columnコラム[めっきニュース]

2020.10.14「鉄」と「鋼鉄」

 

 

事業統括部の柳沢です。

 

 

今回のコラムでは、「鉄」について基本的な部分をまとめました。

 

 

皆さんも聞き馴染みがあるであろう「鉄」ですが、

 

 

身の回りに溢れているにもかかわらず、意外とご存知ない事柄があるかもしれません。

 

 

 

 

「鉄」と「鋼鉄」の違い

 

 

 

 

鉄と鋼鉄(鋼を指す)には明確な違いがあります。

 

 

どちらも鉄鉱石から作られ、鉄と炭素によって構成されていることは共通していますが、それぞれ炭素量が異なります。

 

 

炭素量と強度は比例しますが、炭素量と靭性は反比例します。

 

 

したがって、炭素量が多ければ多いほど良いというわけではありません。

 

 

鉄を使う目的に応じて強度と靭性のバランスを調整することが必要になります。

 

 

 

炭素含有量と強度と靭性のグラフ

 

 

 

実は、一般的に、純度の高い「鉄」は酸化しやすく柔軟性に乏しいと言われています。

 

 

その脆さを補填するために炭素量を増やした合金のことを「鋼鉄」と呼ぶのです。

 

 

つまり、皆さんの周りに溢れている鉄と呼ばれるものは、実際はこの「鋼鉄」を指すことがほとんどです。

 

 

 

SS材とSC材

 

 

鋼材の中でポピュラーなものといえば、SS材とSC材です。

 

 

SS材はSteel Structureの略、SC材はSteel Carbonの略で、それぞれJIS規格に則っています。

 

 

SS材は強度規定による規格でありSC材は炭素含有量規定による規格です。

 

 

 

 

それぞれ詳しくみていきましょう。

 

 

 

 

SS材(一般構造用圧延鋼材)

 

 

 

ビルに使われるSS400

 

 

SS材の中にも細分化された沢山の種類の鋼材がありますが、

 

 

その中だけではなく、鋼材全般において最も使用されているといえるのがSS400という鋼材です。

 

 

ビルや橋などの大型建造物の他、様々な分野で用いられます。

 

 

SSのあとの数字は保証されるべき下限の引っ張り強さ(N/mm2)を指しています。

 

 

形状も多様なものが豊富に出回っていて、且つ比較的安価なので、幅広く普及している鋼材です。

 

 

炭素含有量はおよそ0.15%ほどですが、SS材は成分規格がないため、溶接等の熱処理には不向きと言われています。

 

 

 

 

SC材(機械構造用炭素鋼鋼材)

 

 

 

S45Cが使用されている機械

 

 

 

SC材もSS材と同様に種類は数多ありますが、最も用いられているのはS45Cです。

 

 

主に機械部品に用いられます。

 

 

こちらに出てくる数字は炭素含有量を示しているので、S45Cの炭素含有量は0.45%ほどとなります。

 

 

また、先のSS400と比較すると、硬度や強度、加工性や品質などはSS400より優れていますが、代わりにコスト面において劣ります。

 

 

さらに、炭素含有量による規定がなされているので、熱処理に適しています。

 

 

 

熱処理が必要あるいは高品質な重要部品にはSC材、汎用性と低コストを求める場合はSS材というように、

 

 

素材選びはまさに「適材適所」と言えます。

 

 

 

まとめると以下のようになります。

 

 

 

「鉄」と「鋼鉄」まとめ

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