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columnメッキライブラリ

2017.10.02

【基礎中の基礎!】ベーキング処理について

※2023年9月19日に加筆修正致しました。

群馬県高崎市にある(株)三和鍍金、事業統括部の柳沢です。

今回はベーキング処理についてまとめました。

弊社ではベーキング処理の取り扱いがございますのでお気軽にお問い合わせください

金属加工に携わっていない方にはあまり馴染みのない言葉かと思いますが、

私たちの安全のためにベーキング処理というのは非常に重要なものなのです。

それでは見ていきましょう。

ベーキング処理とは

ベーキングの綴りはbaking。その名の通り、加熱処理の一種です。

主に建築や土木、機械などの分野に用いられる「鋼材」を対象とします。

目的としては、様々な金属加工工程で素地やメッキ皮膜に吸蔵された水素を製品から除去することが挙げられます。

多くは200℃程度で8~24時間ほど処理を行いますが、素材やメッキの膜厚などによって処理温度や処理時間は様々です。

亜鉛メッキや硬質クロムメッキなどにおいてベーキング処理を必要とする場合がございます。

※亜鉛メッキ、硬質クロムメッキについてはこちらの記事もご参照ください。

まとめると、ベーキング処理とは、鋼材の水素脆性への熱処理による対策です。

ベーキング炉

鋼材の水素脆性とは

鋼材とは、鋼鉄を板や棒に加工したもので、建築など多様な分野に用いられますが、

加工の過程(溶接時や酸洗い時、メッキ処理時など)で水素を吸収してしまうことがあります。

そのまま放置しておくことによって、鋼材は「水素脆性」というものを持ちます。

「水素脆性」とは、鋼材が水素を吸蔵してしまうことによって、その鋼材の強度が落ちてしまう(脆くなってしまう)ことを意味します。

蛇足ですが、なぜ水素吸収によって脆化するのかは、所説あるものの定かではありません。

また、この水素脆性による破断・破損は、「遅れ破壊」といって静的な荷重であっても起こります。

さらに破損までの変形量が少ないので、突発的な破損になることも特徴です。

建築現場で組まれている足場が急に崩れたら・・・。

建設現場

そんな命にかかわる危険をなくす処理、それがベーキング処理なのです。

 

上記のように、何か危険なことが起こってしまう前の安全処置として亜鉛メッキ+ベーキング処理や硬質クロムメッキ+ベーキング処理を行うケースが多いです。

そのため、高所等の危険箇所で使用されるボルトやナットなど、部品同士を繋ぎ止める製品には欠かせない処理となっています。

また、その他にも無電解ニッケルメッキ+ベーキング処理で硬度を上げる目的として使用されることもあります。

 

「メッキとベーキングの時間を空けると水素脆性処理がうまくいかない」という定説がありますが、

弊社では一貫した処理を扱っておりますので、是非弊社にご相談いただければと思います。

まとめ

まとめると、以下のようになります。

ベーキング処理

弊社ではベーキング処理はもちろん、亜鉛メッキやハードクロムメッキも扱っております。

亜鉛メッキの対応可能寸法などは下記リンクよりご覧ください。

ハードクロムメッキの対応可能寸法はこちらです。

是非お気軽にお問い合わせくださいませ。

PROFILE

柳沢 寛太
柳沢 寛太
新卒として入社後、現場での業務経験を活かし現在は営業として活動しながらコラムを執筆。塾講師・家庭教師の経歴から、「誰よりもわかりやすい解説」を志している。
また、多数の人気コラムを生み出すだけでなく、YouTubeの元編集者・現プレスリリース執筆者。コラム・YouTube・広告等のプロモーションを手掛けた本HPは流入ユーザー数前年比1,150%アップという偉業を達成した。
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