【新社会人必見!】めっきの会社で使われる超基礎用語集
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※2023年9月22日加筆修正致しました。
皆様こんにちは!
群馬県高崎市にございます(株)三和鍍金 事務の根岸です。
4月になり新年度を迎え、巷ではピカピカの笑顔が溢れていますね(^-^)
新入生や新社会人のように私も気持ち新たに、新年度を迎えたいと思います!!!
弊社では50種類を超える表面処理を取り扱っておりますのでお気軽にお問合せ下さい
さて!!今回はめっきの仕事やめっきを必要とする会社に就職した人向けのコラムです。
私自身は転職をして(株)三和鍍金に就いたので新入社員ではなかったですが、それにしても新しく飛び込んだめっきの世界は、よく分からない用語が毎日飛び交っていました。
ましてや、理科や化学・科学が大の苦手な私には今も分からないことだらけです(笑)
どの業種もそうですが、始めたばかりのことは分からないことがたくさんで不安な気持ちにもなります。大丈夫です。それが当然です。
「分からない~心折れそう~」となる前に!
めっきの用語が少しでも分かるように、基礎用語集をお届けしたいと思います。
どうか、少しでも不安が拭えますように!!!☆
◆表面処理の種類
めっきと連呼しておりますが、めっきは[表面処理]の中の1つの種類です。
では、どんな処理が表面処理を呼ばれているのかをご紹介していきます。
【めっき】
製品の表面を金属の皮膜で覆うこと。
電気の力を利用して被膜する‘電気めっき’と化学反応を利用して被膜する‘無電解めっき’が存在する。
![](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2020/02/IMG_2956-900x600.jpg)
【塗装】
製品の表面を塗料の皮膜で覆うこと。
電気や静電気の力を利用して塗装をしていく方法や、絵具で塗るようにハケや筆で塗っている方法もある。
![](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2021/02/image-900x522.png)
【溶射】
酸化物などの粉末を高圧で吹き掛け、製品の表面に付着させる方法。
【表面硬化熱処理】
めっきや塗装と違い、製品表面に皮膜していくのではなく、金属製品自体の性質を利用して表面層を変質させる方法。
液に浸漬させる・ガスを充満させている中に晒すことにより化学反応が起こり、金属表面が強固になる処理。
![](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2022/11/3368712_s.jpg)
【ホットスタンプ】
箔押しとも呼ばれる。熱を加えた凸版で箔に圧力を掛け、箔の色彩を製品材料に転写する方法。
![](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2023/04/hakuoshi-900x600.jpg)
【研磨】
製品表面を磨くことで平滑化させる方法。
![](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2021/02/20180626_0200-scaled-900x599.jpg)
以上が、表面処理の主な種類です。
◆めっき工程の用語
次に、めっきをする上で出てくる用語の説明です。
【膜厚】
めっきや塗装が製品の表面についた時の厚みのこと。
【治具】
表面処理をする際に製品を引っ掛けるハンガーのようなもの。
引っ掛けた製品を、めっき液の槽に浸漬させる。
![](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2023/04/IMG_1795.jpg)
【治具痕】
製品を治具に引っ掛けた接点部分に残る痕のこと。
【引っ掛け】
表面処理をする際に治具を使用して処理を進める方法。
製品に治具を引っ掛ける穴や、引っ掛ける部分があることが必須。
製品により専用の治具を製作することが可能。
![](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2021/04/IMG_2946-900x600.jpg)
【掛け数】
1本の治具にひっかけられる製品の数量のこと。
めっき液浸漬中の電気のかかり具合等を計算して決める。
【バレル】
表面処理をする際に樹脂の樽(バレル)に入れ、樽を回転させながらめっき液に浸漬させる方法。
(商店街の福引にあるガラガラくじのイメージ)
サイズが小さく大量の製品に向いている。
![バレル方式](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2017/09/5621deba8a18b839c7a4321764bb05e8-900x507.jpg)
