。

群馬県高崎市で表面処理・分析サービスを行っている(株)三和鍍金の古島です。

「三和鍍金」という見るからにメッキを行っている会社ですが、

実は表面処理以外に塩水噴霧試験や膜厚測定、表面粗さ測定など幅広い分析サービスも行っております。

 

今回はよく使われる工業用試験を耐○○性と言われる機能性の観点からご紹介させていただきます。

では行ってみましょう!

耐食性(塩水噴霧試験)

最初にご紹介するのは耐食性を試験する塩水噴霧試験についてご紹介いたします。

 塩水噴霧試験とは、「金属材料・塗装・めっき皮膜等を施した製品に対して、連続して塩水を噴霧させることで、腐食を促進させて製品の耐食性を測る試験」です。

簡単に言うとその目的は「耐食性の評価」です。

※耐食性とは錆や腐食に耐える性質のことです。

また弊社では、乾燥・湿潤・低温・外気導入などの環境条件を組み合わせた複合サイクル試験も対応可能です。

塩水噴霧試験は工業用試験の中で一番有名ですが、その分耐食性・防食が何よりも肝心なことを表しています。

信頼性試験とも称される「塩水噴霧試験」について下記コラムで丁寧に解説しておりますので、是非ご覧ください。

耐候性(暴露試験)

暴露試験とは、「試験する部品を自然環境下にさらすことでどれだけ劣化・腐食があるのかを測る試験」です。

自然環境の中でも紫外線や海からの雨風によって変色や腐食することが一番の要因とされています

しかし、内陸部と沿岸部では紫外線の強弱や雨風の強さが変わってくるため試験結果にも影響が出ます。

ですが、弊社では<内陸部>ビル屋上での試験と<沿岸部>海岸沿いでの試験の2パターンの試験が可能です。

暴露試験は短くて半年、長いと1~2年の試験期間を要します。

また、試験部品の角度を変更し負荷度合いの調整も可能です。

暴露試験は条件が幅広くありますが、お客様のニーズに合った条件でのご提案が可能ですので、是非ご相談ください。

下記動画をご参照ください。

耐水性(耐水性試験)

耐水性試験とは、一般的に「水しぶきや雨風により製品(試験片)に剝がれや割れ、膨れ、錆の発生等が発生しないのか測る試験」です。

主に自動車部品や電子部品に対して要求スペックに到達しているのかを調べるために使用されます。

しかし、一概に耐水性とはいっても使用用途によって環境に沿った水量が変わってきます。

そこで、JIS D 023(自動車部品の耐水性)規格では試験内容を下記のように分類しております。

1.散水式試験

・水滴に触れることのある部品の機能を調べる試験

・間接的に風雨又は水しぶきを受ける部品の機能を調べる試験

2.噴水式試験

・直接風雨又は水しぶきを受ける部品の機能を調べる試験

・強い受水状態について部品の機能を調べる試験。

3.浸水式試験

・一時的に水につかることのある部品の機能を調べる試験

・常時水につかる部品又は完全防水を目的とした部品の機能を調べる試験。 

・特殊用途の防水部品の機能を調べる試験。

※耐水性は撥水性とよく間違われますが、撥水性は水をはじく性質になるためお気をつけください。

耐衝撃性(デュポン式衝撃性試験)

耐衝撃性試験(デュポン式衝撃性試験)とは、「撃ち型と受け台と呼ばれる箇所の間に製品(試験片)を挟んで固定し、重りを一定の高さから落下させることにより塗膜の剥がれ、割れを目視で評価する試験」です。

耐衝撃性の試験は主に、重り式・落錘式・デュポン式がありますが、今回はその中でデュポン式について解説していきます。

塗膜は衝撃を受けると素地からの剥がれや変形による割れが生じることがあります。

そのため、デュポン式衝撃性試験では衝撃と変形を同時に起こすことにより、実際の使用環境状況に近しい状態での試験が出来ます。

※ちなみにデュポン式衝撃性試験の「デュポン」という名称は、デュポン社がこの試験モデルを確立したため、名付けられました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は機能性の観点から、各試験をご紹介させていただきました。

他にも様々な試験を弊社では取り扱っておりますので、下記URLページをご覧ください。

いつでもご相談お待ちしております。

PROFILE

古島 義樹
古島 義樹
ソフトウェア開発会社にプログラマーとして在籍後、株式会社三和鍍金に入社。現場で経験を積み、現在は営業職に従事している。

表面処理については継続的に勉強中であり、0から学びたい方や調べてみたけどよくわからない方に寄り添った内容を心がけている。

ユーザーの要望や需要に沿ったソフトウェアの開発経験を活かし、メッキライブラリにおいてもユーザーニーズを満たす記事を目指す。
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