columnコラム[めっきニュース]

2020.11.12【基礎中の基礎!】不動態化処理とは

事業統括部の柳沢です。

今回はお客様からのご質問が多い「不動態化処理(パシベート処理ともいう)」についてわかりやすくまとめてみました。

弊社でも行っている不動態化処理ですが、恐らく多くの方にとって聞き馴染みはないかと思います。

実は意外と私たちにとって身近なものなのです。

ステンレスとは?

ステンレス製品

皆様はステンレスがなぜ錆びないか(錆びにくいか)ご存知でしょうか。

金属の中には化学的安定性の高い(他の物質に影響を受けにくい=錆びにくい)ものがいくつか存在します。

アルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、モリブデンなどです。

ステンレス(正式にはステンレス鋼)というのは、このうちのクロムを一定量鉄に含ませた合金になります。

重要なのは、これらの金属の化学的安定性に優れる(錆びにくい)理由が、形成される「不動態化皮膜」という皮膜にある点です。

換言すれば、「クロムという金属がステンレスには含まれていて、そのクロム自体が錆びにくい特性(不動態化皮膜)を持つ」ということです。

では、「不動態化皮膜」とは一体何なのでしょうか。

不動態化皮膜

別名「酸化皮膜」とも言われます。

表面の金属分が酸素と結合することによってできる緻密な皮膜のことで、腐食(錆び)からの保護作用があります。

ステンレスに関して言えば、含まれるクロムが酸素と結合することで形成されます。

この皮膜を形成させる或いは補強する処理のことを不動態化処理(パシベート処理)と言います。

また、不動態化皮膜の膜厚は1nm(1μmの1000分の1)ほどと言われているため、肉眼では確認することができません。

処理前と処理後で外観や寸法はほぼ変わらないと言えます。

蛇足ですが、インフルエンザウイルスの大きさが80nm程度ということを考えると、不動態化皮膜が如何に薄いかよくわかります。

こんなにも薄いけれど、この皮膜のおかげで、ステンレスはstain(錆び等の汚損)がless(少量)であるとして重宝されているのです。

不動態化膜厚比較

不動態化皮膜の弱点

不動態化皮膜(≒ステンレス)には弱点もあります。

まず、塩素に弱い点です。

海水などにおいては塩素イオンが豊富なため、不動態化皮膜が局所的に破壊され、そこから腐食が始まってしまいます。

また、自らの腐食にはめっぽう強い不動態化皮膜(≒ステンレス)ももらい錆びの影響は受けてしまします。

例えば表面に鉄粉が付着してその鉄が錆びを発生させると、ステンレス自体の錆びも誘発してしまいます。

我々の日常に溢れているステンレス製品が錆びに強い理由は不動態化皮膜にあり、

この皮膜を付与する又は強化する処理が不動態化処理ということになります。

まとめると以下の通りです。

不動態化まとめ
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