【耐食性】
金属が腐食(サビ)に耐える性質のこと。
金属の種類により腐食するスピードが異なるので、製品が使用される状況下によりどのめっきが適切なのかが変わる。
![](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2020/02/sabi-900x598.jpg)
【酸化被膜(不動態皮膜)】
金属が元々もつ性質と空気中の酸素と結合することで自然に形成される緻密な皮膜のこと。
腐食(さび)からの保護作用がある。
特にアルミ・ステンレス・チタンなどは強固な酸化被膜が形成されやすいのでサビにくいと言われる。
【つきまわり】
製品に対して均一にめっきがつく被覆力のこと。
電流の強さにより、めっきが厚いところうすいところが存在する。
複雑な形をしている製品は均一に電気がかからないことが多いので<つきまわりが悪い>と言うことがあります。
【磁性】
金属製品が磁気を帯びていること。
特に製品の端部分に磁性を帯びることが多い。
磁性を帯びる理由として、輸送の際の衝撃(製品が擦れ合う)や、金属を溶接する際の溶接電流によって磁気を帯びることが挙げられる。
磁性を帯びたままめっきをすると槽内の不純物がつきやすくなり不良が出やすい。
![](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2022/12/8-900x507.png)
【強電部と弱電部】
電気めっきの際、製品に強く電気があたるヶ所を強電部(めっきがつきやすい)
製品への電気のあたりが弱いヶ所を弱電部(めっきがつきにくい)と言う。
電気は外側に逃げる力が作用するので、均一に電気をかけても製品の端が強電部・製品の中心が弱電部と差が出る。
![](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2021/10/a17749852e2f229b70759d3190549281-900x507.jpg)
【バリ】
金属製品の加工過程で発生した意図しない突起のこと。
切削加工・せん断加工をする際、切断面がが引きちぎられた状態となっており、拡大してみるとギザギザしている。
(のこぎりのようなイメージ)
ケガをしやすかったり、そのままめっきをすると切削麺がギザギザのままめっきがのるので注意が必要。
事前に研磨をすることで回避できる。
![](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2021/11/dbff0ee0a14ed0c4237f6b9c67fc1b07.jpeg)
【ガリ】
製品端に出る不良のこと。
(端部分がガリガリした状態になる)
磁気が原因、強電部が原因、バリがあることが原因等がある。
![](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2022/12/IMG_0740.jpg)
【かぶり】
製品極端の電流密度が高い部分(強電部)が光沢感のない灰白色になってしまった状態のこと。
<焼け>や<こげ>とも言われます。
【補助極】
電流の流れやすいヶ所(強電部)または、電流の流れにくいヶ所(弱電部)に均一のめっきがつくように配置する陽極・陰極のこと。
補助陰極は強電部のかぶり防止をする目的、補助陽極は弱電部に電流が流れるようにする目的がある。
【剥離】
めっきの不良時や、別の表面処理をしたい際に現在ついているめっきを剥がす時に施す。
剥離は、製品生地とめっきされている金属に適した方法で処理される。
![](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2023/02/601d6f6867fb98aa4653637220d055d2-900x675.jpg)
【黒皮(黒錆/酸化スケール)】
加工する為に熱した鉄鋼が冷めていく過程で、空気中の酸素と結合することで発生する黒サビのこと。
黒皮がある状態でめっきをすると、めっきの持ちが悪くなるので除去が必要。
除去の方法として、酸洗いやショットブラストがある。
![](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2021/12/IMG_5617-1.jpg)
【腐食(白サビ・赤サビ)】
白錆は主にアルミニウムや亜鉛に見られる。
アルミニウムは強固な酸化被膜で守られておりサビにくことで知られているが、表面を覆っている酸化被膜が完全に剥がれた場合は空気中の水分を結合して白サビとなる。
白サビの場合は、サビ自体が腐食を防ぐ役割を果たすので良性のサビといえる。
赤サビは鉄鋼材料に見られる。
<サビ>と言われて一番最初にイメージする茶色っぽいサビは、この赤サビ。
空気中の水分と結合することで発生していき、酸化被膜の代わりとなる黒サビ白サビとは異なり、腐食がどんどん進み鉄鋼をボロボロにさせる。
