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columnメッキライブラリ

2022.04.30

【一見する価値あり】金属アレルギーについて 対策と注意点

皆様、こんにちは。今回は「金属アレルギーについて」解説していきたいと思います。

金属アレルギーで悩む人に是非、見て頂いて何かのきっかけになれば幸いです。

また、この記事は簡単に丁寧に誰でもわかりやすくをテーマに掲げておりますので

言葉の意味やどんなものかということがわかるようにしていきたいと思います。

メッキ屋さんならではの観点でもお話していきます。

「金属アレルギー」という単語は誰しもが聞いたことがあるのではないでしょうか。

またご自身が金属アレルギーではなくても周りの方がそうだったりと

何か聞いたことはあるけど詳しくはわからないという人も多いでしょう。

金属アレルギーについて一度でも悩んだことがある人は何かしらで調べたりすることもあって

知っているかもしれませんがそんな人はもう一度確認を、知らない人は金属アレルギーに関する

あれこれを簡単に解説していきますので是非ご覧になって下さい。

原因や自分の体に合う合わないということ、知識を得ることは改善への大きな一歩です。

1.金属アレルギーとは

まず、金属アレルギーとはどういったものなのかを知っていきましょう。

金属アレルギーとは金属によって起こるアレルギーを指しているのですが

そもそもアレルギーとはどういったものなのでしょうか。

「アレルギー」

アレルギーとは様々な物質に対して過敏に反応することで身体の免疫反応に関係してくるものです。

免疫とは細菌やウイルス等の物質から防御するシステムのことです。

免疫は身体に異物や良くない物質が入るとそれを出そうとしてくれます。

その時に皮膚や身体に症状を引き起こします。

これはヒトが持っている免疫細胞が『異常だよ』というサインを出してくれているのです。

これは一種の自己防衛反応で細菌やウイルスなどが入り込まないように守っています。

これをアレルギー反応といいます。

アレルギー反応は自分の身体が異常をきたした時に守ろうとしているサインなのです。

そんな、アレルギーですがたくさんの種類があります。

例えば身近なもので言うと花粉症。これもアレルギーの一種です。

スギやヒノキの微粒子が体内に入るとくしゃみ、鼻水、目のかゆみ等を引き起こします。

くしゃみも、鼻水も、目のかゆみで涙が出るときも花粉に対して身体から異物を出そうとしています。

他にもたくさんの種類があるアレルギー反応。

アレルギーとは非常に身近なものであり悩んだことのある方は多いのではないでしょうか。

このアレルギーが金属が原因で発生する。それこそが金属アレルギーです。

2.身の回りの金属と金属アレルギー

さて、金属アレルギーは金属を原因として発症するものだと説明しましたが

金属とは現在、今日において私たちの身の回りにありふれていて必要不可欠なものになっています。

金属と聞いて思い浮かべるものはなんでしょう?

急に言われても分からない人もいますかね。

今、あなたがこの記事を見てる媒体は何でしょうか?

パソコン或いはスマートフォンだと思いますが多くの金属が使われています。

アルミニッケル等が使用されています。

他にも皆さんの身近なところで言うと車や電車をはじめ、今使用している机、椅子にも使われているかもしれません。

周りを見渡してください。金属無しでは生活が成り立たないことが分かると思います。

そのくらい金属が便利な物質で我々の日々の生活を支えているのです。

モノ以外でも金属は含まれています。それは食品です。

食べ物の中にも金属が含まれているものも多くあります。

チョコレートやアーモンド、お茶や貝類等にまで金属が含まれています。

また、身体に必要な金属まであるのです。

皆さんお馴染みなのが鉄や亜鉛。よくサプリメントで鉄や亜鉛を摂取なんて言うことを聞いたことが

ある人もいるのではないでしょうか。

鉄は身体に必要な金属なのです。

『貧血=鉄不足』なんてイメージをお持ちの方もいると思います。

私は貧血=レバーを食べる!!に繋がります。レバーにはたくさんの鉄分が含まれていることで有名ですよね。

また、怪我をしてしまい血が出てしまうと鉄の匂いがしますよね。

あれは鉄分が血液中に含まれているからなのです。

次いで亜鉛も必要な金属です。

亜鉛が足りなくなってしまうと皮膚や粘膜が荒れたり疲れやすくなったりと身体に異常をきたします。

その他にも様々な金属が意外と身体には必要なのです。

食品に含まれる金属分についてはこちらから

更には、我々は普段意識していないところからも体内に金属を取り込んでおります。

それは空気です。

例えば工場からでた煙や、タバコ、車の排気ガス等の汚染された気体にもニッケル等が多く含まれているのです。

もうどこで金属を取り込んでいるのかわからなくなってきましたね。

これらのことから誰がいつどこで金属を体内に吸収していてもおかしくはないのです。

3.金属アレルギーの仕組み

金属アレルギーとは?そして金属はどこで体内に吸収されるかわからないということを書いてきました。

これらのことを踏まえると誰がいつ金属アレルギーになってもおかしくはないのです!!

