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【基礎中の基礎】プラスチックメッキとは【樹脂メッキ】

※2021/9/23に更新いたしました。

こんにちは。

群馬県高崎市にて表面処理を営んでおります、(株)三和鍍金と申します。

本コラムは事業統括部の柳沢が担当いたします。

今回はプラスチックメッキとは何たるかについてのコラムになります。

弊社でも扱っておりますこの樹脂メッキについて、基礎的な部分を解説できればと思います。

それではいってみましょう!

メッキとは何か

いたるところでお話している「メッキとは」ですが、簡単にいえば「金属の皮膜を物体表面に形成させること」を指します。

詳しくはこちらのコラムをご覧ください。

また、よくご質問いただく「メッキと塗装の違い」についてはこちらにて解説しております。

ここで一言断っておきたいのが、「プラスチックメッキ」というのはあくまでも「素材が樹脂(プラスチック)である」ということです。

クロムメッキや金メッキ、亜鉛メッキなど、多くのメッキは

クロムの金属皮膜を形成させるから「クロムメッキ」

金の金属皮膜を形成させるから「金メッキ」

亜鉛の金属皮膜を形成させるから「亜鉛メッキ」

と、このように形成させる金属皮膜からそれぞれ呼称されておりますが、

プラスチックメッキは母材がプラスチックであるメッキを指していることに注意が必要です。

したがって、以下のような説明文が生まれるのです。

「弊社で可能なプラスチックメッキはクロムメッキ・サチライトメッキ・金メッキになります。」

これは私の推測ですが、鉄や銅などへのメッキは古来より用いられており、

いちいち母材に対して言及する必要もないために省略されていましたが、

プラスチックへのメッキは比較的新しく、また通常の金属体へのメッキと処理がかなり異なりますので

母材がプラスチックである特異性を呼称から示す必要があった、、、のではないかと思います。

プラスチックメッキとは

上で先に触れてしまいましたが、プラスチックメッキとは母材がプラスチックであるメッキを指します。

プラスチックの上にクロムメッキや金メッキ、サチライトメッキなどを施すことが出来ます。

ここでひとつ疑問が浮かぶかと思います。

クロムメッキや金メッキなどはいわゆる電気メッキです。

製品に電気を通すことでメッキをつけるわけです。

プラスチックって電気通すの・・・?

