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【簡単解説!】成分分析・化学分析について

  • 公開日:
  • 更新日:

※2023年9月22日に加筆修正致しました。

皆さん、こんにちは。

群馬県高崎市で表面処理・分析サービスを行っている(株)三和鍍金の古島です。

 

今回は成分分析・化学分析について解説いたします。 

弊社では表面処理以外にも塩水噴霧試験や膜厚測定、表面粗さ測定など幅広い分析サービスを行っておりますのでお気軽にお問合せ下さい

と言われても、成分分析って何?、化学分析って何?とそもそもどのようなものなのか疑問に思う方も多いかと思います。

そこで今回は分かりやすく成分分析・化学分析の中でも製品分析をメインに解説していきます。

 

成分分析(化学分析)とは?

成分分析(化学分析)とは、その名の通り「あるものに対してどのくらいその成分が含まれているのか」や「成分を元にそれはいったい何なのか」分析・検査することです。

例えば、刑事ドラマなどで服についたシミや睡眠薬が投与されたかどうか分析をして真相究明しているシーンがありますよね。

実はこのように普段目にしているものが成分分析・化学分析なのです。

また、元素分析なども成分分析の一種です。

ですが、当社三和鍍金が行っている成分分析・化学分析は上記したものとは少し異なり、金属・樹脂材料含有成分や表面処理後の特定化学物含有量などを分析する製品分析をメインに分析や検査をしています。

では具体的にどのような成分分析(化学分析)が出来るのか見ていきましょう!

成分分析の種類

弊社で行っている成分分析の中から今回は3つご紹介いたします。

下記の製品分析以外の成分分析も行っておりますので、ご相談ください。

<製品分析>

・RoHS/ELV分析

 昨今RoHS指令、ELV指令など規制が増々厳しくなっていく中で、メッキや塗装の表面処理後の製品に環境負荷物質が含まれていないかを調べる分析です。

RoHS規制とは【電子・電気機器等に含まれる特定有害物資の使用制限】を定めたEUの法令・規制の事です。

詳しくは下記コラムにてご紹介しておりますので、ご覧ください。

 

ELV指令とは【自動車廃棄物の削減と自動車廃棄に伴う環境負荷物質の使用制限】を定めたEUの法令・規制の事です。

どちらとも指令対象はEU加盟国のみとなっていますが、日本からEU加盟国に製品を輸出する際もRoHS指令・ELV指令に定められた条件を満たしていないといけない為、日本国内での生産に大きく関わってきます。

  

・有機スズ分析

カチオン電着塗装では塗料の中にスズが含まれていることが多いです。

スズ化合物の塗料内含有量は0.5~2%、塗膜含有量は1000ppm以下と物凄く僅かな量ですが、REACH規則など使用規制が定められています。

※ppm=パーツパーミリオン(100万分の1)

当社ではカチオン電着塗装の塗料で使用されているジブチルスズ、ジオクチルスズはもちろんのこと、ゴムに使用されているジフェニルスズやトリブチルスズ、トリフェニルスズなどの成分分析、化学分析も可能です。

また、弊社ではジブチルスズフリー・鉛フリーの環境にやさしいカチオン電着塗装を行っておりますので、REACH規則などの規制関係でお悩みの方は是非ご相談ください。

REACH規則、スズに関して下記コラムで解説しておりますので、ご覧ください。

  

・リン(P)分析

リンは電解研磨や無電解ニッケル、ニッケルメッキと様々な表面処理工程で使用されております。

そしてリンの含有率により表面処理後の製品の機能性が著しく変化する場合があります。

そのため、一般的に耐食性試験である塩水噴霧試験などと同じく信用性試験としてリン含有率を元素分析することがあります。

※塩水噴霧試験に関しては下記コラムで紹介しておりますのでご覧ください。

その中でも無電解ニッケルはリンの含有量に応じて下記のようにタイプが分かれております。

<低リンタイプ>

リン含有率:1~4%

硬度(Hv)は700程度と非常に硬く、耐食性は他と比べありませんが耐摩耗性に優れております。

また、電気抵抗率が低いです。

<中リンタイプ>

リン含有率:5~9%

硬度(Hv)は600程度と硬く、耐食性、耐摩耗性ともに優れております。

汎用的な機能性をしているため、基本的にはこの中リンタイプを使用することが多いです。

また、一般的に使用されている「無電解ニッケル」とは中リンタイプのことを指します。

<高リンタイプ>

リン含有率:10~13%

硬度(Hv)は500程度で、非常に耐食性に優れております。

他のタイプと比べて、比較的値段が高くなります。

※リン含有率は処理メーカー様によって変動があります。

このようにリン含有率が数パーセント変化しただけで機能性に違いが出ます。

そのため、製品が要求されている品質を満たしているのかを元素から分析し、信用性を確保する必要があります。

※無電解ニッケルの槽の写真です

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は成分分析・化学分析とは何か、主な成分分析の種類など基礎的な知識をご紹介させていただきました。

また、上記の製品分析以外の成分分析も行っておりますのでご相談ください。

その他塩水噴霧試験や膜厚測定、表面粗さ測定などの幅広い分析も行っておりますので、是非ご相談ください。

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執筆者プロフィール

古島 義樹
古島 義樹
ソフトウェア開発会社にプログラマーとして在籍後、株式会社三和鍍金に入社。現場で経験を積み、現在は営業職に従事している。

表面処理については継続的に勉強中であり、0から学びたい方や調べてみたけどよくわからない方に寄り添った内容を心がけている。

ユーザーの要望や需要に沿ったソフトウェアの開発経験を活かし、メッキライブラリにおいてもユーザーニーズを満たす記事を目指す。
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