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2023/10/03

SUSとは?代表的なステンレスの鋼種の特性と使用する際のポイントを紹介!

  • 公開日:
  • 更新日:

こんにちは。

群馬県高崎市にて各種表面処理をおこなっております、(株)三和鍍金と申します。

今回は、皆さんにとっても身近な金属であるステンレスの鋼種について詳しく解説します。

タイトルにございます「ステンレスの鋼種」についてどのくらい理解されていますか。

ステンレス鋼はJIS(日本産業規格)においてSUS(Steel Special Use Stainless) と定義されています。

SUS304SUS403などの名前を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

しかし、実際には詳しいところまで知らないという方は数多くいらっしゃいます。

そんな悩みを解決するために、今回は代表的なステンレスの鋼種をまとめて紹介します。

それだけでなく、ステンレス鋼を扱う際の注意点も紹介するので、実際にステンレス鋼を利用しようと考えている際に、参考にしてもらえると幸いです。

三和鍍金ではステンレス鋼を含むさまざまな材料に対して50種を超える表面処理が可能です。

お見積りのご相談など、お問い合わせはお気軽にどうぞ!

※ステンレスをはじめとする鋼材の販売はおこなっておりませんので、予めご了承ください。

ステンレス鋼の基本

ステンレス鋼は、鉄を主成分としてクロムやニッケル、モリブデンなどの元素を添加して作られる合金です。

これらの元素の追加により、鉄が持つサビやすい欠点が大幅に改善され、さまざまな環境下での耐食性や耐熱性、機械特性が向上します。

同じステンレス鋼の中でも少しずつ特徴が違っており、その違いを見分けるためにSUS304やSUS403という呼び名がつけられています。

「SUS=ステンレス鋼」なので、難しく考えなくて大丈夫です。

それでは、ステンレスの鋼種について紹介していきましょう。

各ステンレス鋼の種類の特性と応用

単純にステンレスの鋼種だけで、

「JIS規格だけで70種以上」

「海外規格品を含めると200種類以上」

という気が遠くなるほど種類が豊富です。

この記事で全てを紹介していると読者の皆様が飽きてしまうので、

今回は代表的なステンレスの鋼種だけを紹介します。

フェライト系ステンレス鋼

【SUS403】

・特性

フェライト系ステンレス鋼の代表的な鋼種として知られるSUS403は、炭素の含有量がやや多めであることから、熱処理によって高い硬度を得ることが可能です。

・用途

高応力性や耐熱性から、タービンブレードやポンプシャフトなどの機械部品の製造に最適であり、特に高強度や耐熱性が求められる場所での使用に適しています。

【SUS430】

・特性

SUS430はフェライト系ステンレス鋼の中でも非常にポピュラーなもので、良好な耐食性と加工性を持っています。また、コストパフォーマンスにも優れているので人気の鋼種です。

・用途

家庭用のキッチン製品や家電の外装、そして建築材料としても使われることが多いです。特に見た目の美しさや低コストを重視する商品の選択肢として人気があります。

マルテンサイト系ステンレス鋼

【SUS410】

・特性

マルテンサイト系ステンレス鋼の中で最もポピュラーなSUS410は、十分な耐食性を持ちつつも、特定の条件下で非常に高い硬度を発揮するステンレス鋼です。

・用途

そのため、刃物や工業用のバルブシートやポンプシャフトなどの部品製造に用いられることが多く、特に耐食性と硬度の両方が要求される場面での利用が増えています。

オーステナイト系ステンレス鋼

【SUS303】

・特性

オーステナイト系ステンレス鋼の中でも、特に機械加工性に優れているのがSUS303で、主に自動車産業や電子部品産業での利用が多いです。

・用途

複雑な形状の部品や、精密度が要求される部品の製造に適しており、切削や旋盤加工などの工程での加工性が高いとされています。主にボルトやナットに使用されることが多いです。

