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columnメッキライブラリ

2021.11.02

【実は深い関係】バリとメッキと電解研磨

2023年9月21日に加筆修正致しました。

群馬県高崎市にございます(株)三和鍍金 事務の根岸です。

入社したての頃、「バリってよく聞くけど何だろう?」と思っていました。

ある日、現場で部品を手に持った時「イタっっ!!」と思い手を見ると、切れていました。

…そうです。‘バリ’にやられたのです!!!

何も知らなかった私は、身をもって‘バリ’の存在を知ることができました(笑)

今回はその‘バリ’についてお話していこうと思います。

弊社では50種類を超える表面処理を取り扱っておりますのでお気軽にお問合せ下さい

■バリとは?

金属や樹脂などの加工過程で発生した、意図しない突起の事です。

すごく簡単に言うと、切断面にできる‘ささくれ’のようなものです。

切削加工・せん断加工をする際、素材が引きちぎられる状態となるので、バリは必ず存在してしまいます。

図面で〈バリなきこと〉と加工指示されているのを見かけた事はありませんか?

あれは、部品にトゲトゲやギザギザがない状態が大前提ですという事になります。

では、なぜバリがあるとダメなのでしょうか?

〇部品の組付けの際のトラブル

突起状のバリがある事により、エッジ(2つの面の交わり部分)・隣接する部品との組み合わせが上手くいかない事、誤差がでる事、キレイにはまらない事などが理由として挙げられます。

また、製品として組み立てた際、他の部分を傷つけてしまう・破損してしまう等の懸念もあります。

〇ケガ

トゲトゲ・ギザギザの部分はカミソリのように鋭利となっており、人の肌を傷つけます。

作業中のケガ、強いてはお客様の元に渡ってからのケガなんてことになったら、非常に大変です。

余談ですが、A4のコピー用紙とダンボール。

どちらで手をすり切ってしまったときが痛いと思いますか?

経験された方は分かるかもしれませんが、ダンボールで切ってしまったときの方が数倍痛いんです!!!(私は経験済です!笑)

なぜダンボールの方が痛いかというと、紙の切断面を顕微鏡で拡大してみると、A4はキレイに一直線に断面がある一方、ダンボールの断面はギザギザとのこぎりのようになっているからだそうです。

………想像しただけで痛いですね(・・;)

ギザギザは危ないという事です。

■バリを取る方法

では、この厄介なバリ。どうに除去するのでしょうか?

●手作業で取る方法

研磨ディスクや研磨ベルトを使用して手作業でバリを除去します。やすりで除去する事もあります。

●専用器具を使用する方法

バリ取り専用の機械で除去します。バレル研磨ショットブラストがこれらに値します。

●化学的に除去する方法

薬品を用いてバリを除去します。電解研磨化学研磨がこれらに値します。

■バリと表面処理の関係性

バリと表面処理に何の関係があるのでしょうか?

もちろん、製品として世に出される物は外観のキレイさも機能的なことも整ってないといけないわけですが…。

まず、メッキで考えてみましょう。

実は、バリがあってもメッキは付きます。

付きますが!

メッキラインにおける電流がとてもシビアなので、バリ部分に多くメッキが付いてしまいまいます。

事前にバフ研磨をしたりなど、平面に均等にメッキがつくようにする事が大切といえます。

次に電解研磨です。

前述した【科学的に除去する方法】に当たります。

‘研磨’というくらいですから、バリを除去する事はもちろんデコボコも無くなり、溶解する事により表面が平滑になり光沢が出ます。

他にも【専用器具を使用する方法】に出てきましたショットブラストも方法の1つです。

バリ部分にショット(砂)を当てることで、出っ張っているデコボコを取る事ができます。

バレル研磨も、バレル機の中で製品同士が当たる事により、バリや角が取れ滑らかになります。

(バレル研磨は、数量の多い小さめの製品に適しております。)

■まとめ

弊社内ではプレス加工等はしておりませんが、バリと表面処理には深い関係がある事が分かりました。

製品が店頭に並ぶ前までに色々な事が関わってきております。

お客様の手に渡った時に、不便なく使えるようにするには1つ1つの工程がとても重要です。

製品の機能性を考え、それにあった表面処理を弊社は提案しております。

お困りの事や、分からない事などございましたら、お気軽にご連絡下さいませ。

宜しくお願い致します。

PROFILE

根岸瞳
根岸瞳
ウエディング・旅行業界で勤務後、株式会社三和鍍金に入社。
事務員として伝票発行や納期管理をする傍ら、サービス業で培った高いホスピタリティ(おもてなし精神)を活かし、三和鍍金に関わる全ての方々が気持ち良く過ごせるようなお客様対応を心がけている。
メッキについて初心者であることを活かし、「メッキ初心者の視点」で書いたコラムはいずれも高い人気を博している。
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