金属アレルギーはネックレスや時計を付けた部分だけにしか出ない反応だと思っていませんか?

大半はそうかもしれませんが実は違います。

様々な箇所から身体内に入ってきた金属分は血液中を巡り、いたるところで症状を引き起こす可能性もあるのです。

体内に取り込まれた金属が汗によってにじみ出てそれが原因でアレルギー反応を起こすなんてことも・・

つまり誰しもがなる可能性を十分に秘めているアレルギーといっても過言ではありません。

金属は一定以上人体に吸収されるとイオンとして滞在し血液中の物質と結合し大きくなり、

体内の免疫システムが異常と判断します。まさにこれこそがアレルギー反応の始まり。

金属アレルギー発症のメカニズムです。

金属アレルギーは大別すると2種類あります。

1つ目は局所性アレルギー

こちらは、一般的に多くわかりやすいアレルギーとされていて、

金属のアクセサリーをつけた箇所が汗等溶け出し、つけている箇所の皮膚に炎症を起こすパターンです。

ただし、金属が皮膚と接している或いはその周辺に症状がおこる為、わかりやすいです。

2つめは全身性アレルギー

こちらは、身体内に取り込んだ金属によって箇所を問わず全身に起こる金属アレルギーです。

局所性アレルギーは対象物がわかりやすいですがこちらは血液中を巡って全身に発症する可能性があるのです。

金属のあるところから離れた箇所で湿疹やかぶれ等が発生します。

こちらがより厄介で原因を突き止めるのが難しいのです。

多い例として歯科金属や身体の中に埋め込まれた金属によって徐々に蓄積されていき症状を起こします。

基本的に皮膚はバリアをもっており外部の攻撃を防ぐ効果が期待できるのですが

環境やストレス、食生活の変化、日常で使用しているものでも

体内バランスが崩れ皮膚のバリアが剥がれおち、

皮膚が弱った状態になった時に金属の対象物が直接触れたり、

元となる金属分が蓄積されていたことで

ある日突然アレルギーを引き起こすということも珍しくないのです。

そういった条件が重なった時に皮膚のトラブルが多くなるのです。

その原因となる日常生活で多く使用されるものとして説明しておきたいのが

「界面活性剤」「アルカリ」についてです。

4.金属アレルギーと界面活性剤

皆様は「界面活性剤」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

私自身表面処理に携わっているので頻繁に耳にしたりと触れる機会がたくさんありますが

皆様にも日常的に触れる機会があります。

まして毎日、界面活性剤を使用していることでしょう。

え?本当に!?

例えば食器用洗剤、シャンプー、ハンドソープ、化粧品等を毎日使う方は勿論いらっしゃいますよね。

実はこの中に「界面活性剤」が含まれているのです。

それではこの「界面活性剤」どのような効果があるのでしょう。

ズバリ!界面活性剤は水と油の最悪の相性を仲良くさせてくれるのです。

どういうこと???

まず、周知の事実として水と油は混ざり合わないですよね。

油汚れを水だけで落とそうとしてもなかなか落ちません。

小さいころに水たまりに油汚れが浮いていたりしたのを見たことがありませんか。

シャンプーを使わないで髪を洗うとなんだかさっぱりしないですよね。

水と油を結合させることで油を除去することが出来るのです。

日常生活においてもなくてはならないものですよね。

ただしメリットだけというわけにはいきません。

この界面活性剤、デメリットもあるのです。

界面活性剤は強力に油汚れを落としてくれるわけですが

同時に手の必要な皮脂を取り除いてしまったり皮膚の中まで浸透なんて恐れもあります。

皆様は食器を洗ったあと手の皮膚が乾燥し手が痒くなってきたなんてことありませんか。

それは、食器用洗剤に含まれる界面活性剤で手の皮脂も同時に取り除いてしまっており、

乾燥した状態になっているからです。

この界面活性剤があると、皮膚のバリアが無くなり、化学物質も皮膚の中に入り込んでしまいます。

話は変わりますが皆様は塗り薬を使ったことがございますか?

