硬度とは?ロックウェル硬さとビッカース硬さについて解説!
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皆様、こんにちは。
群馬県高崎市にて表面処理を手掛ける、株式会社三和鍍金と申します。
今回は、工業材料などの硬さを示す「硬度」について詳しく解説いたします。
硬度は、工業材料の性能を評価する上で欠かせません。
ロックウェル硬さとビッカース硬さは、最も広く使用されている硬度測定法であり、それぞれの特徴によって異なる用途や材料に適用されています。
この記事では、これらの硬さ試験の原理と適用範囲を詳しく解説し、製造業における品質管理や材料選定に役立つ情報を提供します。
ぜひ、硬度の理解を深めて、最適な工業材料を選びましょう。
三和鍍金ではメッキを含む50種類以上の表面処理を手掛けております。
お見積もりのご相談など、お問い合わせはお気軽にどうぞ!
硬度とは
硬度とは、物質(特に工業材料)の硬さを表す尺度です。
この尺度を用いて、材料がどれだけの圧力に耐えられるか、どの程度摩耗や変形に強いかを判断します。
最も一般的な硬度の測定方法には、ロックウェル硬さとビッカース硬さなどがあります。
これらの方法では、特定の荷重を材料に与えて、その後の材料の反応や変形の状態を計測することによって、硬度を定量的に表すことが可能です。
この数値は、材料選びや品質管理の際に重要な判断基準となるでしょう。
ロックウェル硬さは特に迅速な測定が可能で、工業生産現場でよく利用されていますが、ビッカース硬さは適用範囲の広さから、多様な材料に対して有効です。
硬さ試験
硬さ試験は、材料の表面がどの程度硬いかを数値で示すための方法です。
特に、金属やセラミックなど、耐久性が求められる工業材料において、硬さを正確に評価することは、製品の性能や品質を保証する上で欠かせません。
硬さ試験には、大きく分けて「押し込み試験法」と「動的硬さ試験法」の2種類があります。
押し込み試験法では、ダイヤモンドや焼き入れ鋼などの硬い圧子を試験片に押し付け、圧痕の深さや表面積から硬さを測定します。
一方、動的硬さ試験法は、一定の重さのハンマーを材料に衝突させ、跳ね返りの高さなどで硬さを測定する方法です。
このように、硬さ試験は使用する圧子や試験力、試験片の特性によって異なる種類があり、材料の用途や形状に応じて適切な試験方法が選ばれます。
ロックウェル硬さ
ロックウェル硬さ試験は、硬さを測定する方法の1つで、熱処理された金属部品に適用されることが多いです。
この試験では、圧子としてダイヤモンドの円錐形またはタングステンカーバイド製の球が使用され、試験片に対して一定の荷重をかけて圧痕を作ります。
硬さは、基準荷重と試験荷重をかけた際の圧痕の深さの違いによって計測され、その値から硬さが求められるのです。
ロックウェル硬さ試験のメリットとして、操作の容易さや速やかな測定が可能である点が挙げられます。
また、比較的小さな圧痕で測定できるため、試験片の表面が少なくとも視認できる範囲で損傷することがありません。
このようにロックウェル硬さ試験は、製造現場での迅速な品質管理に非常に有効であるとされています。
ビッカース硬さ
ビッカース硬さ試験は、幅広い硬い材料の硬さを測定するための一般的な方法です。
この試験では、角錐形のダイヤモンド製圧子を使用し、材料表面に圧痕をつけます。
その後、顕微鏡を用いて圧痕の対角線の長さを精密に測定し、その面積から硬さを算出します。
特に金属材料だけでなく、表面硬化材や溶接部分など、様々な材質の硬さ測定に適しています。
マイクロビッカース試験は、さらに細かい力で圧痕をつけるため、非常に小さい試験範囲の硬さも正確に評価することが可能です。
この試験は、正確性と広い範囲で応用できることから、製造業での品質管理や材料研究に不可欠です。
研磨された試験面に微細な圧痕をつけることで、材料の本質的な特性を明らかにできます。
主な工業材料の硬度
工業材料の硬度は、材料の用途や加工方法に応じて幅広く異なります。
以下に、代表的な工業材料のビッカース硬度、HRA(ロックウェル硬度A)、HRC(ロックウェル硬度C)を表にまとめました。
これにより、各材料の硬度の目安が一目でわかります。
材料名 | ビッカース硬度(Hv) | HRA | HRC |
ダイヤモンド | 8000~10000 | – | – |
CBN | 4700~5000 | – | – |
コーティング被膜 | 2800~3500 | – | – |
超微粒子超硬 | 1700~1900 | 91~92 | 78~80 |
サーメット | 1100~1400 | 87~89 | 70~75 |
一般超硬 | 1000~1500 | 86~90 | 69~75 |
高速度鋼(HSS) | 850~950 | 84~85 | 66~67 |
炭素鋼 | 650~700 | 80~81 | 58~60 |
ステンレス鋼 | 600~650 | 79~80 | 56~58 |
銅・真鍮 | 80~140 | – | – |
アルミニウム | 50~100 | – | – |
硬度を目的として行う表面処理
硬度は、基本的に各工業材料が持つ特性ですが、表面処理によって付与することも可能です。
以下に、弊社が対応できる硬度を目的として行う表面処理を表にまとめました。
これにより、各表面処理の硬度が一目でわかります。
表面処理名 | ビッカース硬度(Hv) |
PVDコーティング | 3000前後 |
硬質クロムメッキ | 800〜1000 |
無電解ニッケルメッキ+ベーキング処理 | 800〜1000 |
無電解ニッケルメッキ | 500~800 |
タフトライド処理(イソナイト処理) | 570前後 |
硬質アルマイト | 450~500 |
PVDコーティングは、工業材料の超微粒子超硬よりも硬度が高く、硬質クロムメッキでも炭素鋼やステンレス鋼よりも硬度が高いことが表を見てわかります。
工業材料の硬度に不安がある場合などは、表面処理を施すことを検討してください。
弊社にご相談いただければ、工業材料と表面処理の相性も考慮して最適な内容をご提案させていただきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、ロックウェル硬度とビッカース硬度という2つの代表的な硬度について解説しました。
ロックウェル硬さ試験は、迅速かつ効率的に硬度を測定できるため、製造現場での品質管理に適しています。
一方、ビッカース硬さ試験は幅広い材料に対応でき、精密な測定が可能であるため、さまざまな材質や複雑な部位の硬度測定に役立ちます。
これらの試験は、製品の信頼性や性能を向上させるために欠かせないものであり、材料の特性に応じた適切な方法を選択することが重要です。
弊社、株式会社三和鍍金では、創業から70年以上表面処理に携わり、 表面処理以外にも塩水噴霧試験や膜厚測定など幅広い分析サービスも行っております。
メッキ関連の表面処理に迷った際には、お見積もりのご相談など、お気軽にお問い合わせください。
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