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2021/01/07

【基礎中の基礎!】電解研磨について

  • 公開日:
  • 更新日:

※2023年9月19日に加筆修正致しました。

群馬県高崎市にある(株)三和鍍金、事業統括部の柳沢です。

今回は【基礎中の基礎!】シリーズ、電解研磨編になります。

弊社では電解研磨処理を数多く行っていますのでお気軽にお問い合わせください

皆様は電解研磨って聞いたことはございますか?

実は付加価値を付けたり、コスト面でも様々な広がる処理なんですよ!

今回はそんな電解研磨の基礎的な知識について、お話しさせていただければと思います。

下記の動画も是非ご覧になってください。

電解研磨とは

何か物をピカピカにしたい時に研磨という表面処理を行うことも多いかと思いますが、

研磨には擦ったり磨いたりする物理的研磨だけでなく、物の表面を電気と薬品の力で溶かして研磨をする電気化学的研磨や薬品の力で溶かして研磨をする化学的研磨などが存在します。

今回お話しする電解研磨とは、ある金属製品を電気化学的に研磨する表面処理方法になります。

図中のキリンス処理については、こちらの記事をご覧ください。

バフ研磨やヘアライン加工など、物理研磨も弊社にて扱っておりますので、ご希望のお客様はお問い合わせください。

物理研磨についてはこちらに詳細情報を公開しております。

電解研磨が可能な素材

電解研磨で対応可能な素材は、ステンレス、チタン、アルミ、銅などですが

素材によって薬品や液温度、工程等が変わるため、弊社内ではステンレス電解研磨のみを行っております。

ステンレスに関しましてはこちらの記事をご覧ください。

ただし、他素材に関しましても協力工場様にて処理可能な場合がございますので、お気軽にお問い合わせください。

電解研磨のメリット・デメリット

メリット

電解研磨のメリットといたしまして、ただピカピカになるだけではなく、同時に耐食性も上がるという点が挙げられます。

バフ研磨等の物理的研磨などは、物理的に製品表面の凹凸をならすことによって光沢を出す研磨方法になりますが、

対して、例えばステンレスの電解研磨は製品表面のFe分とNi分を溶かし、表層にクロムリッチな層をつくるという研磨方法なので、

表面の平滑化だけでなくリッチなクロム成分によって耐食性UPにもつながる表面処理になります。

余談ですが、下の図の通り、電解液が緑色をしている理由はNi分が溶けているからなのです。

電解研磨仕組み

また、通常ですと研磨幅は片側5~7μmほどですが、こちらに関しましてもご相談いただければ試作を含めまして対応させていただきます。

デメリット

デメリットとしては、電気を使った処理になりますので、形状や掛け数によっては弱電部という箇所が生まれてしまうことが挙げられます。

弱電部とは、文字通り電気が当たりにくい箇所を指しますが、電解研磨にあたっては白くぼやけたような見た目になってしまう場所です。

電解研磨処理を行うメインの目的がバリ取りのお客様には、それらの白いぼやけを不問とされるお客様もいらっしゃいますが、

光沢等の見た目や耐食性を重要視される場合はハンド電解研磨機などで修正することが可能です。

※電解研磨の曇り(白いぼやけ)についてはこちらの記事もご参照ください。

また、電解研磨液の粘度が高く、液がカシメ部分等に入り込んだ場合に排除することが非常に難しいという点もデメリットのひとつと言えます。

実は、カシメ部分等に入り込んでしまった電解液の完全な除去は不可能とさえ言われています。

電解研磨槽
弊社電解研磨槽

しかし、弊社ライン工程内では

様々な創意工夫により電解液残りは限りなく少ないので安心してご利用いただけます。

万が一、出荷先で液残りが確認された場合も迅速に対応致しますので、その際はご連絡いただければと存じます。

蛇足~電解研磨の歴史~

完全なる蛇足ではありますが、最後に電解研磨の歴史について簡単にまとめたいと思います。

「研磨」という加工技術が生まれたのはなんと現代から遡ることおよそ1万年、石器時代のことでした。

皆さんも小学校や中学校の歴史の授業で習った記憶が微かにあるかもしれませんが、

私たちの遠い先祖は、当時石を割ってつくった石器(打製石器)と呼ばれる道具を用いて狩りや食事などの生活を送っていました。

それから時が経ち文明が進むと、彼らは砂利や石を手持ちの打製石器に擦りつけ、切れ味を高める技術を生み出します。

打製石器の性能に辟易していたのでしょうか…。

彼らの本当の心持ちは定かではありませんが、とにかくこれがいわゆる磨製石器と言われる石器で、

ここから「研磨」の歴史ははじまりました。

そして紀元前3500年ほど前、つまり今から6000年弱も昔に栄えた文明、メソポタミア文明の跡地からは

研磨加工を施した青銅の剣などが見つかっています。

後に研磨技術は緩やかな進化を続け、「電解研磨(Electro Polishing)」が生まれたのはなんと20世紀に入ってからのこと。

研磨から電解研磨に発展するまでほぼ1万年というかなり長い時間がかかっていますね。

文明の発展というのは一部の例外を除き、基本的に途方もない時間がかかるものなのかもしません。

いかがだったでしょうか。

ステンレス製品の電解研磨、さらには物理研磨のことでも何か疑問点などございましたらお気軽にお問い合わせください。

執筆者プロフィール

柳沢 寛太
柳沢 寛太
新卒として入社後、現場での業務経験を活かし現在は営業として活動しながらコラムを執筆。塾講師・家庭教師の経歴から、「誰よりもわかりやすい解説」を志している。
また、多数の人気コラムを生み出すだけでなく、YouTubeの元編集者・現プレスリリース執筆者。コラム・YouTube・広告等のプロモーションを手掛けた本HPは流入ユーザー数前年比1,150%アップという偉業を達成した。
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