【いまさら聞けない】3価クロムと6価クロムの違い
事業統括部の柳沢です。
今回は3価クロムと6価クロムの違いについてまとめました。
本コラムをお読みいただくことで、どなたでもこの2つが完全に区別できるようになるかと思います。
同じ「クロム」でも、その様相は全く異なるものです。
当社でもクロムメッキを行っておりますので以下の動画もご覧になって下さい。
クロムメッキの変遷

クロムメッキは1920年にアメリカにて発明されたものです。
そこから時を経て、弊社をはじめとして多くのメッキ会社は、長らく6価クロムを用いてクロムメッキを施していました。
その流れに変化があったのは1990年代頃。
世界的に環境汚染が問題になり、2000年代にはREACH(Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicalsの略)規則や
RoHS(Restriction of Hazardous Substancesの略)指令など、危険とされている化学物質についての様々な規制が成立しました。
こうした変遷の中で、現在は6価クロムから3価クロムに移行するメッキ会社も増えてきました。
6価クロムの特徴

有害で、微粒子を吸入し続けることで鼻中隔穿孔や肺がんなどの病気を引き起こす可能性があります。
また、環境負担が大きいとも言われています。
ちなみに、6価クロムを用いたメッキ製品に関して、処理後の製品に毒性は一切ありません。
色は3価クロムより少しだけ青みがかったシルバー色です。
3価クロムメッキと比較して、6価クロムメッキは耐食性に優れていることが特長となります。
また、耐熱性等は3価と大差ありませんが、密着性の面では劣ります。
3価クロムの特徴

無害どころか、実は人間の必須ミネラルのうちの1つで、欠乏すると糖尿病になる危険性があります。
自然界にも3価クロムは存在しますし、したがって環境負担が小さいと言えます。
色はシルバー色ですが、6価と比較すると少しだけ黒みがかって見えます。
また、耐食性では6価に劣りますが、その他の性能に関してはほぼ同等です。
ただし、密着性に関しては6価クロムよりも優れています。
弊社では耐食性のメリットを加味して6価クロムを用いてクロムメッキを行っておりますが、
排水・廃液処理等の工夫など、環境になるべく負担のかからない方式で業務を行っております。
まとめると以下の通りです。
