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columnメッキライブラリ

2021.06.23

【メッキ×バフ研磨】よくある不具合4選

※2023年9月20日に加筆修正致しました。

群馬県高崎市にある(株)三和鍍金と申します。

本コラムは事業統括部の柳沢が解説いたします。

今回はメッキとバフ研磨についてのコラムになります。

弊社では各種鍍金×バフ研磨も取り扱っていますのでお気軽にお問合せ下さい

バフ研磨をしてクロムメッキ、ハードクロムメッキをしてからバフ研磨など、

よくある組み合わせの処理ではありますが、一定数不具合のご経験がある方もいらっしゃるのではないかと思います。

不具合にはどのようなものが多いのでしょうか。

また、その原因にはどんなものが挙げられるのでしょうか。

解剖してみましょう!

前置き

今日メッキ業界では光沢メッキが普及しており、弊社でも硫酸銅メッキを採用した美しい光沢の装飾メッキを行っておりますが、

光沢メッキが広まっていなかった時代は特にメッキと研磨は切り離せないものでした。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、メッキは素地の状態を良くも悪くも如実に反映してしまうものです。

素地が凸凹の状態ですと、仕上がった見た目も凸凹に、

素地が平らで美しい状態ですと、仕上がりもより美しく。

したがって、バフ研磨という工程を前や後に入れることで、素地(あるいはメッキ後の表面)をならし、

ある程度凸凹な素地状態でも美しい見た目にすることができていました。

また、無光沢に近い性質をもつメッキでも、素地が鏡面のような状態まで磨かれていれば

光沢メッキに近い光沢を放つようになります。

光沢メッキが普及した今は、昔ほどではないものの、それでもなお多くのものが研磨×メッキで処理が行われています。

素地状態がいずれにせよ、研磨というひと手間を足した方が綺麗になるというわけですね。

もちろん、バフ研磨分の処理費や時間は追加でかかってしまいますが…。

よくある不具合4選

さて、前置きが長くなりましたが、具体的な不具合内容としてはどのようなものが挙げられるのでしょうか。

ひとつひとつ見ていきましょう。

1、洗浄不足による密着不良

これは、バフ研磨という研磨方法の性質に関係しているトラブルです。

今さらではありますが、バフ研磨とは、回転する研磨布紙(バフ)に研磨剤をつけながら製品に当て擦り、研磨を行う表面処理方法です。

バフ

※バフ研磨について、詳細は以下のコラムをご覧ください。

この研磨剤が製品に残ってしまっていたり、製品から削った金属分がゴミとして製品上に残ってしまったり、

そういった研磨した際のゴミのことを総称してバフカスと呼ぶこともありますが、

このバフカスを除去せずにメッキ工程に移ってしまうと、要は不純物が付着している状態でメッキを施すことになりますので

言わずもがな不良につながってしまうわけです。

ざらつきや剥離現象などが起きる場合がございます。

したがって、研磨後のパッと見た感じがピカピカだからといって油断してはいけません。

美しいメッキ品にするためには、メッキ前にバフカスを落とすための洗浄の工程をきちんと導入する必要があるのです。

2、粒度選定ミスによるざらつき

これは原因としてはシンプルです。

研磨という工程では美しい光沢を出すために段階的な処理が必要です。

研磨剤は拡大すると細かな粒からなっており、その粒の大きさで研磨の粗さというのが決まります。

大きな粒で研磨を行えばそれだけ粗く、小さな粒で研磨を行えば緻密で繊細な仕上がりになります。

※粒度等については詳しくはこちらのコラムをご覧ください。

その段階的研磨の工程で粒度の選定ミスが発生した場合、後処理のメッキにおいても不具合が起き得ます。

具体的にはざらつきや表面にバリが発生するなどが挙げられます。

人為的ミスの可能性が高く、したがって弊社管理の研磨業者様では卓越した技術を持っているためほとんど起きませんが

一般的にはよくあるといっても良いトラブルかと思います。

研磨業者の見定めが重要になります。

「どこの研磨業者がいいのかわからない…」という方は是非弊社にご相談ください!

表面処理に長く携わることで得たコネクションで、確実な品質をお客様にご提供いたします。

3、特定のバフによる洗浄不良

これは、たとえばサイザルバフと呼ばれるバフを用いたときなどに起こりやすい現象です。

サイザルバフの中には樹脂加工を施したものがあり、その関係で通常の洗浄工程だとバフカスが除去できない可能性があります。

他にも特殊な砥石などを用いた際にメッキの種類によっては耐食性が低下するといった例もありますが、

弊社では協力工場である研磨業者様と密に連携を図り、このようなトラブルも適切に対処可能となっています。

4、自動研磨による研磨不足

皆様の常識では、バフ研磨は手動にて行うものですか、それとも自動で行うものでしょうか。

一般的に多い少ないの観点でいえば、感覚ではありますが手動にてバフ研磨を行っている業者様が多い気はします。

バフ研磨には自動機もあり、条件や設定を行うことで自動で研磨を行ってくれます。

人件費の部分などで手動より割安になる点などもちろんメリットもありますが、

手動より融通が利かない点などデメリットも多くあります。

いわゆる磨き残しというものも、熟練の職人であれば目を凝らしてかなり細かい部分まで修正することが可能ですが、

自動機では限界があります。

メッキの膜厚は非常に薄いため、そういった磨き残しはメッキの外観不良に直結してしまうのです。

研磨でもメッキでも手を抜かないという意思が美しい製品を提供するためには欠かせません。

いかがだったでしょうか。

弊社では銅メッキ・ニッケルメッキ・クロムメッキなど各種メッキや、

バフ研磨をはじめとしたバレル研磨、ヘアライン加工など各種研磨を承っております。

長年の実績で蓄積してきたノウハウでお客様により良い表面処理をご提供いたします!

各詳細については以下のリンクをご覧ください。

PROFILE

柳沢 寛太
柳沢 寛太
新卒として入社後、現場での業務経験を活かし現在は営業として活動しながらコラムを執筆。塾講師・家庭教師の経歴から、「誰よりもわかりやすい解説」を志している。
また、多数の人気コラムを生み出すだけでなく、YouTubeの元編集者・現プレスリリース執筆者。コラム・YouTube・広告等のプロモーションを手掛けた本HPは流入ユーザー数前年比1,150%アップという偉業を達成した。
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