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【表面処理の一種】窒化処理について

皆様、こんにちは!
群馬県高崎市にございます(株)三和鍍金 事務の根岸です(^^)

暑い日も続きますが、時折 秋の風を感じたり…と季節の移り変わりを肌で感じる日もありますね。
私は、秋の旬の食べ物を心待ちにしながら日々過ごしておりますが、皆様いかがでしょうか?

さて!今回は【窒化処理】についてです。
表面処理の中でも聞くことは少ないかな~と思っているのですが、お問合せ頂くこともありますので調べてみました。

メッキや塗装とは違う“表面処理”ということも分かりましたので、是非ご覧ください!

窒化処理とは

窒化処理は、表面硬化熱処理のことで鉄の表面に原子上の窒素を浸み込ませ、製品表面を硬化させる加工方法です。
この処理をすることにより製品表面に強度を持った窒化層ができ、耐摩耗性・耐疲労性・耐食性・耐熱性に優れた製品を作ることが出来ます。

窒化された表面を化合物層といい、表面が硬くなるにつれ窒素を拡散する拡散層が芯部に浸透されていきます。
このことより、
製品表面から芯部まで連続して窒化されていき硬さが上がっていきます。

一般的な表面処理は、製品表面にメッキ(金属皮膜)や塗装などを密着させるのに対し、窒化処理は鉄(金属)その物に処理を施すのが特徴です。
ここが、最初に触れた[メッキや塗装とは違う表面処理]という事にあたります。

例えば、製品処理前の脱脂不足や不純物の付着があった場合、密着性が悪くメッキや塗装は剥がれてきてしまうことがあります。
しかし母材その物に施す窒化処理は、鉄(金属)表面に窒素を浸透させるため、剥がれるなどの不具合が起きません。
塗膜するわけではないので、製品の寸法や重量の変化も起きにくいと言われております。
また、焼戻し温度以下で表面硬化できるため、鉄(金属)その物の歪み・変形が少ないことでも知られております。

窒化処理の種類

窒化処理の特性分かったところで、今度は窒化処理の種類についてです。
調べてみると窒化処理にも何種類かありましたので、下記ご覧ください。

<ガス窒化>
アンモニアガス中で約500~600℃に熱して処理されます。
0.1mm程度の深めの硬化層が形成され高い強度を得ることができる分、処理時間が長いためコストもかかります。

<ガス軟窒化>
アンモニアガスと二酸化炭素を混合させ約550℃に熱して処理されます。
窒素と一緒に炭素も浸透させることが出来ます。
0.02~0.08mm程度の浅めの硬化層ですが、比較的短時間で処理をすることが可能であり大量生産したい場合・コストを下げたい場合に向いています。
ステンレス鋼には処理ができません。

<塩浴軟窒化>
上記の2つとは違い、約500℃に加熱された液体内に製品を入れて窒素を浸み込ませる処理です。
0.01程度の硬化層が約1~3時間程度で処理ができること、ステンレス鋼にも処理ができることが特徴です。
[タフトライド]という言葉を聞いたことはありませんか?
タフトライドとドイツの会社の商標なのですが、タフトライド=塩浴軟窒化と解釈されることが多いようです。

以上、他にも処理方法があるようなのですが、大きく分けた3種のどれかで処理されることが多いようです。
何種類かの処理方法があると、製品の素地や仕上がりの硬化層の具合、またコスト面も考えながら最適の処理で進めていくことが出来るのでいいですね!

窒化処理のメリット・デメリット

さて、窒化処理の特徴が分かったところで今度はメリット・デメリットをまとめてみました。

◆メリット◆
・製品寸法の差異が少ない
序盤でもお話したとおり、表面に膜をつける訳ではなく窒素原子と金属を結合させる表面処理なので、例えば“膜厚がつきすぎてネジが入らない…”などの心配がありません。
また、熱処理よりも低温で処理できるので、仕上がり後の歪みや変形も少ないと言われております。

・複雑形状でも対応できる
ガス窒化で処理をされることが多いので、複雑形状や小さい隙間の製品でもガスが届く範囲であれば管単に加工ができます。

・耐〇〇性に優れている
窒化処理によって形成された金属表面は硬化性がとても高いので、摺動性がよく耐摩耗性に優れており摺動部でのかじりも発生しにくいと言われております。
また、耐食性や耐熱性にも優れているので錆びにくく製品表面にキズが付きにくい、熱を加えても硬度が下がらないという利点もあります。

