【微細】小さい部品のメッキ膜厚測定
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※2023年9月22日に加筆修正致しました。
皆さん、こんにちは。
群馬県高崎市で表面処理・分析サービスを行っている(株)三和鍍金の古島です。
弊社では表面処理以外にも塩水噴霧試験や膜厚測定、表面粗さ測定など幅広い分析サービスを行っておりますのでお気軽にお問合せ下さい
小さい部品の膜厚測定って可能なの?と思ったそこのあなた必見です!
実は難しいとされる微細部品、例えばネジ山やネジ側面などでも測定可能です。
びっくりですよね。
今回は微細部品に対しても可能な膜厚測定ついて解説させていただきます。
微細部品への膜厚測定
先述した通り、弊社では微細部品に対して膜厚測定が可能です。
具体的なサイズで言えば、0.1mmのネジ山も測定できます!
また、上から3番目のネジ山を測定してほしいなどお客様のご要望にもお応えいたします。
では、どのようにして測定をしていくのか膜厚測定の重要性とともに解説していきます。
・ネジ山の膜厚測定
まず初めに、ネジ山のメッキ膜厚についてご紹介いたします。
皆さんも一度はネジを回したことがあるかと思いますが、ネジは木材や金属材を止める時に使用しますよね。
その際、メッキの膜厚が厚すぎると相手のタップ穴部分に公差の関係でネジが入らなくなってしまいます。
また、逆に公差の問題をクリアしようとして膜厚を薄くつけすぎると、耐食性がなく錆の原因となってしまいます。
このようにネジ山のメッキ膜厚は非常にシビアなのです。
だからこそ、しっかり微細部品の膜厚測定をすることが重要なのです。
・ネジ側面の膜厚測定
次に、ネジ側面のメッキ膜厚について解説していきます。
ネジ側面とはネジ山を山と見立てた時の谷部分となります。
ネジ山と同様にネジの側面部も膜厚の厚みにより、公差や耐食性面で影響が出てきます。
電気メッキの場合、ネジ側面部よりネジ山の方が強電部となります。
つまり、ネジ山の方が膜厚はつきやすいのです。
そのため、ネジ山には膜厚が十分ついているが側面部分が基準値に達していなかったことがしばしばあります。
それは困りものですよね。
そこで弊社では、ネジ山に加えネジ側面の膜厚測定も行っているというわけです。
では、具体的にどのようにして測っていくのでしょうか。
ネジ山・ネジ側面の膜厚測定方法について下記の図でご紹介させていただきます。
①めっき等の表面処理を施したネジを樹脂の板に固定します
②ネジを固定用の樹脂板を研磨で削り、真っ二つにします
③切断面を正面から見たものです。
そして赤枠の部分を拡大したのが右の図です。
④めっき箇所の膜厚を顕微鏡で観察し測定します
ネジ山の場合はオレンジ色、ネジ側面の場合は青色の箇所を測定します
微細部品のその他試験
弊社ではほかにも塩水噴霧や表面粗さ試験、硬度測定を行っておりますが、こちらの試験は微細部品の対応は可能なのでしょうか。
結論から申し上げますと、塩水噴霧試験は可能で、硬度測定は不可能となります。
硬度測定の測定ができない理由は、製品が小さすぎてしまい、測定機械に固定できないからです。
塩水噴霧試験について詳しく知りたい方は下記コラムをご覧ください。
測定結果
測定結果後は測定結果を報告書にまとめさせていただきます。
また、結果に基づいた傾向を写真や数値データを用いてわかりやすく解説いたします。
さらにご参考までに簡単なご提案をさせていただきます。
測定後の製品
先述いたしました通り、ネジ等の微細部品を樹脂で固定し研磨で削ってしまうため、
膜厚測定をしたものを製品として再利用することはできません。
※測定後の製品をお客様に返却することは可能です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は微細部品に対しての膜厚測定について解説させていただきました。
普段から蛍光X線膜厚測定や電解式の膜厚測定をされている方でも、ネジ形状などの微細部に対してのメッキ膜厚が測れることはできないと考えていたのではないでしょうか。
また微細部品はサイズが小さい、測定箇所が難しくて対応できないなど断られてしまったかたもいるのではないでしょうか。
弊社では微細部品への膜厚測定を実現いたします!
弊社では膜厚測定をはじめ、塩水噴霧試験や表面粗さ測定も行っております。
また、めっきや塗装、研磨など50種類以上の各種表面処理から表面粗さ測定や塩水噴霧試験などの表面処理後の各種分析まで当社で一括しておこなうサービスも行っております。
そのため、表面処理と分析測定の両方の視点からアドバイスをすることが可能です。
お悩みの際は、ぜひ一度ご相談ください。
執筆者プロフィール
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ソフトウェア開発会社にプログラマーとして在籍後、株式会社三和鍍金に入社。現場で経験を積み、現在は営業職に従事している。
表面処理については継続的に勉強中であり、0から学びたい方や調べてみたけどよくわからない方に寄り添った内容を心がけている。
ユーザーの要望や需要に沿ったソフトウェアの開発経験を活かし、メッキライブラリにおいてもユーザーニーズを満たす記事を目指す。
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