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columnメッキライブラリ

2023.02.07

【基礎中の基礎!】鉄亜鉛合金めっきについて

※2023年9月22日に加筆修正致しました。

皆様こんにちは。株式会社三和鍍金です。

今回は【基礎中の基礎!】鉄亜鉛合金めっきについて解説していこうと思います。

弊社では鉄亜鉛合金めっきも承っておりますのでお気軽にお問合せ下さい

鉄めっき?亜鉛めっき?合金めっき?その特徴は?金額は高いの安いの?どんな色?

あらゆる疑問があると思います。今回は一つずつ解説してきます。

初めて聞いた方、そうでない方も今回を機会に最後までご覧になっていただき

その知識を深めていって下さい。

株式会社三和鍍金コラム「メッキライブラリ」「Youtube」では他にも、めっき、塗装や表面処理に関しての知識を発信していますのでそちらもご覧になって下さい。

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鉄亜鉛合金めっきとは

鉄亜鉛合金めっきとはどういっためっきでしょうか。

言葉から推測するに鉄と亜鉛を混ぜたものをめっきにしてる・・

そんなことが容易に想像できますよね。

まさしくその通りで亜鉛に微量な鉄を混ぜ合わせめっきを施すことにより

通常の亜鉛めっきに不足している機能を付与することが出来るめっきとなっています。

鉄と亜鉛を混ぜ合わせてより通常の亜鉛めっきよりも強固なめっきと覚えておきましょう。

合金めっきに関してはこちら👇

鉄亜鉛合金めっきの特徴とメリット・デメリット

さて、そんな鉄亜鉛合金めっきですがどんなものか詳しく見ていきましょう。

歴史

もともとは塩害対策の為、自動車メーカー向けに亜鉛めっきよりも高耐食に出来ないかという観点から研究開発されて普及した合金めっきになります。

耐食性を上げるため単純に膜厚を厚くしても機能面や嵌合が悪くなってしまうため

薄膜で亜鉛めっきよりも耐食性を持たせるために鉄亜鉛合金めっきが誕生する背景となりました。

外観

次に、どんな外観をしているのでしょうか。

亜鉛めっきの記事でもご紹介しましたが鉄亜鉛合金めっきとクロメート後の色合いは全く異なります

ひとまず下の画像をご覧になって下さい。

鉄亜鉛合金めっきのみ

鉄亜鉛合金めっき+3価黒クロメート

基本的に亜鉛めっきを付けた後、耐食性の観点からほとんどのものをクロメート処理します。

亜鉛めっきとクロメート処理はセットのような扱いになっていることが多いのです。

よって外観はクロメートの色調となります。

めっきとクロメートは異なる処理となりますので混同しないように注意しましょう。

めっき業者に依頼する際は「○○めっきと○○クロメートで」とお願いするとより分かりやすいですね。

クロメート後の色調を指定することで外観面を何色にするということも出来るのです。

ただし、一般的に多く広まっているのが3価クロメートと黒クロメートになりますのでご注意下さい。

亜鉛めっきについてはこちら👇

【混乱】亜鉛メッキ・クロメートの「別名」まとめ👇

特徴

鉄亜鉛合金めっきの大きな特徴は通常の亜鉛メッキよりも耐食性が優れている点にあります。

僅かに鉄を混ぜ込むことで亜鉛皮膜の過剰防食が抑制されて亜鉛めっき大きな特徴である犠牲防食の時間が長くなり耐食性が向上します。

クロメート処理後では通常の亜鉛めっきと比べなんと3-4倍の耐食性があると言われています。

また、複雑な形状の製品にも比較的つきやすく均一電着性が優れており、

鉄系素材にめっきを施す場合にも非常に適しています。

大きなくくりで言うと高耐食性亜鉛系合金めっきの分類ですね。

通常の亜鉛めっきの特徴を活かしたいけれどもう少し耐食性を上げたい!といったニーズにぴったりです。

金額

気になる金額ですが亜鉛めっきよりは多少割高になってしまいます。

ただし、亜鉛系合金めっきの中では安価で処理が出来るのが特徴です。

亜鉛系合金めっきの亜鉛ニッケル合金めっきと比べると圧倒的にコストは抑えられます。

通常の亜鉛めっきよりも高耐食を持たせたいが安価で大量生産したいというニーズにも適しています。

使用用途は

基本的には亜鉛めっきが良く採用される自動車部品に多く使われています。

使用箇所によって通常の亜鉛めっきよりももっと耐食性が欲しいといった場合や

亜鉛めっきの最大の特徴である犠牲防食を活かしたり導電性を持たせたまま黒い外観色を保ちたいなど

通常の亜鉛めっきの延長線上に鉄亜鉛合金めっきは採用されることが多いのです。

自動車部品を初め建築部材、ボルト、ナット等にも採用されることもあり

安価で高耐食性の皮膜を手に入れられるニーズに適しています。

クロメート皮膜によって耐食性は異なりますが3価クロメートにも対応出来るので

Rohs規制にも対応が出来ます。

まとめ

皆様いかがでしたでしょうか。

今回は鉄亜鉛合金めっきについてお伝えしてきました。

一言でいうと亜鉛めっきの強化版といったところでしょうか。

近い表面処理として

亜鉛めっき、ニッケル亜鉛合金めっき、ダクロ、ジオメット、カチオン塗装などがありますが

それぞれの処理にメリットデメリットが存在します。

それらの処理を詳しく知ることで適した表面処理を採用することが出来ます。

3価クロメート、6価クロメートにもよって耐食性は大きく異なりますし

使用環境によっても適しているのか適していないのかは変わってくるのです。

そういった意味でも適した表面処理を採用することはとても大切です。

弊社コラム「メッキライブラリ」では他にもたくさんの表面処理に関しての記事を取り上げていますのでご覧になって下さい。

弊社でも今回取り上げた【鉄亜鉛合金めっき】の取り扱いがございます

ので是非一度お気軽にお問い合わせください。

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

PROFILE

武藤 篤
武藤 篤代表取締役
株式会社三和鍍金に入社後、経営難に陥っていた会社再建に取り組む。
経費削減、業務改善、人材育成に取り組み1年でV字回復させる。
その後、営業手法の業務改善を行い、売上高増加、年間新規取引100件を達成
柔軟な発想や行動力を持ち味に現在は表面処理を通しての新規事業に着手中。
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