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columnメッキライブラリ

2023.05.16

【梨地】めっきや塗装を半光沢にしたい

※2023年9月22日に加筆修正致しました。

皆さん、こんにちは。

群馬県高崎市倉賀野町に住所を置いております、(株)三和鍍金です。

今回は私、古島が担当させていただきます。

弊社では50種類を超える表面処理を取り扱っておりますのでお気軽にお問合せ下さい

今回のテーマは「めっきや塗装を半光沢にしたい」です。

日頃、お客様のお悩みを聞いていると既にめっきや塗装処理されている製品、またはこれからめっきや塗装処理に対して光沢をなくしたい、梨地調にしたいという声を多く聞きます。

そこでどのような処理で艶消しの色味を出せるのか例を挙げ、ご紹介していきますので、参考にしていただければと思います。

では行ってみましょう!

 

※下記コラムでマットな外観仕上げの半光沢クロム・半光沢ニッケルについてご紹介しておりますので、一度ご覧ください。

梨地・半光沢とは

まず初めに、梨地・半光沢について解説して行きます。

梨地とは読んで字のごとく、果物の梨のように表面をざらざら荒らした状態のことです。

梨地や半光沢にする目的は多々ありますが、その多くは意匠性かと存じます。

ツヤのある光沢を抑え、上品で高級感のある大人な雰囲気を外観や質感で醸し出したい場合や、医療製品や撮影機器等で、金属の反射が困るために梨地や半光沢にする場合があります。

その他にもアンカー効果の付与で密着性の向上など機能面で使用されることもあります。

 

表面を梨地にするため、ショットブラストなどの梨地仕上げをおこないます。

ショットブラストを始め、処理方法は幾つも種類があり、大きく分けて機械的方法と化学的方法があります。

また、投射材(メディア)の種類や噴射速度などを調整し、表面の粗さや光沢度合いをコントロールできます

※梨地(梨地仕上げ)について下記コラムで詳しく解説しておりますので、是非ご覧ください。

 

次に半光沢についてです。

察しの良い方はもうお気づきかとは思いますが、半光沢とは光沢の度合いのことです。

上記の梨地仕上げによって半光沢にすることも可能ですが、梨地ではなくそのままの素地状態で光沢を落としたい、つまりは半光沢にしたい場合はメッキや塗装の光沢剤を抑えて処理することが可能です。

梨地・半光沢のオススメ処理法

ここからは梨地と半光沢の見た目に出来るメッキ・塗装をご紹介いたします!

 

<梨地>

1. 塗装(粉体塗装・溶剤塗装)

可能な材質:金属全般

塗装の前に梨地仕上げを行うことにより、金属表面のような雰囲気となります。

塗装をオススメする理由は何と言っても選択できる色の幅が他の処理と比べて格段に多いということです。

そのため、お客様のご希望の色に合った調色が出来ることが特徴です。

2. 電解研磨

可能な材質:ステンレス、アルミ、チタン

研磨と梨地、真逆の表面状態ですが電解研磨では梨地処理をした後に研磨をすることが数多くあります。

そのほとんどが医療関係の製品です。それはなぜでしょうか。

 

例えば手術をする際、手術道具が乗っている台の光が反射し、眩しいと手術の妨げになってしまいます。

そこで、表面を梨地にすることで光の反射を抑えて、手術が円滑に進められるようにしているのです。

このように梨地にすることは見た目だけでなく、機能性でも求められることがあります

 ※右:電解研磨               左:ショットブラスト+電解研磨

 

<半光沢>

3. 低温黒クロムメッキ

可能な材質:鉄、ステンレス、銅、真鍮、アルミ

昨今、表面処理で注目されているのが黒色となります。

そして、黒クロムメッキや黒ニッケルメッキなど光沢のあるものの光沢をなくしたいというお声をよく耳にします。

そこで半光沢の黒色でオススメなのが、低温黒クロムメッキです。

 

黒クロムメッキから低温黒クロムメッキに変更することにより、

膜厚は同程度でありながらクラックやピンホールを可能な限りなくし、耐食性を向上させることが可能です。

4. 半光沢ニッケルメッキ

可能な材質:鉄、真鍮、銅、ステンレス、アルミ、亜鉛ダイカスト

耐食性を保持したまま光沢を無くしたい場合に半光沢ニッケルメッキは用いられます。

無光沢ニッケルメッキでも耐食性を保持したまま光沢を無くことは可能ですが、一度汚れや指紋がついた箇所は消すことが難しく、その痕が目立ってしまいます。

また、半光沢ニッケルメッキはバレル方式での処理も可能ですので、形状によっては比較的コストを抑えることも可能です。

はんだ性にも優れていることから主に電子部品に使用されます。

 

半光沢ニッケルメッキは前処理で梨地処理を行うことにより、さらにマットな外観にすることが可能です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

梨地や半光沢に対する表面処理を紹介させていただきましたが、

梨地処理を行ってから、メッキや塗装をする場合、多くのメッキ・塗装屋は表面を梨地にする設備を保有しておらず、前処理の梨地処理と後処理のメッキ・塗装を別々の会社に頼まなくてはいけません。

そのため、納期や品質等の管理が難しいかと思います。

 

しかし、弊社では前処理の梨地処理から後処理のメッキ・塗装まで一括で対応可能です。

短納期・高品質での処理をお求めなら是非弊社三和鍍金までお問い合わせください。

 

 

PROFILE

古島 義樹
古島 義樹
ソフトウェア開発会社にプログラマーとして在籍後、株式会社三和鍍金に入社。現場で経験を積み、現在は営業職に従事している。

表面処理については継続的に勉強中であり、0から学びたい方や調べてみたけどよくわからない方に寄り添った内容を心がけている。

ユーザーの要望や需要に沿ったソフトウェアの開発経験を活かし、メッキライブラリにおいてもユーザーニーズを満たす記事を目指す。
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