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2024/06/06

ステンレスの溶接焼けを除去する方法5選

  • 公開日:
  • 更新日:

こんにちは!

群馬県高崎市にございます(株)三和鍍金 営業の八尾です(^^)

今回はステンレスの溶接焼けに関するコラムになります。

弊社ではステンレスの溶接焼け除去も行えますのでお気軽にお問い合わせください

溶接焼けをそのままにしておくと溶接部分から酸化してしまい腐食が進んだり、

美観が損なわれてしまいます💦

これらを防ぐために今回ご紹介させていただく処理方法は5つです。

1. 電解研磨

2. 酸洗い

3. ショットブラスト

4. ハンド電解

5. リューター(やすり)

それぞれの特徴を分かりやすくご紹介いたします🎵

YouTubeでは、電解研磨、酸洗い、ショットブラストを解説した動画も公開しています。

こちらもあわせてご覧ください👐

電解研磨

電解研磨とは製品に電解液中で電気を流し電気と薬品の力で表面を平滑化する研磨方法です!

ステンレスに含まれている鉄分とニッケル分が水溶液中に溶け出し表層にクロム分が多くなることで

耐食性が上がり、さらに研磨時に失われた不動態化被膜が再形成される事により耐食性が上がります。

酸と電気の力で溶接焼けを落とし研磨をすることで、金属光沢が増し綺麗な外観仕上げとなるため

美観性も高めることができます✨✨

溶接焼けを落とし、プラスで耐食性美観性を上げることができ良いことだらけですね!

このようにメリットが多い ”電解研磨” 。

弊社では群馬県唯一の全自動ラインを2台所有しています!

そのため安定した高品質製品を短納期でご提供することが可能です!

HPに詳細を記載しておりますのでぜひご覧ください👐

メリット:溶接焼けが落ち、外観に光沢性が生まれる。耐食性が上がる。

デメリット:弱電部に色むらが出る可能性がある。筒状の内部は焼けが除去されない

酸洗い

続いて酸洗いです!

酸洗いとは ”酸系溶液” に金属を浸けることで溶接焼けや金属に付着している付着物を除去しさらに

洗浄することを目的としています。

ステンレスはニッケルとクロムの合金で通常の塩酸だと弱すぎて落ちないことも💦💦

しかし、弊社ではステンレス材専用の強めな酸系溶液を使用しているためステンレスの酸洗いが

可能になりお問い合わせをたくさんいただいています(^^)/

メリット:仕上がりがマットな雰囲気になる。製品内部の溶接焼けも除去できる。

デメリット:時間がかかる場合がある。

酸洗いの詳細は下記HPをご覧ください🙌

ショットブラスト

続いてはショットブラストです!

ショットブラストは製品表面に ”投射物” を当てることにより、表面を研磨する方法です!

目的として溶接焼けやサビ、酸化被膜落としがメインで行われます。

投射物の素材は鉄だけでなく銅やアルミの複合材、砂やガラスなど用途により多岐に渡ります。

全自動のショットブラスト機では比較的均一にメディアを衝突することができるため、

ショットムラを最小限に抑えることが可能です。

処理後は、ザラザラとした仕上げになります。

メリット:均一でムラの少ない処理ができる。

デメリット:寸法公差に影響が出る可能性がある。ツヤがなくなる(梨地)。

ハンド電解

続いてハンド電解です!

電解研磨のあと落としきれなかった製品内部の溶接焼けを除去したいときに用いられます!

通常、電解研磨は製品内部は研磨されないため、ハンド電解(手動)をすることで

製品内部の溶接焼けを除去することができ光沢も出すことが可能です✨

細かいところや部分的に研磨をしたい製品に向いています。

機械で行う電解研磨の表層に比べるとハンド電解は人の手で行うため色むらが発生すること、

時間がかかってしまう事が懸念点として挙げられます。

メリット:製品内部の溶接焼け除去が可能。

デメリット:手動で行うため時間がかかり、大ロットには不向き。時間がかかる。

      色むらが発生する可能性がある。

リューター(やすり)

続いてはリューター(やすり)です!

リューターは一般名詞ではなく、日本精密機械工作株式会社の製造する、精密ハンドグラインダーの

ブランド名なのです😲。

一般的には「ハンドグラインダー」などと呼ばれています。

身近にあるホームセンターで購入することができ、製品はペンのように持ちやすく

グリップがしっかりしていて、個人のお客様でも簡単に作業することが可能です!

ペン先の部品を変えることで研磨や、穴あけドリル、汚れ落としなど様々な処理ができます!

メリット:個人でも手軽に溶接焼け落としができる。

デメリット:時間がかかりすぎてしまう。

      個人の処理には限界があり、業者に委託するのに比べ完全に落としきることが難しい。

まとめ

このようにステンレスの溶接焼け除去には様々な方法があります。

【電解研磨、酸洗い、ショットブラスト、ハンド電解、リューター】

それぞれ製品の使用用途や外観によって適切な処理をご提案いたします(^^)/

お悩みの際は、お気軽にご相談ください!

お問い合わせはこちらからお待ちしております👇

執筆者プロフィール

三和鍍金 スタッフ
三和鍍金 スタッフ
金属表面処理の様々な疑問・基礎知識や、創業から70年以上培ってきたノウハウについて「誰にでもわかりやすく」をモットーに執筆しています。
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