【前処理が大事!】ストライクめっきとは
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※2023年9月21日加筆修正致しました。
群馬県高崎市にございます(株)三和鍍金 事務の根岸です!
皆様は“ストライクめっき”って聞いたことありますか?
めっきをする上での処理工程なのですが、今回はそこに焦点を当ててお話していこうと思います。
弊社は50種類を超える表面処理の取り扱いがございますのでお気軽にお問合せ下さい
■ストライクめっきと密着性
今日のめっきは基本的には強固に密着しているのですが、まれに密着不良が起こるケースがあります。
素地に汚れ(油など)がある場合はもちろんですが前処理不良や、前処理工程と素地表面の不適合などが要因の場合もあります。
ストライクめっきとは、各種のめっき処理をより効果的にする為の前処理めっきであり密着性を高めたり被覆力を向上させる下地めっきでもあります。
通常のめっき処理より高電流をかけ、短時間で処理をします。
ストライクめっきをすることにより、めっき仕上がり後の膨れや剥げなどを防ぐことが出来るので、非常に重要な工程といえます。
ストライクめっき(下地めっき)の役割は、以下のようなことが挙げられます。
■ストライクめっきの種類
めっき浴としてしようされるのは様々ありますが、弊社でよく耳にする2つをご紹介します。
◎ニッケルストライクめっき
ステンレスや難素材にニッケルめっきをする際に使用されます。
不動態皮膜を活性化させながら、素地の保護や調整の為に薄くめっきをすることを指します。
通常ステンレスは強固な不動態皮膜が原因でめっきがつきにくいのですが、ニッケルストライクめっきをすることにより、不動態皮膜を剥ぎ取り表面を活性化させ、めっきの密着性を高めることが出来ます。
◎銅ストライクめっき
亜鉛やアルミダイカスト素材へのストライクめっきをする際に使用されます。
置換めっき防止、素地の欠陥修復、素材表面の調整まで行います。
元々、表面欠陥の多い素材である亜鉛・アルミダイカストは、銅ストライクめっきをすることにより表面を修復することが出来ます。
ただし、修復不可能な場合もあるので注意が必要です。
上記2種類のストライクめっきの他にも、
銀ストライクめっき(銅や鉄に向いている)
金ストライクめっき(ステンレスやニッケル、金に向いている) というものもあります。
■素材によって変わる液
素地の材質により、酸性浴かアルカリ性浴を使い分けます。
強固な不動態皮膜を有するステンレスには、塩化物イオンが豊富な強酸性のニッケルストライクめっきが有効です。
逆に、薬品に侵されやすい亜鉛やアルミダイカストは、アルカリ性の銅ストライクめっきが使用されています。
■まとめ
いかがでしたでしょうか?!
今回はめっきつける上での“前処理”をポイントにコラムを書いてみました。
ただめっきをつける訳ではなく、素材により工程や機能性なども考慮しながら前処理をしていることが分かりました。
お客様の手元により良い物が届くよう、処理がなされています。
改めて『めっきは奥が深いなぁ~』と感じました。
材質や用途、ストライクめっきをする金属の種類により合う合わないもございますので、ご不明・ご心配な場合はご相談ください!
お客様のニーズに合わせた方法を提案させて頂きます。
今年も(株)三和鍍金のHP、コラム、Youtubeをご覧頂きありがとうございました。
来年も皆様にとって良い1年になりますよう、お祈り申し上げます。
寒い日が続きますが、どうぞご自愛くださいませ。
来年も皆様にご満足頂けるよう従業員一同頑張っていきますので、宜しくお願い致します(*^^*)
皆様良い冬休みをお過ごしください♩
最後までご覧頂き、ありがとうございました!!!!!
執筆者プロフィール
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ウエディング・旅行業界で勤務後、株式会社三和鍍金に入社。
事務員として伝票発行や納期管理をする傍ら、サービス業で培った高いホスピタリティ(おもてなし精神)を活かし、三和鍍金に関わる全ての方々が気持ち良く過ごせるようなお客様対応を心がけている。
メッキについて初心者であることを活かし、「メッキ初心者の視点」で書いたコラムはいずれも高い人気を博している。
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