【塗料の種類】塗装に使われる塗料とは?
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※2023年9月22日に加筆修正いたしました。
皆様こんにちは!
群馬県高崎市にございます(株)三和鍍金 事務の根岸です。
梅雨に入り、ムシムシした毎日が続きますね…。暑いです…。
暑さに体力を奪われないよう、頑張っていきましょうね(^^)!!
さて、今回は表面処理の1つである塗装の【塗料】についてです。
ニッケルメッキ・クロムメッキ・三価クロメートなど、製品の用途により処理されるめっきの種類が異なるように、塗装と一括りにされても、用途により“どの塗料を使用するか”が異なります。
どんな塗料があり、どんな特性があるのかをご紹介していきたいと思います!
それではいってみましょう♩
弊社では50種類を超える表面処理を取り扱っておりますのでお気軽にお問合せ下さい
目次
◆塗装とは
塗装とは表面処理の1種です。
めっきは、電気や科学反応を利用して製品に金属皮膜を析出させる表面処理のことです。
一方塗装は、製品に塗料を塗布・吹き付けたりすることにより、製品表面に塗膜を形成させる表面処理のことです。
塗装を進める上で、溶剤塗装、粉体塗装、焼付塗装、電着塗装、静電塗装…などと多くの[塗装]とつく名前の方法がありますが、詳しくは以下のコラムをご覧ください。
◆塗料の種類
では今回の目玉である塗装で使われる[塗料]の特性についてご紹介致します!
【ウレタン塗料】
耐久性が高い
硬化剤を混ぜることで非常に強い塗膜を形成します。摩耗や傷、化学物質に対して耐性があり、長期間にわたって保護効果を発揮します。
耐候性が高い
紫外線や気候変化に対して非常に耐性があります。塗装された表面を長期間保護し、色あせにくく光沢が持続し、劣化から守りながら表面を美しく保ってくれます。
柔軟性がある
塗膜が柔らかく、表面の伸縮に追従するため、割れや剥がれが起こりにくいです。塗りやすく均一な塗膜を形成することができます。短時間で硬化するため、作業効率も良いです。
ウレタン塗料は高いツヤ感を持つ塗料としても知られており、光沢剤(光を反射する粒子)の含有量によって、ウレタン塗料のツヤ感はさまざまなレベルに調整できます。
一般的な選択肢としては、マット(低光沢)、セミグロス(半光沢)、グロス(高光沢)などがあります。
自然でシックな印象を与えるマットから、鮮やかで洗練された印象を与えるグロスまで、光沢剤の含有率を調整することによりご希望のツヤ感を出すことができます。
金属や木材・プラスチックなど様々にものに塗ることが出来るウレタン塗料は、自動車の外装や車体パーツ、テーブル・木製フローリング、スマートフォンやパソコンなどの電子機器の外装や美観を向上させる役割も果たしております。
多彩な色や光沢のバリエーションがあり、様々なデザインに対応することができ汎用性も高く、単価も日比較的安価です。
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【アクリル塗料】
環境に優しい
水性の場合が多く、有害な溶剤を使用せず揮発性有機化合物(VOC)の発散が少ないため環境に優しい塗料として知られています。臭気も少ないため室内で仕様することもできます。
速乾性がある
乾燥が比較的早く、塗りやすい塗料です。作業効率も良く、塗りムラも少なく仕上がりが美しくなります。
耐久性が高い
紫外線や気候変化に対して耐性があり、色の安定性があり色褪せにくいため、屋外用の塗装にも適しています。また、水に対する耐性が高いため、水を多く使用する場所でも優れた効果を発揮します。
用途に合わせた選択が可能
水性、溶剤性、一液型、二液型など、さまざまな種類があり、使用する場所や目的に合わせて選択することができます。
アクリル塗料はウレタン塗料ほどの高い光沢は持ちませんが、ツヤ感を実現することは可能です。
マット(低光沢)~セミグロス(半光沢)までの光沢をもつことができ、グロス(高光沢)の仕上がりにしたい場合は専用の光沢剤を使用します。これによりアクリル塗料でもツヤ感を向上させることが出来ます。
ウレタン塗料と同様、金属・木材・プラスチック・石膏ボードなど様々なものに塗ることができ、家具インテリア製品の塗装、外壁・内壁、一部の自動車部品、おもちゃなど、皆様の周りにありふれた製品に使用されております。
小学生の頃に使った絵の具も同じ類です。
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【エポキシ塗料】
強い接着力
接着力が非常に強く、様々な素材に密着します。特に金属やコンクリートなどの硬質な素材に対して強い接着力を発揮し、長期間の使用に耐えることができます。
耐久性が高い
非常に強固で耐久性が非常に高く、紫外線や化学薬品、腐食や摩耗などに対して優れた耐性を持っています。表面を保護し、劣化や損傷から守ることができるので、厳しい環境下での使用に適しています。
防水性に優れる
水に対して非常に強い防水性を持ち、水中での使用や湿度の高い場所でも優れた効果を発揮します。薬品や油、溶剤などによる影響を受けにくく、耐腐食性にも優れています。
デザイン性に優れる
色の安定性が高く多彩な色や光沢のバリエーションがあり、様々なデザインに対応することができます。塗装された表面の色を長期間にわたって保持します。太陽光や外部要因による色あせを最小限に抑えることができます。
エポキシ塗料は一般的に高い光沢感を持つ塗料ですが、光沢剤の配合率により、高光沢(グロス)~マット(低光沢)まで異なる光沢レベルを得ることが可能です。
また、透明なエポキシ樹脂を使用することで、素材の表面を透明にすることもできます。
