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columnメッキライブラリ

2023.11.25

身近な製品で活用されている「メッキ」「塗装」「研磨」などの表面処理技術を徹底解説!

こんにちは。

群馬県高崎市にて各種表面処理をおこなっております、(株)三和鍍金と申します。

今回は、身近な製品に活用されている技術「メッキ」「塗装」「研磨」などの表面処理について触れていきます。

私たちの生活のいたるところに、表面処理の技術が活用されていることをご存知でしょうか。

日常生活の中で目にするさまざまな製品は、見た目の美しさや耐久性を向上させるために、多くの場面で「メッキ」「塗装」「研磨」などの表面処理が施されています。

表面処理とは、元の素材に別の特性を持たせる技術のことで、

これによって金属や樹脂、ゴムなどの製品の機能や耐久性が大きく変わります。

弊社では50種類以上の表面処理の取り扱いがございますのでお気軽にお問合せ下さい

お見積りのご相談など、お問い合わせはお気軽にどうぞ!

表面処理とは?

表面処理は、製品の外見や耐久性、耐食性を向上させるために不可欠な工程です。

この工程では、金属や樹脂、ゴムなどの素材に特別な処理を施して、製品の性能を向上させることが可能です。

例えば、錆びやすい鉄製の部品にクロムメッキを施すと、見た目が美しくなるだけでなく、錆びにくくなり、製品の寿命が延びます

このような表面処理は、製品の機能性や美観価値を高めるだけでなく、安全性の向上にも貢献します。

表面処理の基本概念

表面処理の技術は多岐にわたり、各技術は特定の目的に応じて適した方法を選ぶことが不可欠です。

一部の方法は、製品の美観を向上させるために用いられ、例えば光沢のあるメッキや色鮮やかな塗装が該当します。

その他の目的であれば、耐摩耗性や耐食性を向上させて製品の寿命を延ばすという目的を選ぶこともあるでしょう。

これらの技術は、製品が長期間にわたって性能を維持することを可能にし、メンテナンスの頻度を減らすことにも貢献します。

表面処理の重要性

適切な表面処理は、製品の耐久性や機能性を大幅に高めることが可能です。

これにより、製品は長持ちし、使用中の性能低下を遅らせることができるため、結果としてコスト削減にもつながります

また、耐久性のある製品は、環境への影響を減らし、持続可能な消費に貢献するでしょう。

身近な例で理解する表面処理

身の回りにある多くの製品が、表面処理の恩恵を受けています。

例えば、キッチンの蛇口は、表面処理により水垢や汚れが付きにくくなっており、車のホイールは光沢のあるメッキや塗装により美しさが保たれています。

また、スマートフォンの画面は特殊なコーティングにより傷がつきにくく、指紋が付きにくいように処理されており、とても身近な場所で活躍している表面処理の1つです。

これらの例からも分かるように、表面処理は製品の美観と機能性を高め、私たちの生活の質を向上させています。

主要な表面処理技術

表面処理技術は、製品の機能性や耐久性を向上させるために不可欠です。

これらの技術は、製品の美観を高めるだけでなく、長期的なパフォーマンスと信頼性を提供します。

ここでは、主要な表面処理技術を9種に絞って紹介します。

  • ●めっき
  • ●塗装
  • ●陽極酸化処理(アルマイト)
  • ●溶射
  • ●表面硬化
  • ●表面熱処理
  • ●化成処理
  • ●エッチング
  • ●清浄・研磨・ショットピーニング

めっき

めっきは、製品の表面に金属の薄膜を形成する技術で、その用途は外観の向上から実用性の強化まで多岐にわたります。

特に、自動車の外装やデジタル機器の外観に使用される装飾めっきは、製品を美しく見せるために重要です。

一方で、防錆めっきは材料のサビを防ぐために重要な役割を果たし、建築資材や機械部品などに広く利用されています。

また、機能めっきは電子部品などに用いられ「電気的」「機械的」「物理的」「化学的」「光学的」「熱特性」の向上に大きく貢献します。

金属だけでなく、ガラスやプラスチックなど多様な素材に対しても適用可能です。

この技術により、製品の見た目の美しさだけでなく、強度や耐久性、防食性の向上も実現できます。

塗装

塗装は、素材の表面に塗料を塗布または吹き付けることで、塗膜を形成する表面処理技術です。

これにより、製品の外観を美しくするだけでなく、防錆や耐摩耗性の向上など、様々な機能を付与することが可能です。

塗装には下記のような方法があります。

  • ●一般的なハケやローラーによる塗布
  • ●スプレー缶やエアコンプレッサーを使用した吹付塗装
  • ●大型のゴムロールを用いるロールコーター
  • ●高温で硬化させる焼付塗装

