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【静電気?】静電塗装と電着塗装の違い

群馬県高崎市の表面処理業者、(株)三和鍍金と申します。

本コラムは事業統括部の柳沢が解説いたします。

皆さんは静電塗装や電着塗装って聞いたことありますか?

今回は電気を用いたこの2種類の塗装方法について、その違いをまとめていきます。

「図面に静電塗装の指示があるけど、電着塗装でもいいの…?」

「塗装は種類がありすぎて何が何だかわからない!!!」

そんな方のバイブルになれば幸いです。

それではいってみましょう。

塗装ってなに?

まず、多くの方がわかっているであろう、「塗装」という大枠から触れていきます。

辞書で「塗装」と引くと

塗料を物体の表面に塗って塗膜をつくること

などと出てきます。

皆さんの思うところ、その通りですね。

この「塗膜の作り方」という部分が様々で、用いる手法や道具など、それぞれの塗装方法において特徴があります。

小学生の頃、図工の授業などで紙粘土で何かを形作って、それに絵具と筆を使って色を塗ったご経験はありませんか?

あれも立派な「塗装」です。

もっと厳密にいえば、あの行為は「溶剤塗装」になります。

絵具の主な材料は顕色剤、展色剤、助剤の3つですが、このうち展色剤には溶剤が用いられているからですね。

溶剤塗装について詳しくは以下の記事で解説していますので、気になった方は是非ご覧ください。

静電塗装とは?

静電塗装の静電とは何を指すのか、何となく推測できる方も多いのではないでしょうか。

そう、このコラムのタイトルにもある「静電気」ですね。

簡単にいえば「静電気を用いた塗装方法」のことを「静電塗装」と呼んでいるのです。

より詳しい説明はこちらのコラムでしていますので、気になった方はご覧になってください。

こちらの記事の中で

静電塗装とは、アースした被塗物を正極、塗料噴霧装置を負極とし、直接高電圧をかけて両極間に静電界をつくり、塗料微粒子を 負に帯電させて、塗装する方法です。

と説明していますが、要は塗料の粒と製品にそれぞれ異なる極の静電気を付与させることで塗装を行っているということです。

一見するとフィクションのような話ですが、実際工業塗装においてはポピュラーな手法なのです。

ちなみに、「静電気」とだけ聞くとなんだか小さい電圧を用いているような錯覚を起こしますが、

本当は30000~150000ボルトもの高電圧(上の説明文にも入っていますが)を用いています。

一般家庭用の電圧は100ボルト程度なので、比較すると非常に高いことがわかりますね。

電着塗装とは?

一方、電着塗装とはどのような塗装方法なのでしょうか。

こちらも「電」気で塗膜を付「着」させる点においては先の静電塗装と似ていますが、

用いる電圧は160ボルトほどと、あまり高くありません。

プールのように溜めた塗料の中に製品を沈め、製品と電極のそれぞれ異なる極間に電気を流すことによって塗装を行う手法になります。

静電塗装と比べると、こちらの方がイメージしやすいかもしれませんね。

カチオン塗装の様子

また、電着塗装と一口に言えど、カチオン電着塗装やアニオン電着塗装などそれぞれ特徴があります。

カチオンって何…?と思われた方はこちらのコラムをご覧になってみてください。

静電塗装と電着塗装の違い

この二つが何となく違うものであることは既にお分かりいただけたかと思いますが、

もっと具体的にいえば、どのような点が異なるのでしょうか。

手法の違い

まずは、上で述べた通り、手法が大きく違います。

静電塗装はスプレーガンなどで塗料の粒子を帯電させることで塗装しますが、

電着塗装は塗料のプールに浸漬させ、そこに通電させることで塗装を行います。

電圧の違い

こちらも上で述べた通りです。

静電塗装は高電圧で150000ボルトになることもありますが、

電着塗装は低電圧で高くても300ボルト弱になります。

とはいえ低電圧の電着塗装も家庭用の電圧は超えていますので、どちらも感電には十分に注意する必要があります。

色替えの容易さの違い

他にも例えば、色替えについての違いもあります。

静電塗装はガンを用いるため、ガンの中身の塗料を変えて諸々調整すればすぐに別の色で塗装が可能です。

比較すると、カチオン塗装をはじめとして電着塗装は色替えが非常に困難で、基本的に不可能と言っても過言ではありません。

というのも、電着塗装の場合は数百リットル~数トンの塗料液をすべて交換しなくてはならないため多大なコストや時間がかかりますし

それだけでなく、塗装後にいくつもある水洗工程の槽もすべて清掃・交換しなくてはいけません。

該当槽だけでなく色の混ざりを避けるため、付近の掃除も行う必要があり…

つまるところ、ものすごく大変であるということですね。

これら以外にも相違点はありますが、ざっくりこのあたりかと思われます。

結論としては似て非なるもの、それが「静電塗装」「電着塗装」なのです。

蛇足~焼付塗装ってオーダーされたらどっち?~

今回は役に立つ蛇足です。

表面処理業界は言い回しが様々で、「実はAとBは同じ処理を指す別の言葉だった」なんてことはよくあります。

ただ、多くの場合、厳密にいえば二つは違う処理であることがほとんどです。

全く異なる言葉が当てられていることに少なからず意味はあるということですね。

たとえば「亜鉛メッキ」と「三価クロメート」。

厳密にいえば異なる処理ですが、実務上この二つはほとんど区別がありません。

詳細についてはこちらのコラムをご覧になってみてください。

さて、問題です。

「焼付塗装」とオーダーいただいた場合、次のうちどの処理をするのが適切でしょうか。

①溶剤塗装

②粉体塗装

③電着塗装

正解は・・・

全てです。

※私はちなみにこういうタイプの答えが非常に嫌いです(笑)

「焼付塗装」が何を指すかというと、「最終工程で焼き付け乾燥を行う塗装」です。

①も②も③も、全て焼き付け乾燥を行う場合があるため、

本当の正解は「どの焼付塗装をご所望か、改めて確認する」ということになるかと思います。

それぞれ膜厚や特性が異なるため、ニーズを再確認して適切な塗装処理を選択しましょう。

PROFILE

柳沢 寛太
柳沢 寛太
新卒として入社後、現場での業務経験を活かし現在は営業として活動しながらコラムを執筆。塾講師・家庭教師の経歴から、「誰よりもわかりやすい解説」を志している。
また、多数の人気コラムを生み出すだけでなく、実はYouTubeの編集者でもある。コラム・YouTube・広告等のプロモーションを手掛けた本HPは前年比1,150%アップという偉業を達成した。
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