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【実験】カチオン電着塗装の絶縁性【動画解説】

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  • 更新日:

※2023年9月19日加筆修正致しました。

群馬県高崎市の表面処理業者、(株)三和鍍金と申します。

本コラムは事業統括部の柳沢が解説いたします。

今回のテーマは「カチオン電着塗装の絶縁性」です。皆さま「カチオン塗装」はご存知でしょうか。

弊社ではカチオン電着塗装を数多く行っておりますのでお気軽にお問合せ下さい

ご存知でない方もいらっしゃるかと思いますので、そういった方は先にこちらのコラムをご覧ください。

さて、上のコラム内ではカチオン塗装の絶縁性について触れていなかったと思いますが

それは実際のところ、カチオン塗装に絶縁性があるのかないのか、グレーだからです。

ネットや文献にはどちらの意見も散見しますし、どちらも納得する趣旨となっています。

では我々が実験してしまおう!

ということで、実験の動画を品質管理の鈴木と撮影しまして、YouTubeに公開しました。

こちらのコラムはその動画の詳しい解説となります。

お読みになる前に是非、下記動画をご覧ください!

実験概要

1、準備するもの

まず、実験にあたって用意したものを下記に羅列します。

テストピース:100mm×40mmほどの鉄材にマスキング処理を行い、片方だけカチオン電着塗装をしたもの

豆電球キット:鈴木が自作。学校の理科の授業で扱うようなシンプルな回路で組まれた豆電球キット。

左右のピンで通電性のあるものを挟めば豆電球が点灯、非通電性であれば消灯したままになる。

鈴木:品質管理係係長。表面処理はもちろん、機械関係にも精通している。

柳沢:事業統括部所属。今回のカメラマン兼編集者。

※写真は割愛いたします。

2、当社の仮説

今回の実験は非常にシンプルなもので、上の豆電球キットの説明通り、豆電球の点灯の有無でピンで挟んだものの導電性がわかるというものです。

イレギュラーな場合を除き、鉄や銅、アルミなど電気が通るものを挟めば豆電球が光るわけです。

実験前の我々の仮説は「カチオン塗装は絶縁性がある」というものでした。

したがって、結果予想は「素地状態の部分(グレー部分)を挟めば通電し電球は点灯、カチオン塗装部分(黒色部分)を挟めば通電しないので電球の点灯は起こらない」でした。

3、実験結果

動画のオチになるわけですが、上の予想通り

「グレー部分を挟んだ時点灯、黒色部分を挟んだ時は消灯したまま」という結果でした。

したがって「カチオン塗装には絶縁性がある」と言えます。

が、

なぜ「カチオン塗装に絶縁性がない」という意見が散見できるのでしょうか。

カチオン塗装の絶縁性が孕む矛盾

当社は実際の試験においてカチオン塗装に絶縁性があることを証明しましたが、

たしかによく考えてみるとおかしな部分があります。

矛盾① 「絶縁性」は皮膜成長を阻害しないのか

カチオン塗装はその正式名称「カチオン電着塗装」からお分かりの通り、電気を使って塗膜を形成させる塗装になります。

皮膜の形成は一瞬で行われるものではなく、だんだんと厚くついていくわけですが、

「皮膜が成長する→皮膜があるにもかかわらず通電している」ということになりますよね。

じゃあカチオン塗装に絶縁性はないのでは・・・?

となるわけです。

矛盾② 製品の重さと治具の接点

当社ではカチオン塗装に治具と呼ばれる器具を使用します。

こちらの動画で詳細がご覧いただけます。

ご覧になっていただきお分かりいただけたかと思いますが、治具にも製品と一緒に塗装が施されるわけです。

カチオン塗装が絶縁性を持つならば、治具についた塗膜を除去しないと次の塗装ができないはずですよね。

実際当社でもカチオンの治具剥離というものはショットブラストを用いて「頻繁に」行っています。

頻繁に・・・?

そうです。

カチオン塗装後だからといって、全ての治具を剥離しているわけではないのです。

では、どういう場合が剥離せず次の塗装にそのまま使えるかというと、

その基準は引っかける製品の重さに依存しています。

重い製品はそれだけ接点に負荷がかかり、接点部分の塗膜が削られるためそのままの使用で問題なく塗装できるという理論です。

実は問題があるんじゃないか!?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、

カチオン塗装の場合、通電不良というのは非常にわかりやすいもので、仕上がりが茶色や素地の色のままであるなど、表面の色の変化で判断ができます。

治具をそのまま使用した場合も特にそのような通電不良の傾向はみられません。

「カチオン塗装は絶縁塗装だが、接点の塗膜が削られるのでそこから通電する」なんて嘘みたいな話ではありますが、

(※というのも、基本的に引っ掛けるとき治具にゴリゴリ擦りつけるわけでもなく、ただグッと固定するのみなのです。削られなさそうなので通電もしなそうに思えます。)

なんら問題なく処理が出来ている実状があるのです。

剥離せずそのまま使用し続けている治具例

矛盾とどう向き合うか

矛盾②に関しては一応ではあるものの「カチオン塗装自体は絶縁性があるが、治具接点部で塗膜が削られるため通電する」という解決がなされています。

矛盾①に関して解決するとしたらどう考えればいいでしょうか。

化学反応にあたって、多くの場合あわ(気泡)が発生します。

それは酸素であったり二酸化炭素であったり様々ですが、その泡はカチオン塗装の処理中も発生しています。

その泡が原因の可能性がございます。

以下、想定のフローになります。

①カチオン塗装の処理中、気泡が発生

②それが製品の塗膜に無数の穴を形成 ※処理中はこの穴を以て通電、塗膜が成長する

③乾燥機内で塗膜表面が溶解し穴が消滅 ※以後電気は通らない

当社の見解とまとめ

以上を踏まえまして当社の見解を述べますと、先の動画のオチ通り「カチオン塗装に絶縁性はある」という結論になります。

ただし、絶縁性を目的とした処理はあまり実績がございませんので、もしそういったお客様がございましたら

試作対応をしつつ検討させていただければと思います。

難しい説明が多くなってしまったかと思いますが、ご不明点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。

執筆者プロフィール

柳沢 寛太
柳沢 寛太
新卒として入社後、現場での業務経験を活かし現在は営業として活動しながらコラムを執筆。塾講師・家庭教師の経歴から、「誰よりもわかりやすい解説」を志している。
また、多数の人気コラムを生み出すだけでなく、YouTubeの元編集者・現プレスリリース執筆者。コラム・YouTube・広告等のプロモーションを手掛けた本HPは流入ユーザー数前年比1,150%アップという偉業を達成した。
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