【金属・樹脂にできる】シルク印刷ってなに?
こんにちは。
群馬県高崎市にて表面処理をおこなっております、(株)三和鍍金と申します。
本コラムは事業統括部の柳沢が解説いたします。
今回は「シルク印刷」についてのコラムになります。
皆さん、「シルク印刷」って聞いたことがありますか?
あまり聞き馴染みはないですよね。
しかしタイトルの通り、金属や樹脂に対してもおこなうことができる有用な印刷法になりますので、
簡単に学んでみましょう。

目次
シルク印刷とは?
シルク印刷とは、スクリーンと呼ばれる版にインクを押し当てて下にある製品に印刷する技法です。
スクリーン印刷とも呼ばれ、その昔、スクリーンにシルク(絹)を用いていたことからシルク印刷の名で知られています。
ちなみに現在は、絹ではなくポリエステルやナイロンなどの樹脂が採用されています。
部分的に微細な穴が開いていることでインクを通し、他の部分においては通さないことで色をつける手法になります。
マスキングをしてカラースプレーをするような感覚ですね。
後述しますが、様々なメリットを加味した上で、看板や化粧品など様々な分野で用いられています。
シルク印刷のメリットとデメリット
シルク印刷にはどのようなメリットとデメリットがあるのか、みてみましょう。
メリット
・印刷版を作成する関係で大量生産に向いている(印刷すればするほどお得に)
・インクを厚めに塗ることができるため色彩が明瞭である
・塗装のような要領の為、耐久性が高め
・対応可能素材が膨大(金属やガラス等にも可能)
デメリット
・印刷版を作成する関係で少量生産だと割高になる傾向
・他の印刷法より納期がかかる(版板の作成や乾燥までの時間等)
・色ごとに印刷版を作成するため、色のバリエーションで納期・コストが変化する
めっきや塗装の上にシルク印刷はできる?
結論、可能です。
上述したようにほとんどのものに対してシルク印刷は可能で、巷では空気と水以外ならシルク印刷可能とまで言われています。
弊社でも実際にカチオン塗装の上にシルク印刷を施した実績がありますが、特に問題なくご使用いただいております。
懸念される事項や追加したい機能(例:熱に強い方がいい、この溶剤で落ちないインクが良い、など)があれば
是非ご相談ください。
※シルク印刷は弊社協力工場様にて処理をおこないます。
おまけ~印刷法の分類~
印刷の方法にはそれぞれ種類があり、メリットが異なるために用途に応じて採用される印刷法が変わってきます。
それぞれの印刷法について簡単にご紹介します。
※イラストはあくまでイメージです
平版印刷
「へいはん」印刷と読みます。
現在最も広く採用されている印刷法になります。
凹凸のない平面の印刷版を用いるのですが、親油性の部分と親水性の部分を分けて作成することで
後述する凸版印刷や凹版印刷のように印刷する部分としない部分をわけて印刷します。
平版印刷の一種である「オフセット印刷」はシルク印刷(スクリーン印刷)ともよく比較されますので、その違いについて簡単にご説明します。
版とインクを用いて文字やイラストを印刷対象に写すことを転写と言いますが、
シルク印刷の場合、製品に対して直接転写・印刷をおこないます。
ですが、オフセット印刷の場合、一度ブランケット銅に転写してから対象物に印刷をおこないます。
シルク印刷と比較して、オフセット印刷の方が多色刷りには向いており、
印刷にかかる時間が短めであるため、短納期・低コストで印刷が可能です。

孔版印刷
スクリーン印刷とも呼ばれます。
シルク印刷も孔版印刷法の一種で、前述したように版に穴を開け、そこからインクを刷り込むことで印刷をおこないます。
インクをより直接的に塗れるような形ですので、厚く塗ることができ、耐候性に優れていると言えます。

凸版印刷
凸版印刷は凹凸をつけた版の凸部分のみにインクをつけることで印刷をおこなう方法です。
印鑑の原理と全く同じですね。
輪郭がはっきりしていて安定した品質で印刷が可能なため、特に文字の印刷に向いていると言えます。

凹版印刷
凸版印刷に対して凹版印刷とは、まさにその仕組みは真逆で、
印刷版の凹の部分のみにインクをつけ、印刷をおこないます。
別名グラビア印刷とも呼ばれ、鮮やかなグラデーションの表現を得意とすることから写真集などに用いられます。
そうです、実はグラビア印刷とは「グラビアアイドル」の「グラビア」の語源にあたるんです。
グラビア印刷によって刷られた巻頭ページ(グラビアページ)に載るアイドルだから「グラビアアイドル」というわけですね。
カラーの表現が美しく、また大量に印刷することでコストを抑えられるため、雑誌などに用いられています。

デジタル印刷
デジタル印刷にあまり聞き馴染みのない方でも、「インクジェットプリント」という別名は聞いたことがあるはず。
よく見聞きしますよね。
これは無版印刷とも呼ばれる印刷法で、デジタルデータを基にしてインクを直接対象物に吹きかけて印刷をおこないます。
精度が高く緻密な塗装というイメージでしょうか。
オンデマンド印刷と呼ばれることもあり、版がいらないために小ロットかつ短納期で印刷が可能です。
色ムラが発生してしまうなど印刷の品質に課題があります。

いかがだったでしょうか。
弊社ではめっき・塗装・研磨からそのあとのシルク印刷まで一貫対応が可能です。
「いろんなところに発注するのは管理が大変…」
「納期調整が煩雑化して追いきれない!」
「納品書と請求書がごちゃごちゃしてしまう」
これらすべて弊社にて解決いたします!
三和鍍金にご依頼いただくだけで管理はすべて弊社がおこないますので、お手を煩わせません。
迅速に対応させていただきますので、是非一度ご相談ください。
もちろん、シルク印刷のみのご依頼も大歓迎でございます!
ご検討いただけますと幸いです。
お問い合わせは下記フォームよりどうぞ。
それではまた次回!
PROFILE

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新卒として入社後、現場での業務経験を活かし現在は営業として活動しながらコラムを執筆。塾講師・家庭教師の経歴から、「誰よりもわかりやすい解説」を志している。
また、多数の人気コラムを生み出すだけでなく、YouTubeの元編集者・現プレスリリース執筆者。コラム・YouTube・広告等のプロモーションを手掛けた本HPは流入ユーザー数前年比1,150%アップという偉業を達成した。
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