あの塗り薬なぜ皮膚に浸透してくのだろうと思ったことがある人もいると思います。

塗り薬の成分が皮膚にしみこんで効果を発揮するのは実はこのためです。

そしてアルカリも同じ効果をもたらします。

よく赤ちゃん肌には「弱酸性」といったことを聞きますよね。

皮膚の表面は本来であれば弱酸性となっておりますが、汗や温泉(アルカリ性泉)などによって

皮膚の表面を弱アルカリ性にします。よって化学物質が皮膚に入り込むのを助けてしまいます。

ただし、界面活性剤やアルカリもすべての人にとって気を付けなければいけないかとというと

そういうことではありません。

界面活性剤がなければあんなに簡単にお皿の油汚れは落とせないでしょう。

アルカリ欲の温泉につかれば皮膚を柔らかくしすべすべな皮膚状態にはならないでしょう。

どういったものもメリットデメリット合う合わないを見極める必要があります。

メッキと金属アレルギー

我々は金属の表面事業を営んでおりますので金属アレルギーとメッキの観点からも解説していきます。

メッキというのは金属を液中に溶かし、金属の被膜をつけていくので当然、表面は金属ということになります。

よって、メッキも金属アレルギーを発症させる可能性があるのです。

メッキの技術は装飾品の見た目をきれいに整えたり、硬さをもたせたりと様々な特性を持たせることが出来ます。

しかもそれがごく僅かな皮膜をつけることで出来るのですから採用されることが多く、市場に出回っているものもたくさんあるといえます。

ただし、金属アレルギーの方にとっては厄介なものもあります。

表面はイオン化傾向が低く金属アレルギーになりにくいといわれる金メッキや銀メッキでも

その素地(下層)が金属アレルギーになりやすい金属だったり、メッキを施してあるケースです。

メッキは何ミクロン(μ=/1/1000(ミリメートル))という非常に薄い皮膜となっていることが多いです。

この薄いメッキ被膜がはがれてしまうとその先は金属アレルギーになりやすい金属が顔を覗かせてくるのです。

表面だけ見て「これは金だ銀だ!」「金属アレルギーの私でも大丈夫だ」と思って購入しないように注意が必要になります。

勿論、金属アレルギーの方向けにそういう処理を施しているということもありますので

絶対購入しないでくださいということではありません。

しかし、金属アレルギーの方にとっては危険性が高まるので注意が必要ということです。

そんな時は素材をよく確認してから購入することが必要になってきますので覚えておいてください。

これだけを聞くとメッキが悪いみたいなイメージをもつ方もいると思いますが

これだけは言わせて下さい。

メッキは非常に薄い皮膜でも様々な特性を付与できる素晴らしい技術です。

あくまで金属アレルギーの方はそう言ったことに注意しなければいけませんが

そうではない人は安価できれいな金色のアクセサリーが手に入れたりすることが出来ます。

あくまで、自分で知識を入れ、自分にはこれはダメ、これは良いという判断基準を持つことが大事になってくると思います。

5.金属アレルギーへの対応

いかがでしたでしょうか。

金属アレルギーとは何か、そして日常に溢れている金属によっていつどこで金属アレルギーを発症するか

分からないということをお伝えしてきました。

対策として、まずは自分がどのような症状なのか、何に対して症状が出ているのかを知ることが一番重要な部分ですし、一番初めにやらなけらばいけないことです。

アレルギーの発症原因は千差万別です。まずは自分で知識や情報を知ることで自分に適した対策をすることと、お医者さんに診てもらいパッチテスト等で原因を断定することが必要になってると思います。

局所性アレルギーの場合は、症状が出たところの周辺で金属がないかを気にすること、

それを取り除き、症状が治まったらその金属に対してアレルギーを発症している可能性が高いので

その金属に対して気をつけ代替のモノ等を検討することです。

また全身性アレルギーの場合は原因が特定しづらいのでパッチテスト等を行い自分が何に対して気を付けなければいけないかを一つ一つ調べていく必要があると思います。

いずれにせよ、プロセスとして自分の耐性を知ること、そこに対してどのような処置をしていけばいいかを見極めることが必要になってきます。

金属アレルギーに対しての自分に適した対処法を知ることが出来れば、その悩みは解決へと向かっていくことと思います。

我々としても金属アレルギーに対してもOKなめっきやコーティング技術を発信することが求められていくのでしょう。

PROFILE

武藤 篤
武藤 篤代表取締役
株式会社三和鍍金に入社後、経営難に陥っていた会社再建に取り組む。
経費削減、業務改善、人材育成に取り組み1年でV字回復させる。
その後、営業手法の業務改善を行い、売上高増加、年間新規取引100件を達成
柔軟な発想や行動力を持ち味に現在は表面処理を通しての新規事業に着手中。
三和鍍金Youtubeチャンネル
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