答えはもちろん、NOです。

そのままの状態ではプラスチックに通電性はありません。

ではどのように電気を流すかというと、

「通電性のある金属皮膜をつけてしまえばいい」のです。

金属皮膜をつけるということは「メッキ」ですよね。

・・・矛盾しているように聞こえてしまいますでしょうか。

ここで重要な役割を担うのが電気を使わないメッキ、すなわち「無電解メッキ」です。

無電解メッキとは、化学反応によって金属皮膜を形成させるメッキ法で、電気メッキと対をなすものになります。

弊社でも無電解ニッケルメッキ(カニゼンメッキ)を取り扱っていますが、こちらは化学反応でニッケルの皮膜を作り出すメッキです。

化学反応のみでメッキを施すので、母材の通電性は関係ありません。

つくられたメッキ皮膜が通電する金属であれば、その上に電気メッキを施すことも可能そうですよね。

これがプラスチックメッキのメカニズムになります。

下記で項目ごとに詳しく説明します。

電気自動車にも用いられることがあります

プラスチックメッキの仕組み

プラスチックメッキの仕組みについて詳しくお伝えします。

※ここでは他のメッキ処理にも共通する部分(脱脂や水洗等の前処理・洗浄工程など)は極力省かせていただきます。

素地状態から行う処理の順番でご説明いたします。

◇エッチング処理◇

まず、大事になってくるのが「エッチング処理」になります。

エッチング処理自体はプラスチックメッキにおいてのみ使われる言葉ではなく、表面処理の一種です。

酸やアルカリ等の薬液の腐食作用(溶かす作用)を利用して、素材表面を粗化して次工程の表面処理を付きやすくしたり

要らない部分を排除するための方法として用いられたりします。

実は中世から存在している歴史ある表面処理なのですが、プラスチックメッキではこの処理なくしてはメッキができません。

先に述べた通り、プラスチックに電気メッキを施すためには無電解ニッケルメッキや無電解銅メッキを下地としてまずつける必要があります。

これら無電解メッキの核となる触媒(種のようなもの)を母材に埋め込むための穴を開ける作業エッチング処理なのです。

畑を例にとれば、硬く整った地面を鍬や耕うん機で耕す作業がエッチングにあたります。

次は種を植える作業です。

◇キャタリスト処理◇

「キャタリスト」とは「触媒」のことを指します。

「触媒」とは「化学反応を促進させる化学物質」のことで、生涯文系の私とは縁遠い言葉ですが、

この触媒を「耕した畑」に埋め込むことで、無電解メッキを施します。

こうして触媒をプラスチックの母材に埋め込む作業キャタリスト処理と呼ぶのです。

弊社で扱っているプラスチックメッキにおいて、この触媒はパラジウム(Pd)触媒と呼ぶのですが、

パラジウム触媒がどんな触媒なのかは難しすぎるため割愛いたします。

触媒(キャタリスト)は無電解メッキの核となるもの、と覚えていただければ問題ないかと思います。

◇化学メッキ◇

さて、いよいよメッキ工程です。

題は化学メッキとしましたが、電気を使わないという意味で無電解メッキと同義語になります。

無電解メッキ自体はもちろん金属体に施すこともできるので、弊社でも平素より取り扱っております。

※無電解ニッケルメッキについては下記コラムをご覧ください。

先ほど植えた触媒を核として、化学反応を利用してメッキを施していきます。

電気を使わない為、導電性の低い或いはない物質に対してメッキを施すことが出来る化学メッキですが、

析出(せきしゅつ)されたメッキ層である銅やニッケルは導電性が高い金属です。

したがって、その上からであればまるで「もともと導電性の高い金属製品に電気メッキを施す」かのように電気メッキが可能なのです。

◇電気メッキ◇

最後は電気メッキの工程です。

既に化学メッキによって導電性が付与されているため、通常の電気メッキと同様にメッキ処理を行います。

ちなみに、いわゆる「メッキ」というものは、その多くが一枚の皮膜ではなく層状になっています。

たとえば弊社で行っている金属体へのクロムメッキも、クロムメッキ皮膜のみが製品上に存在しているわけでなく

一例ではありますが鉄材の場合、

鉄(素地)→銅下地メッキ→銅メッキ→半光沢ニッケルメッキ→光沢ニッケルメッキ→クロムメッキ

と、実はこれだけの種類のメッキが形成されているのです。

プラスチックメッキも同様に、弊社ではクロムメッキ・金メッキ・サチライトニッケルメッキなどの取り扱いがございますが、

それぞれ下地に化学ニッケルメッキはもちろん、銅メッキやニッケルメッキが施されています。

下地なので外からは見えない部分ですが、耐食性など機能性にかかわってくる重要な役割を果たしています。

プラスチックメッキのメリットとデメリット

メリット

プラスチックメッキのメリットといたしまして、何より軽量化できることが挙げられます。

金属製品でもアルミなどを用いることで比較的軽量にすることは可能ですが、樹脂の軽さにはかないません。

また、金属製品より安価になることもメリットの一つです。

したがって電気自動車などへの採用も年々増えています。

母材はプラスチックですが表面のメッキは本物の金属ですので、高い装飾性やデザイン性を得ることもできます。

金属を乗せているため、プラスチックそのままの状態と比較すると耐熱性や耐摩耗性なども向上します。

デメリット

プラスチックメッキのデメリットといたしましては、まず変形の恐れがある点が挙げられます。

樹脂という性質上、製品の穴にテンションをかけて治具に固定し、高温なメッキ液に浸漬されると

その穴付近が熱と圧力によって変形してしまう可能性がございます。

弊社では成形からメッキまでの対応が可能ですので、ランナーやゲートと呼ばれるいわゆる余分な部分を残した状態で成形し

そのランナー部やゲート部に引っ掛けてメッキを施し、メッキ後にその部分を切除することで製品自体の変形を回避することが可能となっていますが、

製品として既に市場に出回っているプラスチック製品は多くが余分な部分などない状態ですので

そのような製品の場合は製品部分を使用して引っ掛けるしか選択肢がなく、その結果変形してしまうこともございます。

また、もう一つのデメリットとして、樹脂の材質によってはうまく処理ができないという点が挙げられます。

弊社では最も一般的なABS樹脂をはじめとしてポリカABS樹脂や二色成形品へのメッキが可能ですが、

その他の樹脂は実績が少なく、また組成に起因して処理が難しい樹脂も存在します。

リスクマネジメントの上でご理解いただければトライから行わせていただくことも可能ですので、是非一度ご相談ください。

いかがだったでしょうか。

弊社でもプラスチックメッキの取り扱いがございますので、気になることがございましたらお気軽にお問い合わせください。

対応寸法等、詳細は下記ページよりご覧いただけます。

それではまた次回!

PROFILE

柳沢 寛太
柳沢 寛太
新卒として入社後、現場での業務経験を活かし現在は営業として活動しながらコラムを執筆。塾講師・家庭教師の経歴から、「誰よりもわかりやすい解説」を志している。
また、多数の人気コラムを生み出すだけでなく、実はYouTubeの編集者でもある。コラム・YouTube・広告等のプロモーションを手掛けた本HPは前年比1,150%アップという偉業を達成した。
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