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【用語解説】ステンレスの圧延加工【BA材】

群馬県高崎市の表面処理業者、(株)三和鍍金と申します。

本コラムは事業統括部の柳沢が解説いたします。

今回は電解研磨をはじめとする研磨加工にかかわってくるステンレスの用語解説のコラムになります。

今回扱う用語は「圧延加工」、「光輝焼鈍」です。

早速始めていきます。

電解研磨についてはこちらの動画でご紹介していますので、是非ご覧ください!

圧延加工

SPCC(冷間圧延鋼板)の例

表面処理業に携わっていると、お客様からお預かりする製品や図面にて多種多様な材質を目にします。

「鉄材」「ステンレス材」と一口に言えど、様々な鋼種が存在しているのです。

その中でSPCCという鉄材は比較的ポピュラーですが、この鉄材は日本語で「冷間圧延鋼板」と呼ばれています。

なんじゃそりゃ。

私はそうなりました。

しかし、これも(所詮)熟語の集まりなので、分解してしまえば理解するのは難しくないはず。

「冷間」・・・冷たいところ、状態で

「圧延」・・・圧力を加えて延ばした

「鋼板」・・・鉄の板

つまり、「冷たい状態で圧力を加えて延ばした鉄の板がSPCCである」ということになります。

が、実際にはこれは少し語弊があるのです。

熱間圧延鋼板と冷間圧延鋼板

語弊を解消するために、もう一つの圧延加工についてご説明する必要があります。

そもそもこれらにはどういう前提があるのかというと、我々の身近にある金属製品は非常にたくさんの工程を経て今の形に加工されています。

たとえば、弊社の事業内容である「表面処理」というのはそのフローの中で一番最後にあたる、要は「最終調整」です。

このフローの序盤で鉄鋼(鉄の塊)が生み出されますが、厚さ25cmほどの塊をいきなり複雑な形状に加工するのは難しく大変ですよね。

※鉄と鋼鉄の違いについてはこちらのコラムをご覧ください。

したがって、この鉄の塊を1000℃ほどに熱しながらぐにーっとローラーで延ばすのです。

さながらピザやうどんの生地を延ばすように。

そうしてMAX20mm程度の厚さの板に加工をして、その後の加工工程が円滑に進むようにします。

このぐにーっという熱を加えながら圧延したものを「熱間圧延鋼板」(SPHC)と呼びます。

さらに薄い厚さに加工する必要がある場合は、この熱間圧延鋼板を常温にて追加で延ばします。

これが「冷間圧延鋼板」(SPCC)です。

語弊を生む理由は「冷間」とついているものの実際は「常温」であるから、ですね。

スキンパス圧延とは【No.2B】

さて、本コラムを書く動機にもなった「ステンレスのスキンパス圧延」について触れていきます。

こちらのコラムでステンレスのいわゆる「2B材」について触れていますが、

「2B材」とは「No.2Dにスキンパス圧延を施したもの」という説明をしています。

スキンパス圧延とは、「冷間圧延後、焼鈍した鋼板に施される軽い圧延」のことです。

別名「調質圧延」とも呼ばれます。

「調質」とあるように、鋼板の性質を整える目的があります。

したがって、「2B材」は「No.2D材の性質を整えたもの」ということになります。

はい。

完全にスルーしてしまいましたが、「焼鈍」とは何でしょう。

これは次に解説する用語にも入っている単語ですね。

詳しくみてみましょう。

光輝焼鈍(Bright Anneal)

なんのことやら・・・と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、

これは皆さんがよく見聞きするステンレス材、BAのことを指します。

いえ、厳密にいうと

光輝焼鈍加工を行ったステンレス材のことをBA材と呼んでいます。

ブライトアニールの頭文字をとってBAと呼称しているわけですね。

では、光輝焼鈍とは何なのでしょうか。

焼鈍(焼きなまし)

熱処理の一種です。

こちらのコラムに詳細が載っていますのでご覧ください。

簡単にご説明すると、金属を高温にしたのち炉内でゆっくりと冷やし、柔らかく加工しやすくする熱処理のことを指します。

目的や用途によって焼きなましの方法・呼び名も様々です。

光輝焼鈍

焼きなましを大気中ではなく雰囲気ガスの中で行うことで、酸化皮膜(生成されると黒みがかって見える)の生成を阻害し、光沢を維持しつつ焼きなましする(加工しやすい状態にする)ことが可能になります。

これを光輝焼鈍(ブライトアニール、無酸化熱処理の一種)と呼び、そうしてできたステンレス材をBA材と呼んでいるのです。

ちなみに雰囲気ガスとは、光輝焼鈍にかかわらず近年の熱処理においてよく使用されるもので

不活性ガス(アルゴンやヘリウムなど)や中性ガス(窒素やアンモニアなど)のことを指します。

※もっとちなむと、ここでいう「雰囲気」とは特定の気体やその条件下にある状態のことを指す、化学用語になります。化学を勉強したことのない私にとっては「???」となる用語でした。

いかがだったでしょうか。

今回ご説明した用語をまとめるとこのようになります。

圧延加工・・・圧力を加えながら延ばし、板材にする加工法。熱を加えながら(熱間)なのか常温(冷間)なのか等、種類は様々。

スキンパス圧延・・・冷間圧延後、焼きなましをした材に施す調質圧延のこと。材の性質を整える目的がある。例としてNo.2Dを調質するとNo.2B(2B材)になる。

焼鈍(焼きなまし)・・・高温に加熱後、ゆっくりと冷やすことで鋼材を柔らかく加工しやすくする熱処理の一種。

光輝焼鈍・・・熱処理を行う炉内を雰囲気ガスで満たすことで酸化皮膜の生成を阻害し、光沢を維持したまま焼きなましができる無酸化熱処理の一種。

雰囲気ガス・・・酸化を防ぐ目的などで熱処理に用いられるガス。不活性ガスや中性ガスなどが採用される。

こうしてまとめてみると、文章というのは単語から成っていることが改めてよくわかりますね。

そしてこれは、難しい文章を単語レベルに分解して追うことは有効であるという証明にもなるわけです。

・・・という蛇足を最後に述べて、このコラムは終わりにしたいと思います。

ステンレス製品に関して弊社では電解研磨、カチオン塗装、メッキ各種、研磨加工等、

様々な表面処理が可能ですので、ニーズに合わせた表面処理をご提案いたします。

お困りの際は是非一度ご相談ください。

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