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columnメッキライブラリ

2022.11.28

【表面処理に孔?!】ポーラスとは

皆さんこんにちは!

群馬県高崎市にございます(株)三和鍍金 事務の根岸と申します。

気付けば今年も残り1か月…。

やり残したことはございませんか(^^)?

年末に向けだんだん忙しくなると思いますが、体調崩さぬよう気を付けてお過ごしください♩

さて!今回は[ポーラス]についてお話していこうと思います。

ポーラスってあまり聞きなれないと思うのですが、意味や表面処理との関係も交えながら、ご紹介できればと思います。

それでは、いってみましょう♩

◆ポーラスとは

【ポーラス―Porus-】:多孔質 多孔

簡単に言うと多数の孔(あな)です。巣穴です。

表面処理された金属皮膜上に小さな孔が出来ている状態のことを指します。

ポーラスと似た言葉で、以下の単語もあります。

【ピンホール―Pinhole―】:針で突いたような小さい穴

素地の欠陥やメッキ工程前の前処理不足が原因で、その部分だけメッキがつきません。

素地まで貫通している孔のことを指します。

【クラック―Crack―】:ひび割れ 裂け目 割れ目

上記2つの孔とは違い、無方向に広がるひび割れのことを指します。

一般的には建築業界などで主に使われている用語です。

(たまにひび割れている外壁を見かけませんか?あの‘ひび割れこそクラックです’。)

3つに共通して言えるのが、[目視するのは非常に難しい]ということです。

顕微鏡で拡大してみないと分からないレベルです。

また一見全て不良のように思えますが、ピンホールは素地の状態や脱脂不足などが原因であるのに対し、ポーラスとクラックは金属の性質として起こりうるものなので、メッキ表面には通常に存在していると言えます。

メッキされる金属皮膜は、原子を積み重ねて微細な結晶を作り出す力が生じております

この力のことを[内部応力]とい言います。

ニッケルやクロムなど硬い皮膜ほど内部応力が大きくなり、皮膜自体が縮まろうとして上に引っ張られる方向に動きます。この縮まり上に引っ張られる力のことを[引張応力]と言います。下方向に押し付けられるように動く力[圧縮応力]と言います。

ニッケルやクロムとは逆に、錫や亜鉛メッキ皮膜などの柔らかい皮膜は、内部応力は小さいと言われております。

クロムメッキは特に引張応力が大きいことで知られているのですが、この引張応力を緩和するためにポーラスやクラックが生じていくのです。

(引張応力で製品が反っていくのを宥めるような感じで金属皮膜が裂けていきます。この‘裂け’こそがポーラスやクラックの正体です!)

ただし、ポーラスやクラックが生じて素地まで届かないようにするために、下地に半光沢ニッケルメッキ→光沢ニッケルメッキなどを施します。

◆ポーラスの存在意義

では、この一見[不良]としか思えないポーラス

メッキをする上で意味があるのでしょうか…(と、不安になりますよね。)

先述した通り、メッキ処理をすると表面にはポーラス(孔)が必ず存在します。

‘ひび割れ’の状態ですから、通常であれば腐食の原因となります。

しかしこのポーラスに潤滑油を浸み込ませ、製品に油を保持させることにより、耐摩耗性に優れるという利点があるのです。

特に硬質クロムメッキは機械のモーター部品やシャフトなど、耐摩耗性を必要としている部分に処理が施されます。

硬質クロムメッキはクラックやポーラスも多く生じる分、潤滑油が保持され製品の寿命が長くなるので、製品に対してはとても良いことなのです。

◆マイクロポーラスクロムメッキとは

ポーラスの必要性が分かったところで[マイクロポーラスクロムメッキ]についてお話していこうと思います。

今までお話してきたポーラスとは違い、今度は意図的にポーラスを作る方法です。

マイクロポーラスクロムメッキはメッキ液の中に非電導性微粒子を入れ、ポーラスを顕在化させる方法です。均一に孔を存在させ、潤滑油を満遍なく保持させることにより耐摩耗性がグッと上がります。

このポーラス(孔)の大きさがマイクロサイズなので[マイクロポーラスクロムメッキ]と呼ばれております。

◆まとめ

いかがでしたでしょうか?!

ポーラスやクラックは良くないものとして囚われがちですが、実は存在しても良いものであり、さらに言えば製品によっては‘わざと存在させる程ほしいもの’でもあることが分かりましたね。

メッキのことで分からないこと、気になることがございましたらお気軽にご相談ください。

メッキのプロが、お客様に合った方法を提案させて頂きます!!

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PROFILE

根岸瞳
根岸瞳
ウエディング・旅行業界で勤務後、株式会社三和鍍金に入社。
事務員として伝票発行や納期管理をする傍ら、サービス業で培った高いホスピタリティ(おもてなし精神)を活かし、三和鍍金に関わる全ての方々が気持ち良く過ごせるようなお客様対応を心がけている。
メッキについて初心者であることを活かし、「メッキ初心者の視点」で書いたコラムはいずれも高い人気を博している。
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