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2023/12/26

CFRPを徹底解説!特徴や用途だけでなく成形方法まで深掘りして紹介!

  • 公開日:
  • 更新日:

皆様、こんにちは。

群馬県高崎市で表面処理を行っております。株式会社三和鍍金です。

今回は「CFRP(炭素繊維強化プラスチック)」について詳しく紹介していきます。

現代の航空宇宙産業や自動車産業、レジャー・スポーツなど日用品まで多くの産業で「CFRP」が活躍しています。

しかし、 CFRPがどのようなものなのか詳しく知っている方は多くないでしょう。

「CFRPとはどのような材料なのか?」

「どうしてCFRPが幅広い産業で採用されているのか?」

このような疑問にお答えするため、CFRPという材料の内容を深掘りしていきます。

製造業のさらなる可能性の観点から、CFRPの重要性について見ていきましょう。

三和鍍金では金属の表面処理だけでなくCFRPを含む剥離事業も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

CFRPとは

CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)とは、炭素繊維で強化されたプラスチックの複合材料で、独特の構造を持つことから「軽くて強い」素材として広く知られています。

最大の特徴は、軽量でありながら高い強度を持っていることで、金属材料よりも低密度で力学的に優れた比強度を実現可能です。

炭素繊維は非常に細いですが、しっかり強くて軽い素材であり、この繊維を樹脂と組み合わせることで、CFRPはその能力を最大限に発揮します。

CFRPの特長

CFRP(炭素繊維強化プラスチック)は、軽量性と強度、そして多様な物理的特性により、多くの産業で注目されています。

ここでは、CFRPの特長について見ていきましょう。

  • ●優れた強度と軽量性
  • ●高剛性がある
  • ●熱膨張率が低い
  • ●振動減衰性が高い
  • ●対腐食性と耐薬品性が優れている
  • ●対疲労性が高い
  • ●熱伝導性と電気伝導性を持つ
  • ●電磁波遮蔽性を持っている
  • ●X線の透過率が高い

