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columnメッキライブラリ

2023.05.12

【色は変えられるのか?!】表面処理における調色

※2023年9月22日に加筆修正致しました。

皆様、こんにちは!
群馬県高崎市にございます(株)三和鍍金 事務の根岸です(#^^#)

春のように暖かい日から夏のように暑い日まで、毎日お天気の良い日が続いていますね。
朝も夜も外の空気が気持ち良いので、リラックスしたい時は外で深呼吸すると落ち着きますよ♩

さて!今回は表面処理における<調色>についてです。

弊社では50種類を超える表面処理を取り扱っておりますのでお気軽にお問合せ下さい

‘調色って何?’という素朴な疑問から、‘表面処理で調色はできるのか?’という内容までご紹介していきたいと思います。

是非ご覧下さいませ!

◇調色って何?

調色とは[色彩を調整して、目的に合わせた色を作り出すこと]です。
一般的に、色相(赤、青、緑、黄などの色の種類)明度(色の明るさ・暗さ)彩度(色の鮮やかさ・くすみ)の3つの要素を微調整することで、目的の色を作り出します。

一方、似た言葉で色調もあります。
色調とは色相明度彩度色温度濃淡色の表現など様々な要素を総合的に表した[色の見え方や印象を変化させる要素のこと]です。
よく、<パステル=優しい><ビビット=元気><ダーク=落ち着いた>等、イメージで色を表すことが皆様にもありませんか?

調色・・・目的の色を作り出すこと
色調・・・ある色の見え方や印象を調整すること

このような違いがあるのです。
調色をすることで、色調が変わるといったところでしょう。

◇めっきの調色

調色の定義が分かったところで、[表面処理における調色は可能なのか?]を紐解いてみます。

まずは、金属製品の表面に金属の皮膜をのせる<めっき>です。
ズバリ言います。
同じ会社内で処理するめっきの調色は、非常~に難しいです(泣)
めっきは先述した通り、“金属を皮膜させる”ので、“その金属の色”が反映されます。
もっと詰めると、その会社で使用しているめっき液・薬品・温度・時間が決まっている為、“その会社の色”が反映されます。
ということは、会社により若干の誤差はあり得るということです。
大きい枠で見ると上記の通り、めっきの調色は[できない]ではなく[難しい]とされますが、実際は同一会社内での調色は処理の条件がきまっている為[できない]が一般的になります。

また、同一工場内・同条件で処理をしても製品の素材によっては微妙に色が違うこともあります。
正確な色合いを得る為にも、試作をすることを推奨しております。

調色とは異なりますが、ショットブラストをすることで‘表面の手触りを変える・少し曇らせたような外観にする’、めっき前にバフ研磨をすることで‘光沢度を上げてよりピカピカにする’という外観を変える事は可能です。

◇アルマイトの調色

素材:アルミニウムの表面に酸化被膜を形成させ優れた耐食性を持つようにさせる<アルマイト>
通常アルマイト皮膜は無色透明なのですが、酸化被膜を形成させる中で希望の色の着色剤を加えることで色を付けることが出来ます。よって調色は可能です。
酸化被膜の厚みを変えることで色の濃淡を調整することも可能なようです。
但し、素材アルミニウムの番手によっては対応が難しいこともあるので、心配な場合は一度ご相談ください。

同じ酸化被膜を利用したもので、素材:ステンレスに対応する<酸化発色>という処理があります。
酸化発色はステンレスがもつ酸化被膜を強化すると同時に、その干渉色によって色をつける処理です。
干渉色とは、光が物体表面に当たり反射した際に、反射光同士が干渉し合って生じる色のことを指します。……難しいですよね。
虹やシャボン玉、昆虫の羽やオイルの水たまりなど、光の屈折と反射で虹色っぽく見えるアレです!!

この酸化発色。実は調色はできないのですが、赤や青など色を選ぶことはできます。
但し思っているよりもダーク調で、選んだ色の黒寄りのディープな色が仕上がります。
(でも、スゴく綺麗です!!!!)

◇塗装の調色

塗装と言えば調色調色と言えば塗装と言っても過言ではないくらい、塗装処理での得意分野です!!

お客様の要望に合わせたカスタムカラーを作ることが出来ます。
めっきでは出来ない「ここの部分の部品と同じ色にしてほしい」という要望も可能です。
黄色っぽい赤・黒っぽい赤・青っぽい赤など、赤のなかでも希望の赤に近づけることが出来ます。

一番分かりやすいイメージが、絵の具です。

赤+白=ピンクになりますが、赤が多めだと濃いピンク・白が多めだと薄いピンク

微妙な調整で色が変わるこの感じが[調色]と思っていただくと分かりやすいと思います。

塗料の種類や濃度、目的とする色に合わせた配合率や調色機器の使い方など熟練の技術が必要ですが、他の表面所に比べ調色をしやすいのが魅力の1つです。
調色の自由性は高いですが塗装の場合も、‘希望していた色と違う!!’というアクシデントを避けるためにも試作をすることを推奨しております。

◇まとめ

いかがでしたでしょうか?
表面処理の分野によっては難しくもあり、はたまた自由にできたり、条件があったり…と中々面白い内容ではなかったでしょうか?!
お問合せでも「調色は出来ますか?」といただくことがございます。
表面処理したいものが調色できるのか否か、もしくは希望の色味に近づく処理はあるのかなど、疑問に感じたことはお気軽にご連絡くださいませ!

皆様からのお問合せお待ちしております(^^)

PROFILE

根岸瞳
根岸瞳
ウエディング・旅行業界で勤務後、株式会社三和鍍金に入社。
事務員として伝票発行や納期管理をする傍ら、サービス業で培った高いホスピタリティ(おもてなし精神)を活かし、三和鍍金に関わる全ての方々が気持ち良く過ごせるようなお客様対応を心がけている。
メッキについて初心者であることを活かし、「メッキ初心者の視点」で書いたコラムはいずれも高い人気を博している。
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