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columnメッキライブラリ

2020.02.19

【簡単解説】錆びやすい金属、錆びにくい金属

※2023年9月19日に加筆修正いたしました。

群馬県高崎市にある(株)三和鍍金、事務の根岸です。

今回は錆び(さび)のお話です。

弊社ではさび落としで酸洗いショットブラスト研磨等も承っておりますのでお気軽にお問合せ下さい

※腐食についてはこちらの記事もご参照ください。

また、YouTubeに錆び取りについての動画を公開しています。

こちらも併せてご参照ください。

日常生活で見かける金属品の錆び。

包丁やネジ、自転車のチェーンなど、もとは綺麗でピカピカだったのに

いつの間にやら錆びが発生していることがありますよね。

◇どうして錆ができてしまうのか?

空気中には酸素と水(水素)が存在します。

金属はその酸素と水に電子反応し、腐食がはじまり酸化が起きる事で錆が発生します。

◇鉄を例に見てみましょう 

鉄の元々の姿は酸化鉄と呼ばれるものです。

この酸化鉄から酸素のみを取り出した(還元)結果、となります。

元々の素材から人工的に酸素を取り出しているので、素材自体はとても不安定な状態となっています。

 こうして取り出したですが、

空気中の酸素・水と接触すると腐食(酸化)が始まり、やがて錆が発生し酸化鉄となります。

取り出した酸素がだんだんと時間をかけて戻っていくので、

素材自体は安定した状態となっていきます。

一般的な金属は、地球上に酸素と水がある限り錆を防ぐことは出来ません。

金属が錆ることは【元の姿に戻る】ことであり、自然界ではごく普通のことなのです。

 ◇錆やすい金属・錆びにくい金属

錆を完全に防ぐことはできませんが、金属により錆びやすいものとそうでないものがあります。

これを表にしたものをイオン化傾向といいます。

イオン化傾向が….

大きい金属  錆びやすい

小さい金属  錆びにくい

イオン化傾向が小さい金属のことを【貴な金属】といいますが、

金やプラチナなどのことを貴金属というのはここからきているようです。

(ちなみにイオン化傾向が大きい金属は【卑な金属】といいます)

金属を錆から完全に防ぐことは難しいのですが、錆を抑制することはできます。

それがめっきや塗装などのいわゆる表面処理となります。

表面処理で金属表面に耐食性をもたせ被覆することにより、

錆の発生を抑えて機能性を維持できるようにする目的があるのです。

ただ、実際には一口に「錆びにくさがほしい」と言っても品質要件からコスト、材質など諸条件が異なりますので

「耐食性」だけ求められていたとしても多角的なご提案が必須になってきます。 

弊社では耐食性(錆びに強くすること)を目的とした表面処理をいくつも扱っています。

塗装であればカチオン塗装、溶剤塗装、粉体塗装

メッキであればクロムメッキ、亜鉛メッキ

研磨であれば電解研磨、その他としては不動態化処理などなど

お客様の幅広いニーズに応え、様々な「錆びにくさ」を実現します。

たとえば「耐食性も必要だが寸法公差が厳しい」という場合は、塗装系の処理や膜厚が厚いメッキなどは適していないため、比較的膜厚が薄い亜鉛メッキや不動態化処理などが有効です。

「耐食性がかなり必要」という場合は通常耐食性目的で用いられる処理ですと要件を満たせない可能性が高いため、溶融亜鉛メッキや亜鉛ニッケル合金メッキなど、さらに強い耐食性をもつ表面処理を選択する必要があります。

お客様それぞれにおいて事情が異なると思いますので、些細なことでもお気軽にお問い合わせくださいませ。

PROFILE

根岸瞳
根岸瞳
ウエディング・旅行業界で勤務後、株式会社三和鍍金に入社。
事務員として伝票発行や納期管理をする傍ら、サービス業で培った高いホスピタリティ(おもてなし精神)を活かし、三和鍍金に関わる全ての方々が気持ち良く過ごせるようなお客様対応を心がけている。
メッキについて初心者であることを活かし、「メッキ初心者の視点」で書いたコラムはいずれも高い人気を博している。
三和鍍金Youtubeチャンネル
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