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2026/06/27

含浸処理とは?メッキ不良を防ぎ「漏れない」製品を作る技術を解説

  • 公開日:

皆様、こんにちは!
群馬県高崎市にて表面処理を手掛ける、株式会社三和鍍金と申します。

「鋳造品の部品から、油や空気が少しずつ漏れてしまう」
「メッキを施したのに、仕上がり面が膨れてしまった」

製造現場でこのようなトラブルを抱える担当者の方は多いのではないでしょうか。

実はその原因の多くは、鋳造時に生じる目に見えない微細な穴「巣穴(すあな)」にあります。この問題を後から樹脂で充填して解決するのが「含浸処理」という技術です。

本記事では、含浸処理の仕組みとメリット、適合する材質やデメリット・注意点までを分かりやすく解説します💡

品質改善のヒントとして、ぜひお役立てください。

三和鍍金では電解研磨を含む50種類以上の表面処理を手掛けております。お見積もりのご相談など、お問い合わせはお気軽にどうぞ。

含浸処理とは?鋳巣を樹脂で塞いで気密性を高める技術

含浸処理とは、鋳造品の内部に生じる微細な穴「巣穴(巣穴)」に樹脂を充填して固め、気密性を高める表面処理技術です。鋳造・ダイカスト製品は製造過程でどうしても鋳巣が生じやすく、目視では確認できないほど小さくても、漏れや後工程の不良を引き起こすことがあります。

【処理の流れ】
・真空処理:タンク内を真空にして鋳巣の空気を吸い出す
・含浸:空になった穴に液状の含浸剤を吸い込ませる
・加圧:圧力をかけて樹脂を穴の奥まで押し込む
・硬化(キュア):加熱処理で樹脂を固めて完成

真空と加圧を組み合わせた「真空加圧含浸」が現在の主流とされています。

含浸処理が製造現場で選ばれる3つのメリット

含浸処理は、鋳造品の品質課題を後工程で解決できる数少ない技術の一つです。

漏れ防止・メッキ品質の安定・廃棄ロスの削減という3つの観点から、その強みをご紹介します。

気密性を高めて油・空気の「漏れ」を防ぐ

製造工程で鋳巣ができると、いくら表面を仕上げても内部を通じた油・水・空気の漏れを止められません。

含浸処理でこの穴に樹脂を充填することで、気密性を大きく高められます。

メッキや塗装後の「膨れ・しみ出し」を根本から防ぐ

鋳巣が残ったままメッキを施すと、穴の中に入り込んだ薬液が後から滲み出し、変色やサビを引き起こします。

また、穴に閉じ込められた空気が加熱時に膨張し、メッキ膜を内側から押し上げる「膨れ(ブリスター)」が発生します。

含浸処理で穴を事前に塞いでおくことが、これらの不良を防ぐ最も効果的な対策です。

廃棄予定の不良品を「良品」へ変えて歩留まりを改善する

鋳巣による漏れが発覚すると、本来であればその部品は廃棄せざるを得ません。しかし含浸処理を行えば、微細な穴を充填して部品を「良品」として再生することが可能です。

廃棄ロスの削減はコストダウンに直結するだけでなく、材料を無駄にしないという点で環境配慮・SDGsへの貢献にもつながります。

不良率の高い工程を抱えている場合、含浸処理の導入は費用対効果の高い選択肢の一つといえます。

SDGs(持続可能な開発目標)と環境配慮については、『サステナブル素材とは|環境と社会に対するポジティブな存在』の記事でも詳しく解説しています。

含浸処理が適した代表的な材質と具体的な活用シーン

【対応材質の例】
・アルミダイカスト
・鋳鉄
・真鍮
・焼結部品(粉末冶金製品)

これらの素材を用いた自動車部品・産業機器・住宅設備の水回り部品など、「液体や気体が漏れてはいけない」製品全般で広く採用されています。

材質と形状によって最適な処理条件が異なるため、専門業者へのご相談をお勧めします。

アルミダイカスト素材へのメッキについては、『【弊社にお任せください!】アルミニウム、アルミダイカストへのめっき』もご覧ください。

失敗しない含浸処理の注意点と三和鍍金ができること

含浸処理は優れた技術ですが、万能ではありません。適用できる条件の限界を正しく理解したうえで活用することが、最終的な品質向上につながります。

耐熱温度や穴の大きさなど含浸処理の限界と注意点

含浸剤として使われるアクリル系樹脂は、一般的に150℃〜180℃程度が耐熱の上限です。金属部品そのものより熱に弱いため、高温環境で使用する部品への適用は事前の確認が必要です。

また、含浸処理が対応できるのは「ミクロな穴」のみで、肉眼で確認できる大きな割れや亀裂は充填できません。欠陥のサイズを見極めることが重要です。

メッキ前処理まで見据えた三和鍍金のトータルサポート

三和鍍金では、含浸処理の要否の判断から含浸後のメッキ処理まで、一貫して対応いたします。創業70年以上の経験をもとに、素材の種類・使用環境・後工程の内容を踏まえた最適な処理タイミングをご提案いたします。

「この部品に含浸が必要かどうか分からない」という段階から、お気軽にご相談ください

まとめ

含浸処理は、鋳造品に潜む「鋳巣」という品質リスクを後処理で根本から解決できる、製造現場にとって心強い技術です。

【含浸処理のポイント】
・鋳造品の鋳巣(微細な穴)を樹脂で塞ぐ表面処理技術
・真空と加圧を組み合わせた「真空加圧含浸」が主流
・漏れ防止・メッキ膨れ解消・廃棄ロス削減の3つの効果
・アルミダイカスト・鋳鉄・真鍮・焼結部品などに有効
・穴のサイズや耐熱温度に限界あり、専門家への相談が重要

「含浸が必要かどうか分からない」「メッキ前の下処理を改善したい」とお考えの際は、ぜひ一度、三和鍍金までお問い合わせください。

弊社、株式会社三和鍍金は、創業から70年以上表面処理に携わり、様々な製品の品質向上にお応えしてきました。

メッキや表面処理をご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

YouTube動画では、弊社が手掛ける「24種類の表面処理」の仕上がりを一挙に公開しています。含浸処理後のメッキ仕上げのイメージ確認にも役立ちますので、ぜひご覧ください。

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