【言われてみれば】鋼材の黒皮ってなに?
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※2023年9月19日に加筆修正いたしました。
群馬県高崎市にある(株)三和鍍金、事務の唐澤です。
今回は、表面処理の際に障害となる、“黒皮”についてご説明します。
弊社では黒皮を除去する際にショットブラストや酸洗い処理をするのですが
弊社ではショットブラスト、酸洗い共に処理が可能ですのでお気軽にお問い合わせください
黒皮についてYouTubeにて動画を公開しています。
こちらも併せてご参照ください。
■黒皮とは
黒皮(ミルスケール)とは、熱間圧延で作られた鋼板(熱間圧延鋼板)などの表面を覆っている酸化皮膜のことです。
※圧延加工についてはこちらのコラムをご参照ください。
ここでの酸化被膜とは酸化鉄のことで、熱間圧延加工の際、鋼材が冷める時に発生する黒錆こそが黒皮の正体です。
■黒皮材とミガキ材
1.黒皮材
黒皮材とは、先ほどご説明した”黒皮”で覆われた状態の鋼材で、表面の精度は低く、凹凸があります。
2.ミガキ材
黒皮材とよく比較されるのが、ミガキ材です。
ミガキ材とは、熱間圧延鋼材を冷間圧延加工によって再度加工したもので表面に黒皮はありません。
表面がつるつるしていて、精度もある程度高くなっています。
黒皮材にそのままメッキを付けたらどうなるか?についても別コラムやで紹介しておりますので、ご覧ください。
■黒皮の除去
黒皮状態のまま、メッキや塗装をすると密着性が悪く、メッキ未着やメッキや塗装の剥がれ等の不良が発生してしまいます。
そこで弊社では下記のような黒皮除去を行っております。
黒皮除去は酸洗い(塩酸等の酸溶液を用いて黒皮を溶かして除去する)でおこなう場合もありますが、
酸洗いに不向きな形状の物などは、物理的な処理方法である研磨で除去する場合もあります。
他にもショットブラストで除去する方法もございます。
また、ショットブラストは黒皮を除去をしながら製品表面を梨地仕上げに出来るため、まさに一石二鳥の処理です。
そのため、ビジネスチェアの脚部やテーブル脚のような外観部品にショットブラストで黒皮を落としてからメッキや塗装をする製品も弊社では数多く扱っております。
酸洗い処理について詳しくご説明した記事もありますので、ご覧下さい。
黒皮除去の必要性が分かるYouTubeもございますので、ご覧ください。
■最後に
(株)三和鍍金ではめっきや塗装だけでなく、酸洗いやショットブラストなどの前処理も行っております。
お気軽にご相談下さい。
弊社酸洗いの対応寸法などはこちらからご覧いただけます。
執筆者プロフィール
- 金属表面処理の様々な疑問・基礎知識や、創業から70年以上培ってきたノウハウについて「誰にでもわかりやすく」をモットーに執筆しています。
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