【基礎中の基礎】アロジン処理について
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※2023年9月19日に加筆修正致しました。
群馬県高崎市にある(株)三和鍍金の武藤です。
今回は【基礎中の基礎】アロジン処理についてということで
アロジン処理について解説していきます。
弊社ではアロジン処理も対応しておりますのでお気軽にお問い合わせください
アロジン?「聞いたことないなぁ」「どういう処理なのか」「金額は高いの?安いの?」
あまり馴染みが無い方からすると疑問点はたくさんあると思います。
そんなアロジン処理とはどういった処理なのかを今回お伝えして行こうと思います。
今回の記事を読んでいただくとアロジン処理についての理解が深まり、
表面処理の選定や客先に対し回答が出来るかもしれません。
それでは行ってみましょう!!
アロジン処理について、YouTubeに動画を公開しています。
こちらも併せてご参照ください。
アロジン処理とは
アロジン処理とはアルミニウム素材にリン酸、重クロム酸などを用いたもので
クロメート処理を行うものです。
化成処理の一種になり、主に耐食性を持たせたり塗装の密着性を持たせたりすることも出来ます。
※化成処理についてはこちらの記事もご参照ください。
処理方法としては主にカゴ入れ処理を行うので大量に処理が出来る事も一つの特徴になります。
更に、他の表面処理に比べ安価で出来る事から
「表面処理無しでは耐食性が少し不安」「塗装の密着性を上げたい」等の
要望に応える事が出来るので幅広く使用されている処理になります。
色合いや膜厚の特徴
それでは、アロジン処理の仕上がり状態は一体どんな色調をしているのでしょうか。
一般的に#1000と#1200と呼ばれているものがあり、
色の観点から見ると#1000は無色系であり、#1200は有色系になります。
#1000は素地の色調になります。そんなに見た目が変わらないです。
#1200は被膜の干渉色により黄色や赤色になります。
膜厚の観点からみるどちらも1μ以下となり非常に薄い被膜となります。
6価クロムの代替品3価クロムを用いたクロメート
アロジン処理は6価クロメートを用いて行うものという解説をしましたが
あれ?6価クロムを使用しているのでは、Rohs等の規制対象では?と思った皆さん!
実はアロジン処理にも3価クロメートで行う代替処理が存在します。
アロジン処理は化成処理の1種でクロメート被膜を付けるものだという事はお分かり頂けたと思いますが
単純にこの代替処理、
クロメート液を6価クロムを使用したクロメート液から3価クロムを使用したクロメート液に代えます。
6価クロムと3価クロムの違いはこちらから
この3価クロメート処理であれば各環境規制にも対応出来るようになります。
最近では環境規制の面からこちらが主流になってきていると言えます。
アルマイトとは違う!?
よくアロジン処理とアルマイト処理の混同をしてしまいがちですが全く別物になります。
アルマイトについてはこちらからご覧になって下さい。
アルマイトは陽極酸化法により酸化被膜を生成する処理です。
対してアロジン処理はクロメート被膜をつける処理になります。効能も違ってきます。
大きな違いとしてはアロジン処理のクロメート被膜は電気を通しますが、
アルマイトの酸化被膜は電気を通しません。
導電性を持たせたい場合にはアロジン処理が向いていると言えます。
膜厚の面から見ても大きく違う為、耐食性はアルマイト処理の方が優れていると言えます。
弊社ではアルマイトも扱っておりますので、対応可能寸法などは下記よりご参照ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は【基礎中の基礎】アロジン処理についてということでお伝えしてきました。
アロジン処理はどういうものかということがお分かり頂けたと思います。
当社でも取り扱いがありますのでご不明点、処理依頼等ありましたらご連絡下さい。
執筆者プロフィール
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株式会社三和鍍金に入社後、経営難に陥っていた会社再建に取り組む。
経費削減、業務改善、人材育成に取り組み1年でV字回復させる。
その後、営業手法の業務改善を行い、売上高増加、年間新規取引100件を達成
柔軟な発想や行動力を持ち味に現在は表面処理を通しての新規事業に着手中。
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