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columnメッキライブラリ

2023.10.31

【レアメタルのリサイクル】都市鉱山の使用済み製品からのレアメタル回収

皆様、こんにちは。

群馬県高崎市で表面処理を行っております。株式会社三和鍍金です。

今回は、皆様が気になるであろう「レアメタル」について詳しく紹介していきます。

現代の社会で使われる多くの先進的な技術や製品には、レアメタルが欠かせません。

皆様も手にしているスマホなどの小型電子機器、さらには再生可能エネルギー技術にもレアメタルが使用されています。

しかし、これらの貴重な金属資源は限られており、そのリサイクルが直近の課題です。

「どうしてレアメタルのリサイクルが必要なのか?」

「使用済の製品からレアメタルをどのように回収しているのか?」

このような疑問にお答えするため、レアメタルのリサイクルの現状を深掘りしていきます。

環境と資源の観点から、レアメタルの重要性と未来の展望について見ていきましょう。

三和鍍金では金属の表面処理だけでなく剥離事業も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

レアメタルとは?

レアメタルとは、地球上に存在する希少な金属元素のことを指す言葉です。

これらの金属は、特定の高度な技術や産業、

例えば再生可能エネルギーの技術、電子デバイス、

医療技術などにおいて非常に重要な役割を果たしています。

その特性から、これらの金属は他の代替品が少ないか、または存在しないため、需給のバランスが崩れると、技術革新や産業の発展に大きな影響を及ぼす可能性があります。

国際的な政治的緊張も、レアメタルの供給に影響を与えることがあり、経済や産業の安定供給にとって不可欠な存在とも言えるでしょう。

レアメタルのリサイクルの必要性

レアメタルは名前の通り、希少性が高い金属類であり採掘可能な資源は限られています。

そのため、下記のような問題や影響から目が離せません。

  • ●資源の枯渇問題
  • ●環境への影響

資源の枯渇問題

地球上のレアメタルは有限であり、現在の採掘・消費のペースでいくと、

数十年以内にいくつかのレアメタルは採掘枯渇の危機に直面すると言われています。

具体的には「ネオジム」「テルル」「タンタル」などの金属がこれに該当されます。

このような危機的状況を前に、リサイクル技術の導入と普及、そして新たな技術や代替品の研究が急がれているのが現状です。

環境への影響

レアメタルの採掘は環境に大きな影響を与えることが多いです。

山を削る露天採掘や酸を使った抽出方法など、多くの方法が自然環境を破壊します。

これらの採掘場所は住民の生活圏内に位置しており、

健康被害や生活環境の悪化を引き起こすこともあるので見逃せません。

そのため、リサイクルを進めることで、新たな採掘の必要性を低減し、

環境保護にも貢献することが期待されます。

さらに、リサイクルの取り組みは新たな産業や雇用の創出、地域経済の活性化にも繋がるとされ、多角的な視点からの取り組みが求められています。

使用済の製品からの回収

近年、使い捨てられた電子機器や家電製品など、

使用済みの製品に含まれるレアメタルを効率的に回収する

「都市鉱山」という概念が広まっています。

これは、伝統的な鉱山とは異なり、

都市部の廃棄物を新たな資源として捉える考え方です。

多くの使用済み製品が捨てられる一方で、

それらの製品にはまだ利用価値のあるレアメタルが含まれています。

都市鉱山の取り組みは、環境への負荷を減少させるだけでなく、

新たな資源供給源としての可能性も秘めています。

スマホなどの小型電子機器

現代社会で欠かせない存在となっているスマートフォンですが。

この小型電子機器の中には、ゴールドやプラチナといった貴金属から、

「ネオジム」「タンタル」といったレアメタルまで、

多種多様な金属が組み込まれています。

多くの人々が年々新しいモデルに買い替えていく中、

使用済みのスマホなど小型電子機器の適切な回収とその後のリサイクルは、

レアメタルの新たな供給源として、

また環境保護の観点からも大きな意義を持っているのでとても重要です。

再資源化の過程

使用済みの製品からレアメタルを効率的に回収するためには、

さまざまな高度な技術が必要です。

前処理としては、

  • ●酸・アルカリ溶解
  • ●溶剤蒸留
  • ●油水分離
  • ●焼成・濾過

分離回収として、

  • ●溶媒抽出
  • ●電解・金属置換
  • ●濾過
  • ●樹脂吸着・剥離
  • ●塩析濾過

上記のように方法は多く存在するので、素材に適した方法を選びます。

このような技術の進化によって、より多くのレアメタルが再利用可能となり、

その価値はさらに高まっています。

剥離技術の進化

レアメタルのリサイクルにおける剥離は、非常に高い技術が必要です。

この技術面でのハードルが存在する理由としては、

レアメタルが微細に分散していることや、

複数の素材と密接に結合していることなどが挙げられます。

しかし、近年の研究や技術開発により、新たな剥離技術の開発や、

既存技術の洗練が進められているので期待できるでしょう。

例えば、特定の溶液を利用して特定の金属のみを選択的に剥離する方法や、

電気を用いた方法を使って金属を回収する技術などが研究されています。

これらの技術の進化により、効率的かつ環境に優しいリサイクルの方法が現実的になっていくでしょう。

リサイクルに向けた未来の展望

今後のレアメタルの需要は増加する一方で、供給は限られています。

その背景には、電子機器や再生可能エネルギー技術の進化があり、

それに伴いレアメタルへの依存度が高まっています。

リサイクル技術の更なる進化や、社会全体でのリサイクル意識の向上が求められる中、

新しい取り組みや技術の開発が進行中です。

特に、小型電子機器からのレアメタル回収技術や、

より効率的な剥離技術の研究が頻繁に行われています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は「レアメタル」について解説してきました。

レアメタルのリサイクルは、現代社会の大きな課題の1つです。

採掘される量が減少し、需要が増え続ける中、

リサイクルは今後の社会を支える基盤として期待されています。

技術的な進展や社会的な取り組みを通じて、

持続可能な資源利用と環境の保護を目指していきましょう。

そのためには、私たち1人1人がリサイクルの重要性を理解し、

日常生活の中で意識的に行動することが求められます。

弊社、株式会社三和鍍金では50種類を超える表面処理の取り扱いだけでなく、

環境保護に繋がる剥離事業にも事業内容を拡大しております。

「表面処理」「剥離」「リサイクル」に関することでしたら是非一度お気軽にご連絡ください。

PROFILE

三和鍍金 スタッフ
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金属表面処理の様々な疑問・基礎知識や、創業から70年以上培ってきたノウハウについて「誰にでもわかりやすく」をモットーに執筆しています。
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