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columnメッキライブラリ

2017.10.02

【基礎中の基礎!+α】化成処理について

※2023年9月19日に加筆修正致しました。

群馬県高崎市にある三和鍍金の武藤です。

今回は【基礎中の基礎+α】化成処理についてということで

化成処理についてお伝えしてきます。

弊社では化成処理を承っていますのでお気軽にお問い合わせください

化成処理って良く聞くけど、どんな処理なの?酸化被膜?金属被膜?

色々、聞くけど一体何が化成処理に該当するの?など

そんな疑問を解決出来るかもしれません。

化成処理はあらゆる表面処理に用いられているのですごく重要な処理工程であると言えます。

それでは解説して行きます。

化成処理とは

金属等を水溶液に浸漬することで化学反応を起こし、

表面に耐食性や塗料の密着性を上げる為の元の素材の性質とは違った皮膜を形成させる処理です。

塗装の前処理やめっきの前処理として使用されることがあります。

主な目的は表面洗浄や耐食性の向上、塗装の下地作りを目的として採用されることが多いです。

因みに当社のカチオン塗装の前処理工程でも採用しています。

化成処理は様々な処理の総称として言われていますが

「化成処理」を分解していくと様々な名称がありますので見て行きましょう。

皆さんも聞いたことがある名前が出てくると思います。

化成処理の種類

化成処理の種類はいくつかありますのでその代表例の処理を紹介していきます。

1.リン酸塩処理

「リン酸亜鉛」「リン酸マンガン」「リン酸鉄」「リン酸カルシウム」等の

水溶液中に処理物を浸漬する処理になります。

リン酸塩処理は主に処理物の素材が鉄の際に用いられます

別名、パーカー処理や、パルホス処理とも呼ばれています。

幅広い素材に対応出来るのはリン酸亜鉛処理のみになっており

それ以外は基本的に鉄素材にしか対応が出来ないのです。

特徴として皮膜の表面の凹凸が出来、アンカー効果により塗装の密着性が上がります。

皮膜そのものの防錆効果も期待されるうえ、機械加工の際にも加工性が上昇する効果もあります。

2.クロメート処理

クロメート処理とは対象物をクロメート処理液に浸漬させることで、

クロメート皮膜と呼ばれるものをつける処理方法です。

主に亜鉛メッキの仕上げに使われる事が多く耐食性や色味を調整する為に用いります。

詳しくはこちらをご覧になって下さい。

3.ジンケート処理

ジンケート処理は対象物を処理液に浸漬することで置換反応により

亜鉛を金属表面に析出させるものです。

主にアルミニウムにめっきをする前処理として使われることが多いです。

アルミニウムは酸化皮膜を形成しやすい物質です。

その為、酸化皮膜を取り除かないとめっきの密着不良につながってしまいます

表面のアルミニウムを溶解することで酸化皮膜を除去し、

その後、亜鉛を還元することで酸化膜が生成されない様になります

アルミニウム上へのめっきをする際には緻密な亜鉛の層が必要になる為、

ジンケート処理を二回するダブルジンケート処理が主流になっています。

処理の流れは一度ジンケート処理をしたものを硝酸等で亜鉛を除去し

再度ジンケート処理を行います。

そうすることで緻密な亜鉛の層を形成出来る為、めっきの密着性向上に繋がります。

4.黒染め処理

黒染め処理はアルカリ水溶液中に被処理物を浸漬し

化学反応を起こすことで金属表面に若干の耐食性がある黒色の被膜、

四三化鉄被膜を生成する処理です。

詳しくはこちらからご覧になって下さい。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は化成処理についてお伝えしてきました。

化成処理は大きな括りで呼ばれることがありますが

分けてみると様々な処理があることをおわかりいただけましたね。

化成処理もその材質や処理液、目的、処理方法によってその名称が異なります。

化成処理の多くがめっきや塗装の下地で使われる事が多いという事は覚えておきましょう。

どうしてもめっきや塗装等の表面処理に比べると、

耐食性や外観というところでは劣ってしまうので注意が必要です。

しかしながら、化成処理をする目的をしっかりと理解していれば適した製品はたくさんありますので

その際に化成処理を是非採用しましょう。

当社でも取り扱いが御座いますので宜しくお願い致します。

PROFILE

三和鍍金 スタッフ
三和鍍金 スタッフ
金属表面処理の様々な疑問・基礎知識や、創業から70年以上培ってきたノウハウについて「誰にでもわかりやすく」をモットーに執筆しています。
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