各方法は用途に応じて選ばれ、例えば建物の外壁、車のボディ、家具、電子機器など、日常生活で広く用いられています。

塗装はめっきと異なり、常温や大気下で施工できるため、鉄製品だけでなく様々な素材に適用可能です。

しかし、めっきに比べると強固な被膜になりにくい点もあり、使用環境や目的に応じた適切な塗料選びが重要となるでしょう。

陽極酸化処理(アルマイト)

陽極酸化処理(アルマイト)は、アルミニウム製品の表面に硬く耐食性に優れた酸化アルミニウムの皮膜を形成する表面処理技術です。

この方法では、製品を電解液の陽極に置き、電気を流すことで耐摩耗性が高く装飾的な価値もある保護層を作り出します。

多孔質の構造により、染色や着色が容易で、医療機器や工業製品などに広く利用されており、不可欠な存在です。

溶射

溶射技術は、金属やセラミック、サーメットなどの材料を溶融し、基材の表面に高速で吹き付けることで耐久性や機能性を向上させる表面処理技術です。

この方法は、工業用機械や建築物、輸送機器など、過酷な環境にさらされる製品に特に有効で、耐摩耗性や耐食性、耐熱性などの特性を製品に付与します。

溶射は多様な材料の使用が可能で、低温での処理も可能なため、幅広い用途に適用できる柔軟性を持ちます。

表面硬化

表面硬化処理は、金属の耐摩耗性や疲労強度を高めるために用いられる技術です。

主要な方法には「浸炭焼入れ」「窒化」「高周波焼入れ」「炎焼入れ」などがあります。

浸炭焼入れでは鋼の表面に炭素を添加し、窒化処理では窒素を導入して硬化層を形成します。

高周波焼入れと炎焼入れは、高速加熱後に冷却して表面を硬化させる方法です。

これらの処理により、製品の表面は硬くなり耐久性が向上しますが、高温処理による材料の変形や後加工の必要性も考慮する必要があります

表面硬化は、特に工具や金型など耐久性が重要な製品に不可欠です。

表面熱処理

表面熱処理は、鉄鋼製品の表面特性を改善するための加工技術で、特に耐摩耗性や疲労強度、潤滑特性を向上させる目的で行われます。

表面熱処理には主に「表面焼入れ」「熱拡散処理」の2種類があります。表面焼入れは、必要な部分のみを急速に加熱し、硬化させる方法です。

これにより、部品の耐久性や性能が向上します。

一方、熱拡散処理は、金属や非金属の素材によって異なる処理方法を用い、耐摩耗性や耐食性、摺動性などの特性を付与します。

どちらの処理も、加工する素材や用途に応じて適切な方法を選ぶ必要があり、工具や機械部品、自動車の部品など、様々な製品に応用されているのが現状です。

表面熱処理により、製品はより長持ちさせることができて高性能化も見込めます。

化成処理

化成処理は、金属表面に特定の化学物質を塗布し、化学反応を利用して金属の耐食性を向上させたり、塗装の密着性を高めたりする表面処理方法です。

この処理は、金属に保護膜を形成することで、金属の腐食を防ぎ、耐用年数を延ばす効果があります。

金属の種類によって最適な処理剤が異なり、例えば亜鉛やカドミウムめっきされた表面には「クロメート処理」が最適です。

これにより、表面に耐食性を持つ薄い膜が形成されます。

また、鉄の場合は「リン酸皮膜処理」「黒染め」などが用いられることが多く、これらの方法も金属表面の特性を改善します。

化成処理は、自動車や建築材料、電子機器など、さまざまな産業分野で利用されており、製品の性能と寿命を延ばす上で重要な役割を果たしている技術です。

エッチング

エッチングは、化学薬品を使用して材料の表面を腐食させる加工方法です。

この技術は、銅板版画や印刷技術の発展とともに成長し、特に銅や亜鉛のような腐食性のある金属の加工に広く用いられています。

エッチングには主に2つの方法があります。

1つ目は「ウェットエッチング」で液体の腐食剤を使用する方法です。

2つ目は「ドライエッチング」で気体を使う方法です。

これらの技術は、金属加工だけでなく、半導体工学や電子部品の製造にも応用されています。

さらに、エッチングは芸術やインテリアデザイン、産業用の精密部品、医療機器など、幅広い分野で利用されており、製品に精緻なデザインやパターンを施すのに適しています。