◆デメリット◆
・処理時間が長い
ガス軟窒化塩浴軟窒化は約1~3時間で出来るのですが、ガス窒化に限っては窒化処理の中でも硬度は深い硬化層が形成される分、処理時間が数十時間かかります。
ということは、大量生産や短納期には向いておらずコストも他の窒化処理よりかかるということを念頭に置いておかなければなりません。
ガス窒化ではなく、他の窒化処理でも対応可能かどうかをお客様に確認してみるのもいいでしょう。
 
・追加工が難しい
硬度が高い分、処理後の加工が難しいとされております。
常温ではもちろんですが、熱をかけても硬度が下がらず無理に熱してしまうと母材をダメにしてしまいます。
処理後に加工が必要な場合は窒化防止剤を塗布しておく、または追加工が無いような形状を設計しておくなどの対策が必要となります。

・硬化層が薄い
焼入れの硬化層は約1mm位と言われる反面、窒化処理は硬化層が約0.1~0.3mmが限界とされ比較的薄めなので、衝撃や圧力には弱くなります。
特に面圧がかかる部分への適用は難しいとされております。
窒化処理だけでは強度が足りない場合は、高周波焼入れをすることにより硬化層の深さが増すので、衝撃や圧力にも強くなります。

窒化処理に限ったことではありませんが、このように色々な物にはメリット・デメリットが少なからず存在します。

では“どんな物が窒化処理の利点を活かして生産されているの?”と疑問になるかと思いますが、以下のようなものが挙げられております。
*耐摩耗性に優れている:自動車部品や航空機部品のシャフト
*耐食性に優れている:船舶用品

また身近なものでいえば、フライパンやBBQ用品のスキレットにも窒化処理された製品が売っております。


窒化処理されたフライパンの表面は無数の小さな穴が存在しております。
その穴に油が染みることにより食材への付きまわりも良く、火力をあげても硬度が下がらないフライパンで調理された食材は、焦げ付きにくくシャキッと炒められるそうです♩(想像するだけで美味しそうですね…笑)

ちなみにですが、先程からちょいちょいワードが出てきている[焼入れ焼戻し]という方法で硬度を上げる処理もあります。

焼入れ目的金属を硬くし強度を上げる
金属を一定の温度以上まで加熱後⇒急激に冷却することにより金属の組織を変化させ硬度を上げる処理。

焼戻し金属を粘り強くする
焼き入れだけでは製品が脆く割れやすい状態。焼入れ後、再加熱し硬度を調整しながら粘りや頑丈さを高める。

基本的に焼入れと焼戻しは1セットで処理されます。
製品表面だけでなく金属内部まで硬化が可能な焼入れ・焼戻しは、金属の組織を加熱・冷却で変化させるので歪みや寸法が変わるリスクがあるります。
一方、窒化処理は硬化は製品表面になりますが、焼入れ・焼戻しをする温度よりも低い温度で処理を行うので、歪みや寸法の変化は少ないと言われております。

まとめ

窒化処理について触れてみましたが、いかがでしたでしょうか?
中々聞きなれないかな~と思いつつ、処理されている製品は意外と身近にあることもお分かり頂けたかと思います。
<表面処理>という同じくくりの中でも、金属の膜を付けるメッキだけが表面処理じゃないということも知ることが出来ました。
さらに、同じ窒化処理の中でも用途・目的や素地により様々な処理方法もあり、改めて表面処理の奥深さを感じることが出来ました。

メッキだけに関わらず、表面処理のことでお困りのことがございましたらお気軽に(株)三和鍍金までお問い合わせください!
表面処理のプロが、お客様に最適な方法をご提案させて頂きます(^-^)

PROFILE

根岸瞳
根岸瞳
ウエディング・旅行業界で勤務後、株式会社三和鍍金に入社。
事務員として伝票発行や納期管理をする傍ら、サービス業で培った高いホスピタリティ(おもてなし精神)を活かし、三和鍍金に関わる全ての方々が気持ち良く過ごせるようなお客様対応を心がけている。
メッキについて初心者であることを活かし、「メッキ初心者の視点」で書いたコラムはいずれも高い人気を博している。
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