優れた強度と軽量性

鉄の約5分の1、アルミの約2分の1という比重の軽さを持ちながら、機械構造用鉄鋼S45Cの5倍以上の強度を持っている複合材料です。

この卓越した強度は、炭素繊維の種類や含有率、さらには繊維の縦横の配向によってさらに最適化が可能です。

高剛性がある

CFRPは塑性変形せず、弾性域内での曲げに対しても元に戻る性質を持ちます。

これは、薄板の場合に限り、加熱による若干の曲げ修正が可能であることを意味します。

しかし、限度を超えると壊れることがあるので注意が必要です。

熱膨張率が低い

CFRPは熱膨張率が非常に低いため、温度変化による膨張や収縮がほとんどありません

これは、炭素繊維自体がマイナスの膨張係数を持ち、高温では縮む性質と、樹脂がプラスの膨張係数を持つことによる複合効果です。

振動減衰性が高い

CFRPの高弾性率と低比重は、金属よりも大幅に高い比弾性率をもたらし、振動の減衰が素早く行われます。

これにより、固有振動数が高く、共振を防ぐことも可能です。

対腐食性と耐薬品性が優れている

耐腐食性においてもCFRPは優れており、炭素繊維は高温で加熱されることで作られ、主に炭素から成るため腐食せず、薬品にも強い性質を持っています。

ただし、耐薬品性は使用される樹脂の種類に依存します。

対疲労性が高い

疲労に対する耐性もCFRPの大きな特長の1つです。

金属と比べて、曲げや伸ばしといった繰り返し応力による疲労に非常に強く、これは母材の樹脂の靭性と炭素繊維の高強度とのミクロな接合強度によるものです。

熱伝導性と電気伝導性を持つ

CFRPは熱伝導性と電気伝導性にも特長があります。

熱伝導性は繊維の種類によって異なり、繊維方向にのみ熱を伝える特性を持ちます。

また、電気伝導性は繊維の弾性が高くなるほど増加し、CFRPは繊維方向に電気を通す性質を持つ複合材料です。

これらの特性は、床暖房や融雪ヒーターなど特定の用途で利用されることが多いです。

電磁波遮蔽性を持っている

CFRPは炭素繊維の特性を活かし、特定の周波数で電磁波を吸収・反射することで、優れた電磁波遮蔽効果を提供します。

これにより、電子機器の干渉防止や敏感な環境で使用可能です。

編み込み方による遮蔽度の調整が可能で、医療機器や通信機器、軍事用途などで利用されます。

X線の透過率が高い

CFRPはX線透過率が高く、医療イメージングやセキュリティ検査用具に最適です。

X線検査時の低可視性により、高度な医療機器や安全検査装置の部品として重宝され、その軽量性と強靭さが更に価値を高めます。

CFRPの多様な用途

CFRP (炭素繊維強化プラスチック)は、優れた物理的特性により、多くの産業分野で革新的な応用を見せている複合材料です。

その軽量性と高い強度・剛性を活かして、幅広い分野で活躍しています。

特に、産業分野での需要が顕著で、自動車産業ではプロペラシャフトや外板などに、機械部品では板ばねやロボットアームなどに使用されています。

高速回転体、圧力容器、医療機器、土木建築など、その用途は非常に多岐にわたり活躍の場を選びません。

また、スポーツ・レジャー分野でもCFRPの利用が広がっており、釣竿やゴルフシャフト、自転車のフレーム、スキー用具など、多様な製品に採用されてきました。

これらの製品は、CFRPの軽量性と耐久性によって、高いパフォーマンスを発揮します。

航空宇宙分野では、航空機の主翼や尾翼、胴体などの重要な部分にCFRPが使用されています。

これにより、機体の重量軽減と強度向上が図られ、燃料効率の改善や安全性の向上に貢献してきました。

人工衛星やロケットなど、宇宙関連の機器においても、CFRPの特性が重要な役割を果たしています。

このように、CFRPはその優れた物理的特性を活かし、様々な分野で重要な材料としての地位を確立している、魅力が多い複合材料です。

今後も、その用途と可能性はさらに広がっていくことでしょう。

CFRPの成形方法

CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の成形方法は、製品の用途や特性に応じて多岐にわたります。

ここでは、主要な成形方法について詳しく見ていきましょう。

  • ●オートクレーブ成形
  • ●RTM成形
  • ●VaRTM成形
  • ●プレス成形
  • ●SMC成形
  • ●シートワインディング成形
  • ●フィラメントワインディング成形
  • ●連続引抜き(プルトルージョン)成形
  • ●射出(インジェクション)成形

オートクレーブ成形

オートクレーブ成形は、炭素繊維プリプレグを型に配置し、加圧と加熱を行う方法です。

この方法は、航空宇宙業界で広く使用されており、非常に高い強度と精度を要求される部品に適しています。

RTM成形

RTM (レジン・トランスファー・モールディング)は、閉じた型の中に炭素繊維と樹脂を注入して硬化させる方法です。

この技術は、複雑な形状や大規模な部品の製造に適しており、自動車業界でよく利用されています。

VaRTM成形

VaRTM (バキューム・アシスト・レジン・トランスファー・モールディング)は、真空状態を利用して樹脂を繊維に浸透させる方法です。

この方法は、製品の一貫性と品質を高めるのに効果的で、航空宇宙や自動車業界で使用されています。

プレス成形

プレス成形は、加熱されたプレス機を使用して、繊維と樹脂を型に押し込みながら成形する方法です。

この方法は、大量生産に適しており、特に自動車部品などに使用されます。

SMC成形

SMC成形(シート・モールディング・コンパウンド)は、繊維と樹脂を混合したシートを型に置き、プレスして成形する方法です。

この技術は、複雑な形状や大きな部品の製造に適しています。

シートワインディング成形

シートワインディングは、繊維をシート状に巻きつけて成形する技術です。

この方法は、管状や円筒形の部品に適しており、一貫性のある品質が得られます。

フィラメントワインディング成形

フィラメントワインディングは、連続的な繊維を型に巻きつけながら樹脂を注入して成形する方法です。

この技術は、高圧タンクやパイプなどの製造に使用されます。

連続引抜き(プルトルージョン)成形

連続引抜き成形は、繊維を樹脂に浸してから連続的に引き抜いて成形する方法です。

この技術は、長尺部品の製造に適しています。

射出(インジェクション)成形

射出成形は、繊維と樹脂を混合した材料を高圧で型に注入して成形する方法です。

この方法は、小規模な複雑な部品の製造に適しており、大量生産にも用いられます。

これらの成形方法により、CFRPは様々な用途に応じた製品に加工され、多くの産業分野でその特性を活かしています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は「CFRP(炭素繊維強化プラスチック)」について解説してきました。

CFRPは、現代の製造業において重要な役割を担っています。

高い強度と軽量性を持つCFRPは、資源の節約やエネルギー効率の向上といった環境保護にも大きく貢献しています。

さらに、CFRPを剥離して材料を再利用することができれば、現在よりも環境保護の貢献に繋がり、皆さんの生活が豊かになることは間違いありません。

弊社、株式会社三和鍍金では50種類を超える表面処理の取り扱いだけでなく、環境保護に繋がる剥離事業にも事業内容を拡大しております。

「表面処理」「剥離」「リサイクル」に関することでしたら是非一度お気軽にご連絡ください。

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執筆者プロフィール

三和鍍金 スタッフ
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