この技術により、複雑な形状や細かいディテールが必要な製品の製造が可能になりました。

清浄・研磨・ショットピーニング

清浄、研磨、ショットピーニングは、表面処理の中でも特に物理的な方法を用いる技術群です。

これらの技術は、表面にコーティングを施すのではなく、既存の表面を改善するために用いられます

清浄は、製品や部品の表面から汚れや油分、錆などを取り除くプロセスで、製品の品質を維持するために重要です。

一方、研磨は表面を滑らかにし、光沢を出すために行われる加工で、鏡面仕上げなどの美観向上に役立ちます。

ショットピーニングは、小さな粒子(ショット)を高速で金属表面に衝突させることにより、表面を硬化させたり、疲労強度を高めたりする技術です。

この方法は、航空機の部品や自動車の部品など、高い耐久性が求められる分野で特に重宝されています。

これらの技術は、製品の機能性や耐久性を向上させるだけでなく、見た目の美しさを高めるためにも広く利用されています。

清浄、研磨、ショットピーニングはそれぞれ異なる目的で用いられるため、適切な方法を選択することが製品の品質を決定づける重要な要素です。

表面処理の応用例

表面処理技術は、私たちの生活のあらゆる場面で重要な役割を果たしています。

表面処理技術の進化により、製品の耐久性や機能性、美観が大幅に向上し、日々の生活を豊かにしています。

装飾品

ジュエリーやアクセサリーなどの装飾品には、金メッキやクロムメッキなどの表面処理が施されているのが一般的です。

これらのメッキ処理により、製品は美しい輝きを放ち続けることが可能です。

さらに、金属の耐食性や耐摩耗性が向上し、長持ちするようにもなりました。

例えば、リングやネックレスでは、金や銀の薄い層が製品の外観を豪華にし、同時に金属の変色や摩耗を防ぎます。

家具家電

家電製品や家具には、耐久性や美観を高めるために、さまざまな表面処理が用いられます。

例えば、冷蔵庫や洗濯機などの表面には耐摩耗性を高めるための特殊な塗装やコーティングが施されています。

また、木製家具には、木目を際立たせ、耐水性や耐摩耗性を向上させるためのラッカー塗装やオイルフィニッシュが施されているのが一般的です。

建物

建物の外壁や窓枠には、耐候性を高めるための塗装や特殊な表面処理が施されています。

外壁に使われる塗料は、紫外線や雨水、極端な気温変化から建物を保護し、長期にわたって外観を維持することが可能です。

また、窓枠には腐食や変色を防ぐための特殊なコーティングが施されており、建物の全体的な耐久性と美観を高めるために不可欠な存在です。

これらの表面処理により、建物は長持ちしてメンテナンスの必要性が減少します。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、身近な製品に活用されている技術「メッキ」「塗装」「研磨」などの表面処理についてお話ししてきました。

あらゆる表面処理の技術によって、私たちの生活の質が向上していることは、お分かりいただけたと思います。

「希望している用途で使用したい」「可能な限り綺麗な状態で長持ちさせたい」という要望に対応できるのが表面処理の素晴らしさです。

金属だけでなく、プラスチックなどの非金属、その他の材料に、それぞれ適した表面処理があります。

弊社、株式会社三和鍍金では、創業から70年以上表面処理に携わってきたことにより

培うことのできた技術とノウハウで、満足度の高い提案をお客様に提供しております。

どのような材料であっても表面処理に迷った際には、お見積もりのご相談など、お気軽にお問い合わせください。

圧倒的な提案力で、大きな付加価値を提供するお手伝いをさせていただきます。

PROFILE

三和鍍金 スタッフ
三和鍍金 スタッフ
金属表面処理の様々な疑問・基礎知識や、創業から70年以上培ってきたノウハウについて「誰にでもわかりやすく」をモットーに執筆しています。
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