金属やコンクリートなどの素材の保護や防水処理、床面塗装、配管やタンクの内部塗装など、様々な用途に使用されています。
水中環境にも強いことから、水槽やプールの内部にしようされていたり、船舶やボートの塗装にも使用されております。
優れた接着性があるため下地との密着性が良く、機械部品などの表面処理にも向いており、剥離や割れなどのトラブルが起こりにくいという特徴もあります。
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【ポリウレタン塗料】
耐久性に優れる
耐候性、耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性、耐紫外線性などに優れています。耐水性や防汚性も高く、長期間の使用にも耐えます。
色が豊富で美しい仕上がり
多彩な色や光沢のバリエーションがあり、美しい仕上がりになります。また、耐光性が高いため、長期間の使用でも色褪せすることがありません。
密着性・柔軟性優れる
様々な素材に密着し、接着力が強く剥がれや割れの原因となる空気や水分を遮断します。
優れた柔軟性もあり素材の膨張や収縮に対応することができるため、素材の変形に追従して塗膜が割れることがありません。
防音性がある
騒音を吸収する効果があり、壁や天井の表面に使用することで、部屋全体の騒音を軽減することができます。
ポリウレタン塗料は一般的に非常に良いツヤ感を持ちます。ウレタン樹脂を主成分とする塗料であり、ツヤ感としてはウレタン塗料にも似た特徴を持っています。
光沢剤の配合率により、高光沢(グロス)~マット(低光沢)まで異なる光沢レベルを得ることが可能です。光を反射し、滑らかで光り輝く表面を形成します。
様々な物に対しての耐久性が優れており、密着度や柔軟性にも優れている為、日常で長期的に使用される製品に多く塗布されております。
自動車部品・バイク部品などの金属製品、木製の家具やフローリング、ゴルフクラブやテニスラケットなどのスポーツ用品、発色の鮮明さから舞台装置や展示物にも使用されており、私たちの生活の中でも非常に身近な物に塗られております。
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【シリコン塗料】
耐久性に優れる
耐候性、耐水性、耐紫外線性、耐薬品性などの耐久性に優れています。また、耐汚染性も高く、屋外環境での長期間の使用にも耐えます。
防水性・通気性に優れる
優れた防水性能を持っており建築物の屋根や外壁の防水処理に使用されることが多いです。長期間の雨風にさらされても劣化しないため、メンテナンスの負担が軽減されます。
通気性もあるため表面から水蒸気を透過させることができます。これにより、建物内部の湿気を調節し、カビや結露の発生を防止します。
耐熱性・耐火性がある
高温に耐えることができ、耐熱性に優れています。そのため、高温環境下で使用される製品や建築物の屋根や壁面に使用されることがあります。
熱膨張や収縮に対して耐性を持つため、クラックや割れの発生を最小限変動に抑え変動の激しい温度変化や建物の動きにも対応できます。
一部の種類は耐火性に優れているため、耐火建築物や産業用製品の防火塗料として使用されます。
環境にやさしい
無機性の成分を含み、有機溶剤を使用しないことがあります。そのため、低VOC(揮発性有機化合物)塗料として環境にやさしい選択肢となります。
シリコン塗料は上記4つの塗料とは違い、光沢感は低いです。シリコーン樹脂を主成分とする塗料であり、耐候性や防水性に優れていますが、光沢感があまり強くないことで知られており、仕上がりはマットな感じです。
光沢感を求める場合は、他の塗料や光沢剤を使用する必要がありますが、特定のシリコン塗料製品やブランドによっては、光沢剤を配合している塗料も市場で売られているようです。
耐久性に優れるため、外壁や屋根に塗られることが多く、長期間にわたって色褪せや劣化を抑えてくれます。
付着性にも優れている為、建築物や車両のシーリングにも使用されており塗膜の剥離や浮き上がりを防止します。
また、防水性・通気性にも良いので、バスルームやプールなどの高い湿度の内部・周辺の製品にも塗られます。船舶やボートの塗装にも使用され、船体自体の保護や美観を保つことが出来ます。
鉄道車両、橋梁などの表面処理に使用されることも多いようです。
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◆まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は塗装で使用される塗料の中でも代表的は5種類をピックアップしてご紹介致しました。
基本的にどの塗料も耐久性は高そうですね。
その中でも、耐熱・耐水・耐候など、それぞれの強みがご理解頂けたかと思います。
めっき同様、用途やおかれる環境下により適した塗料が変わります。
「表面処理は塗装でお願いします!」と言われても分からないな…と不安に感じた方、お気軽にご連絡ください!
表面処理にプロがお客様に合った最適な内容をご案内致します!!
執筆者プロフィール
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ウエディング・旅行業界で勤務後、株式会社三和鍍金に入社。
事務員として伝票発行や納期管理をする傍ら、サービス業で培った高いホスピタリティ(おもてなし精神)を活かし、三和鍍金に関わる全ての方々が気持ち良く過ごせるようなお客様対応を心がけている。
メッキについて初心者であることを活かし、「メッキ初心者の視点」で書いたコラムはいずれも高い人気を博している。
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