【エアポケ】
箱型状の製品をめっき液に浸漬させた際にできる不良の一種。
液中で発生したガスの逃げ道がなくなり製品内部に残り、空気だまりヶ所にメッキがのらない現象。
対策として、治具への掛け方や空気穴を加工する等がある。
![](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2021/07/455e684af2b421bf74e7696123279d5f-900x675.jpg)
【ピンホール】
めっき皮膜にできす目視のできない小さな穴。
製品生地まで穴が到達しており、その部分が空気中の酸素や水分と結合することで腐食の原因となったり、めっきが剥がれる原因となる。
完全な除去は難しいが、十分な前処理(脱脂など)をすることによりピンホールの発生量を減らすことが可能。
![](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2022/03/0d6b37e7da6ece85bf2e6b9f7ed932fd-900x507.png)
【エッチング】
金属表面をわざと荒らして、めっきや塗装をつきやすくする方法。
平滑な面にめっきをつけるよりも、凹凸のある面にめっきをつける方が密着力が良い。(アンカー効果)
ガスで処理するドライエッチングや液体を使って処理するウェットエッチングがある。
【スマット】
酸洗いなどの洗浄後、金属表面に生じる微粉末上の黒色物質。
材料中に含まれている酸に溶けにくい成分や物質が微粉末となり残留付着したもの。
スマットが残ったままメッキをすると表面はデコボコになるので硝酸等に浸けて除去をする。
以上が、めっきの仕事をする中で日常的に使用されるものです。
覚えておいて全く損はないです♩!!!
◆見積り段階で耳にする用語
次に見積の段階で図面に掲載されている用語の説明です。
【ミクロン(μm)】
長さの単位。めっきの膜厚を表す際に使用される。
1ミクロンは1ミリメートルの1000分の1。
(髪の毛の太さが約50~100ミクロンと言われております)
【図面の単位】
L:長さのこと
H:高さのこと
W:幅のこと
t:厚みのこと
m:ねじ穴の大きさのこと
Φ:直径のこと
r:半径のこと
![](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2023/04/zumenn-.jpg)
お客様からの膜厚の指定があったり、こちらから「~Φ位の穴をあけてほしいです」(治具穴や空気穴をあけてもらいたい時)と依頼することもあるので覚えておきましょう。
◆番外編の用語
【塩水噴霧試験】
めっきや塗装をしたテストピース(試験材料)に塩水を噴霧し耐食性を調べる試験。
自動車部品や建築部品など屋外で晒される製品を生産する際、事前に塩水噴霧試験をする場合がある。
【調色】
主に塗装でされる。めっきは金属皮膜をつけるため色の指定ができない(その金属の色がでる)のに対して、塗装は色の混ぜ合わせができるので調色ができる。
(黄色よりの赤や、黒よりの赤など)
![](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2023/02/7b820111372a296a635e856c385bba62-675x900.jpg)
◆まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回紹介した用語は本当によく使われる超基礎用語です。
本コラムでは用語の内容を短くまとめましたが、それぞれについて書いたコラムもありますので是非ご覧ください。
より詳しい説明があります!
めっきにまつわる内容で疑問や不安なことがございましたら、お気軽に(株)三和鍍金までご連絡ください!
皆様のお問合せお待ちしております😊
![](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2023/04/IMG_0610.jpg)
執筆者プロフィール
![根岸瞳](https://sanwamekki.com/info/wp-content/uploads/2021/07/MicrosoftTeams-image-6-300x300.jpg)
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ウエディング・旅行業界で勤務後、株式会社三和鍍金に入社。
事務員として伝票発行や納期管理をする傍ら、サービス業で培った高いホスピタリティ(おもてなし精神)を活かし、三和鍍金に関わる全ての方々が気持ち良く過ごせるようなお客様対応を心がけている。
メッキについて初心者であることを活かし、「メッキ初心者の視点」で書いたコラムはいずれも高い人気を博している。
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