【SUS304】

・特性

SUS304はオーステナイト系ステンレス鋼の代表的な鋼種で、非常にバランスの良い特性を持っています。

・用途

キッチン用品から、化学プラント、医療機器まで幅広い分野での利用が目立つステンレス鋼です。特に食品産業や医療分野では、その高い耐食性が大きく評価されています。

【SUS316】

・特性

SUS316はニッケルとモリブデンを追加したオーステナイト系ステンレス鋼で、特に塩害や酸に非常に強いです。

・用途

海水の中や化学工場などの過酷な環境での利用が多く、特に海洋構造物や化学タンク、配管などでの使用が増えています。

【SUS630】

・特性

析出硬化型のオーステナイト系ステンレス鋼であり、銅を含むことで、特定の熱処理によって非常に高い強度を持つことができるようになりました。

・用途

航空機の部品や高強度を要求される構造物、さらには宇宙分野での利用が増えています。ちなみにゴルフクラブにも使用されることがある材料です。

ステンレス鋼の使用時の注意点

ステンレス鋼は、さまざまな環境下で活躍できる優秀な金属ですが、使用時に注意すべき点が4つあります。

以下の注意点を理解した上で、ステンレス鋼の使用を検討するようにしましょう。

  • ●適切な種類の選択が重要
  • ●清掃とメンテナンスが必要
  • ●環境への配慮が伴う
  • ●溶接や加工の際の対策が必要

適切な種類の選択

ステンレス鋼は様々な種類があり、それぞれに特有の特性や成分が存在します。

例えば、304系や316系のようなオーステナイト系ステンレス鋼は、一般的に耐食性に優れているのに対し、430系のフェライト系ステンレス鋼は磁性を持っています。

用途や環境(例:海岸近くの高塩分環境、高温・低温環境など)に応じて、

その特性が最も適しているステンレス鋼の種類を選択することが重要です。

適切な選択を怠ると期待する性能を得られないだけでなく、

早期劣化のリスクも増える可能性が高いです。

清掃とメンテナンス

ステンレス鋼は耐食性に優れているとはいえ、長期的に汚れや異物が付着することで腐食や変色の原因となることがあるので注意が必要です。

特に海岸沿いや工業地域など、塩分や化学物質の影響を受けやすい場所での使用は、塩害や化学腐食のリスクが高まります。

このため、定期的な洗浄や必要に応じての保護膜の再塗布などのメンテナンスが推奨されているので事前に理解が必要です。

環境への配慮

ステンレス鋼は100%リサイクル可能な材料であり、リサイクル時にも新たなステンレス鋼の原材料として再利用されます。

しかし、廃棄の際には、適切な方法を選び、資源の無駄を防ぐとともに環境への影響を最小限に抑えることが求められます。

特に廃材の分別やリサイクルプロセスを適切に行うことで、環境への負荷を軽減できるので欠かさないようにしましょう。

溶接や加工の際の対策

ステンレス鋼は、その特性上から特定の種類のものは溶接や加工が難しい場合があります。

例えば、炭化クロムが析出しやすいステンレス鋼では、適切な溶接方法や後処理が必要となることがあるので知識が必要です。

また、熱による変形や歪みを防ぐための工夫も求められる場合があります。

したがって、溶接や加工を行う際には、ステンレス鋼の種類や特性を十分に理解した上で、専門的な知識や技術を持った者に依頼するか、十分な教育や研修を受けた上で作業を進めることが重要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は「ステンレスの鋼種」についてお話ししてきました。

一言で「ステンレス鋼」という名称でも、中身は多くの種類があることを分かりいただけたと思います。

ステンレス鋼のことを理解して、適切な場所で適したステンレス鋼を使用することで、本来の力を発揮してくれます。

さらに、表面処理にも様々な種類があり、相性の良い表面処理をステンレス鋼に施すことで大きな付加価値を身につけることも可能です。

弊社、株式会社三和鍍金では、創業から70年以上表面処理に携わってきた経験を元に、

蓄積された技術とノウハウを活かし、さまざまな表面処理の技術を磨き上げてきました。

その結果、満足度の高い提案をお客様に提供させていただいております。

ステンレスに対する表面処理に迷った際には、お見積もりのご相談など、お気軽にお問い合わせください。

圧倒的な提案力で、大きな付加価値を提供するお手伝いをさせていただきます。

執筆者プロフィール

三和鍍金 スタッフ
三和鍍金 スタッフ
金属表面処理の様々な疑問・基礎知識や、創業から70年以上培ってきたノウハウについて「誰にでもわかりやすく」をモットーに執筆しています。
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